子どもの前での「夫婦ゲンカ」が及ぼす“3大悪影響”&回避のためにできること

ウレぴあ総研

2018/1/24 12:28

子どもが生まれるまでは公平だった家事分担のバランスが崩れたり、産後にホルモンの影響で不安定になる妻を夫が支えきれなかったりと、さまざまな要因は考えられますが、日常はまったなし。

できることなら、家族で過ごせる幸せを感じ、毎日笑って過ごしたいのに、芽生えてしまう夫への憎悪。

『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』(ジャンシー・ダン著/太田出版)

昨年、こんな本が出版されました。タイトルにぎょっとしつつも、激しく共感する女性は多いのではないでしょうか。

子どもが生まれて夫婦仲が悪くなることは日本に限らないようです。この本の著者はアメリカ人ですが、本のなかに出てくるエピソードは私たちにも身に覚えがあることばかりです。

・おしっこのオムツ替えはできても、うんちになると妻にバトンタッチをする夫。

・スマホを片手に子どもの相手をする夫。

・頼んだことをすぐ忘れる夫。

女性が、自分さえガマンすれば、という解決法はいちばん避けたいものです。

本書では、6歳の娘を持つ夫婦が、争いの日々にピリオドを打つべく、ありとあらゆる手段を使って奔走する姿が描かれています。

■子どもの前で夫婦ゲンカをすることが厳禁な理由

夫への不満がつのると、自然と、夫婦のあいだで交わされる会話はとげとげしくなることも増えます。

子どもの前でケンカしてしまうことも、時にはあるでしょう。

日本の狭い住宅事情では、子どものいないところでケンカをするには限界もありますよね。

ですが、子どもの前で夫婦ゲンカをすることは、私たちが考える以上に子どもに悪い影響があることをご存じでしょうか。

本書によると、6か月の赤ちゃんでさえ、怒っている声や激しいやり取りに対してネガティブな反応を示すとあります。

さらに、不幸な結婚生活を送る夫婦のもとで育てられた赤ちゃんは、発達過程で多くの問題を抱えることが明らかになっているというのです。

具体的にどんな弊害が考えられるのでしょうか。

■1.子どもの混乱を招く

夫婦ゲンカをすると、つい陰で愚痴りたくなってしまいますよね。

そんな時、子どもに向かって「お父さんみたいになっちゃダメよ」は厳禁です。

子どもにとっては、父親も母親も大好きな存在で、二人があって初めて自分が存在するのに、その半分を、もう半分である母親が否定することは、自分の半分を否定されているに等しいことですからね。

愚痴るなら、子どものいないところでにしましょう。

また、夫婦ゲンカの声を聞きながら眠りについた子どもは、両親の顔色をうかがいながら翌朝を迎えます。なのに両親がまるで昨夜のことなどなかったかのようにふるまったら、子どもは混乱を覚えるでしょう。

お互いを罵り合うようなケンカをしてしまったら、すぐには難しくても、仲直りまでちゃんと見せることが大事です。

■2.自己肯定感の低下

夫婦ゲンカを自分のせいだと思う子どもは多いのです。

子どもは、自分が悪い子だから両親がケンカをするのだ、と思い、無力感に襲われるのだそうです。

実際に、筆者も14歳の息子に言われたことがあります。

筆者とパートナーがケンカをして、室内に険悪なムードが流れた際、彼はこう言ったのです。

「あ~、そういう空気作り出されると、何もやりたくなくなるんだけど、やめてくれない?」

息子がもう14歳で自分の気持ちを言語化できたため、私たちも自分たちのしたことを反省できたのですが、これが赤ちゃんや未就学児だったら、どうでしょう。

両親のケンカを止めることができない自分は無力で無能だ、という思いは、その後の成長過程でマイナスに作用することは目に見えています。

ただでさえ、日本の若者の自己肯定感は低いと言われています。その背景には、両親の仲も関係するのではないでしょうか。

■3.人間関係への影響

日常的に夫婦ゲンカのある家庭では、子どもが結婚に対する悪いイメージを抱きかねません。

親は子の鏡なのですから、気をつけたいもの。

結婚が、「違う人間同士が愛情を持っていたわりあい築き上げていくもの」ではなく、「いがみあい、攻撃しあっている人間同士が同居するもの」というイメージになってしまえば、家庭はくつろげる場所から程遠くなります。

両親のパートナーシップは、子どもの将来の異性関係にダイレクトに影響を及ぼします。そう考えると、ぞっとしませんか?

子どもに幸せになってほしいのなら、子どもの前での夫婦ゲンカは今すぐにひかえるべきです。

■ではどうしたら…?

とは言え、つのる不満をどうしたらいいのでしょうか。子どものために仲良し夫婦を演じろと言っているわけではありません。

まず、最初にしておきたいことは、夫と危機意識と子どもへの影響の知識を共有することです。

なかには子どもにありのままの夫婦の姿をみせることがよいことだと思っている夫もいますから、ここは、重要なステップです。

徹底的に公平なケンカであれば、両親のケンカをみても子どもは、「人間はお互いに怒りをぶつけあっても、愛情を持ち続けられる」ということを学べると本書にはあります。

ですが、いざ夫婦ゲンカになると、いかに自分は正しくて相手は間違っているか、というこだわりを捨てることができなくなる人が、男性でも女性でも多いもの。

また、感情が高ぶると、相手を罵倒する言葉を使ってしまう場合もありますよね。

こうなると、公平なケンカというのがいかに難しいかと思い知らされます。

お互いを責め合うケンカではなく話し合いをしようね、ということを、お互いの共通意識として持てたら、ずいぶんケンカの様子も違ってくるはずです。

■相手ではなく、自分を主語にする

テクニックとしては、アイメッセージで話すことも有効です。アイメッセージのアイとは自分を意味する”I”です。

相手の言動を指摘するのではなく、「私は~思う」、「私は~感じる」といった、私を主語にして気持ちを伝える話し方です。

ただし、この時に、相手がどう反応するかは期待せず、アイメッセージで自分の気持ちを表現できたことだけでよしとしましょう。

はじめのうちは、反論されたり、逆に「俺だって~」という反応が返ってくるかもしれませんが、少しずつケンカ口調から話し合いに変わっていくでしょう。

反対に、「あなたはいつも~してくれない」「あなたは絶対~なんだから」といった表現は、逆効果満点です。

相手を怒らせることが目的ではないのですから、ここは気をつけたいところです。



産後の夫に対するイライラ、すごーくよくわかりますが、子どもの将来に悪影響があるとわかれば、ブレーキになるのではないでしょうか。

今回ご紹介した本の著者は、精神科医から、夫婦の専門家から、セラピストから、仲のよい夫婦から、とにかく、考えつく限りの手段を使って、夫婦仲の修復に取り組んでいます。

あきらめないその姿勢には、勇気をもらえます。

もしかして夫側には、どれだけケンカしても大丈夫、という甘えがあるのかもしれません。

妻が本気でどうにかしたいと考えていることを、まず知ってもらうことも重要ですね。

【参考文献】

・子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法

・夫婦の関係を見て子は育つ―親として、これだけは知っておきたいこと

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