木村拓哉「BG~身辺警護人~」視聴率トップ発進、もっと木村のカッコ悪いところを強調していいのに

エキレビ!

2018/1/25 10:00

木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』がスタートした。木村のドラマ出演は昨年1月クールの『A LIFE~愛しき人~』以来1年ぶり。SMAP解散騒動でバッシングされ続けた木村の真価が問われるシリーズになりそうだ。

先週放送された第1話の視聴率は15.7%。冬ドラマの初回視聴率では堂々の1位だ。同枠で12月まで放送されていた怪物ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』には及ばないものの、上々の滑り出しだろう。

丸腰で人を護る民間警備会社の人々の戦いを描くドラマで、脚本は『GOOD LUCK!!』『エンジン』で木村と組んだ井上由美子。キャッチフレーズは「2018年冬、木村拓哉があなたを護る!」。公式サイトには「男たちの熱く、泥臭い戦いの日々を鮮烈に、そしてリアルに描く」と書いてあるが、メンバーには女性もいる。


「見事なカムバックを見せてくれよ」
物語は2012年から始まる。木村演じる島崎章はサッカーのスター選手(満島真之介)のボディガードを務めていた。ファンから投げつけられた生卵を華麗にキャッチし、投げた本人に「はい、返却」と囁きながら返す一連の流れは、まさに“かつてのキムタク”。2012年の木村は、『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』に出演していた頃だ。どうでもいいが、最近のキムタクドラマには「~」が多い。

時は移って2018年。島崎は道路工事の警備をやっていた。真冬の深夜、同僚(でんでん)と寒さに凍えながら警備をする島崎。夜中の工事現場の交通整理は、『最強伝説黒沢』の冴えない中年男・黒沢さえ嫌がる過酷な仕事だ。この境遇の差は、現在の木村拓哉の置かれている状況を象徴しているのだろうか?

そこへやってくる黒塗りの車。車の中から木村を睨むのは警察SP、落合を演じる江口洋介で、一緒に乗っているのは厚生労働大臣役の石田ゆり子。彼らの車を追ってきたのは雑誌記者役の勝地涼。ほんの短いシーンなのに、スターしか出ていないことに驚く。

警備会社の社長(永島敏行)に「年も食いました」とこぼす島崎。話している木村の顔色は悪く、髪も潤いがない。たしかに“どこにでもいそうな、ちょっとカッコいい中年男”の風情だ。しかし、そんな島崎に社長は「このままで終わっていいのか?」と問いかける。これも現在の木村拓哉への言葉に聞こえる。社長は続ける。

「島崎君、見事なカムバックを見せてくれよ。君にはそれが、できるじゃないか」

『サイレーン』と『全員死刑』がいる身辺警護課
島崎とともに身辺警護課のメンバーに選ばれたのは、元自衛官で高慢な態度の高梨(斎藤工)、運動神経抜群の菅沼(菜々緒)、ゆとり世代でノリが軽い沢口(間宮祥太朗)、そしてリーダーの村田(上川隆也)という面々。うーん、ちょっと豪華すぎませんかね……? 『サイレーン』の凶悪殺人犯と『全員死刑』がいるのも不穏すぎる。

最初はちょっと走るだけで足を痛めていた島崎だが、訓練では見事な技を披露して周囲を驚かせ、なんとオープニングタイトルが出る前に体のキレを取り戻す。なんというか、溜めが足りない。もっと木村のカッコ悪いところを強調したほうが“カムバック”も劇的になるのに……と思うのだが。

プライベートでは一児の父である島崎。木村が父親を演じるのは『アイムホーム』に続いて2回目となるが、今回の息子(田中奏生)は中学生。島崎の実年齢は明らかではないが、木村の実年齢45歳を考えれば、中学生の息子がいてもまったく不思議ではない。妻とはすでに離婚している模様で、実質シングルファーザーだ。

しかし、島崎父子が住んでいるマンションがやけに小洒落ているのが落ち着かない。工事現場の警備員の給料で住める家ではないことは確かだ。ボディガード時代に稼ぎまくっていたということなんだろうか? もっと生活感を出したほうが良いと思うのだが……。極端なことを言えば、これがこのドラマの色合いなんだと思う。

世界は木村拓哉のために回っている……のか?
第1話では、「頼むよ、金はいくらでも出す!」「弾除けになってくれるんだろうな!」と言う食品会社会長(伊武雅刀)をマラソン大会で警護する。マラソン大会に来賓として出席する大臣の立原愛子(石田ゆり子)に脅迫状が届いており、巻き添えを恐れた会長が警護を依頼したのだ。

前クールの『民衆の敵』ではリベラルな新聞記者を演じていた石田ゆり子が、こちらでは弱者の痛みがまったくわからない民自党の“失言大臣”立原を演じている。役柄の真逆っぷりがすごい。

そしてマラソン大会当日。爆発が起こると、パニックになる群衆。見事にまで無能な江口洋介ら警視庁のSPたちを尻目に、いきなりスタンドプレーに走る木村拓哉は、ばったりと怪しげな振る舞いをする石田ゆり子と出会い、あらかじめ怪しいと踏んでいたサイコな雑誌記者の勝地涼から石田を守る。うーん、何だ、この展開? と思わざるを得ない。完全に木村拓哉を中心に世界が回っている。

若手(斎藤工、間宮祥太朗)に突き上げられ、女性(菜々緒)や息子に白い目で見られ、ライバル(江口洋介)に嘲笑されながらも、クライアント(あなた)のために泥まみれで汗をかく木村拓哉が見たかったのに……。

「恐怖心があるから、危険を回避しようと思って戦略を練るわけで、怖くないってのはヤケクソと変わんないっていうか」
「俺は、怖くない人と組むの、怖いな」

という上手いセリフもあるだけにちょっと残念。このまま島崎親子が住んでいるマンションのように、小奇麗で中途半端なアクションものになってしまうのだろうか? トレーニングしているとき、島崎が着ているトレーナーには「Carpe Diem(カルペ・ディエム)」と書かれていた。ラテン語で「いまを生きる」という意味だ(ロビン・ウィリアムス主演の同題の映画もある)。過去の栄光を投げ打ち、今のみを必死に生きる姿を見せてほしい。第2話では『HERO』で同僚だった大塚寧々を木村が守る。今夜9時から。
(大山くまお)

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