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残業禁止で収入が減りました…若手の悩みに人材開発のプロが回答

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2017年は「働き方改革元年」と呼ばれ、「プレミアムフライデー」施策のスタート、さらにソフトバンクやDeNAなど大手企業による副業解禁が話題を集めた。しかし、そんななかで若手社員の新たな悩みや戸惑いの声も多く聞かれる。

今回は企業へのコンサルティングや研修を提供する株式会社アイマムの代表取締役社長、嶋谷光洋氏(55)と、学生時代、2つの国際協力団体で活動し、現在はアメージング出版(合同会社AmazingAdventure)を経営するなど、若者の労働環境をよく知る千葉慎也氏(30)に、今時の若手社員の悩みや、上司が取るべき対応について語り合ってもらった。

◆ ◆ ◆ ◆

千葉慎也(以下、千葉):では早速、若手社員の悩みを見ていきましょうか。

◆「それでも残業禁止に従うべきですか?」(Aさん・26歳)

「昨今の働き方改革で、勤務先も毎週水曜は夜6時の残業が禁止されました。それはそれで良いのですが、手取りのほとんどは残業代だったので、生活苦に陥りそうです。周りからも『働き方改革なんていらない…』と恨み節が聞こえますが、それでも残業禁止に従うべきでしょうか?」(放送・制作・男性)

千葉:働き盛りで、もっと働いて稼ぎたいのに残業が許されず、基本給も安いため生活が苦しくなってしまっているという。

嶋谷光洋(以下、嶋谷):これは上司があまりにも説明不足だと思いますね。「なぜ残業禁止になったのか」というところを部下に明確に伝えた上で、もっと対話をするべきです。

千葉:ただ単に「働き方改革だから」「上が言っているから」という理由で残業禁止を押し付けられても、部下としてはもやもやとしたものが残りますよね。

嶋谷:それに残業をなくしたことで、それまでにしていた残業がもしも本当に必要な残業であったとしたら、当然、売り上げも落ちますよね。「明日から残業なしだけど、売上はキープで」って、そんなのは無理な話。

「売上が20%落ちるが、1年間、残業は我慢しよう。その替わり1年かけて元の業績に戻せるやり方を一緒に考えていこうよ」というのが上司のあり方だと思います。

千葉:上司は部下に対して、しっかりとした説明をすべきだと。あとは基本給だけで生活できないというのも、問題ですよね。

嶋谷:そのあたりもコミュニケーション不足で上司に伝わっていないのではと思います。部下も部下で、会社にとって必要な残業であるならば、「仕事の品質を上げるために、こんな理由で残業が必要なんです」と上司に伝える勇気を持ってほしいですね。

1分とか短時間でいいので気軽に「残業せずにできそう?」とか声をかける普段の何気ない会話が新しいやり方を生みだす土台だと思います。

◆「私の中の『働き方改革』は正しいですか?」(Bさん・25歳)

「ベンチャー企業なので、とにかく残業することが当たり前に良しとされていて、ずっとその風習に従ってきました。ただ、その生活に限界も感じていて、今は『やるべきことが終わったらなんとしてでも帰る!』と、自分の中で働き方の方針を変えました」(ITサービス・制作・女性)

嶋谷:自分の心身の健康を守るために働き方の方針を変えて実行しているというのは、素晴らしい行動力!

千葉:特に残業が当たり前とされているようなベンチャーではとても勇気のいることだったんじゃないかな。

嶋谷:この方には、ぜひもう一踏ん張りしていただきたい。同僚にあなたと同じ気持ちを持って働いているが、上司が怖くてあなたのように実行できないという方はいませんでしょうか。

もし周りと話ができる状況なら、本音を聞き出してみてほしいですね。慎重に動く必要があると思いますが、会社のそういった風土を変えていきたいのであれば、仲間と協力して会社に対してはっきりと意思表示をするべきだと思います。

千葉:今のままでは会社に居づらくなってしまいそうですからね。頑張ってもらいたいです。

◆「理想的なキャリアの築き方は?」(Cさん・25歳)

「今の企業に対して、漠然とした不安があります。もちろん勤務先が突然、倒産することの不安ではなく、今の職場がなんとなく自分に合っていない気がする。思い切って外資や、国外の企業に転職したい。おふたりが考える、この時代、もっとも理想的なキャリアの築き方は?」(ベンチャーキャピタル・2年目・男性)

千葉:僕はこの最後の1行が気になりました。まず、「この人にとってキャリアって何なの」というところから始めなければいけないと思うのですが……。

嶋谷:これは厳しい言い方だけど、「もっとも理想的なキャリアの築き方は?」って聞かれても、知るか!って感じ(笑)。「まず君はどうしたいの?」と。「僕は安定した収入を望んでいるんです」というのなら、公務員になればいいわけです。

その場合、ベンチャーに居ること自体が間違っていると思いますよ。ただ、ベンチャーに就職したからには、この人の心のどこかに「未知の可能性に挑戦したい」という欲望があるのでしょう。では「本当は何がしてみたいのか」リスト化してみてはどうでしょうか?

まずはいくつか当たりをつけて、走ってみればいい。違ったらやめて、方向転換をいくらでもしてください。そうして成功体験を少しずつ積んでいくなかで、自信をつけて、本当にやりたいことを見つけていけばいいのではと思いますね。

千葉:一言に「キャリア」といっても今の20代が考えるキャリアと、40~50代が考えるキャリアってギャップがあると思いませんか? 昔は大手企業に入れば将来安泰。社内でひたすら頑張って課長なり、部長なりを目指していくというキャリアの築き方が一般的だったと思う。

でも今の時代、副業兼業も当たり前だしAIなどの発達でいろんな仕事がなくなりつつあるじゃないですか。某銀行だって、ITを活用してあと数年で1万人を超える人員削減をしようとしているなど、メガバンクに入ったって仕事がなくなる時代ですよ。

こうした流れのなかで、最初から最後まで1つの会社でキャリアを築いていこうという人は、僕の周りや若い人の間では少なくなっているように感じます。

嶋谷:そうだね。そういう価値観を持つ若者に、社内での昇進という意味のキャリアではなく、「君が理想とする働き方や人生にとって今の仕事はこういう価値があるんじゃないの?」と言える器の大きさが、現代の上司たちに求められていると思いますね。

質問の彼には、自分が出来ること、したいこと、求められることをどう分析していて、今後どこを補完強化したいのか、今一度考えてみてほしいです。上司に相談してもいいですし、同僚同士で話合うのもいいでしょう。外部のコンサルタント活用するのもひとつの手です。

◆「今のキャリアを休職でフイにしたくない」(Dさん・30歳)

「新卒で外資系コンサルティング会社に入社して8年になります。ここ最近、体調が優れません。夜眠れない日もあります。責任感が強く、難しい仕事でもしっかりとやり抜きたい一方で、他人に負けたくない、今のキャリアを簡単に手放したくないという気持ちが、足かせになって、ストレスや強迫観念を感じているかもしれません。もちろんやる気はありますが、休職という考えもアタマをよぎります。しかし、社内にも知れ渡るのが怖く、決断できず悩んでいます」(外資コンサルティング・女性)

千葉:「今のキャリアを簡単に手放したくない」とありますが、仕事を辞めたり休職することが「キャリアを手放す」ということになってしまうんですかね? 今の立場を手放しても、この人が積んできた経験が立派なキャリアとして残ると思うのですが。

嶋谷:そのとおり。なぜこの人が休職や転職の決断ができないかというと、「執着」ですよ。今の立場を離れれば、後任が必ずいます。再び戻ろうとしたところで、もうその席は空いていません。その不安から執着が生まれるんです。そう言った感情は、守りに入った仕事をさせます。攻めて仕事をしている人にどんどん離されるという悪循環が生まれてしまうのです。

千葉:頑張って手に入れたものを手放すということは、すごく損した気持ちになるし、恐怖なんでしょうね。

嶋谷:私が少林寺拳法やっているとき、「拳禅一如」と言う言葉をよく聞かされました。健康な肉体に健全な魂が宿るという言葉です。まずは健康な身体を取り戻してから次のステップへ挑戦する気持ちを持ってほしいと思います。

現状のまま、成果を出して出世してもその地位にしがみつくでしょうから、もっとストレス増えますよ。その執着を取っ払って、もう一度自分の使命について考えてみてはどうでしょうか(※近日公開予定の後編に続く)。

<取材・文/鴨居理子 撮影/林紘輝>

【嶋谷光洋】

株式会社アイマム代表取締役社長。企業に対して営業改革やチーム力開発に関するコンサルティングを実施。営業所の現場に出向き、180日間という限られた期間で人材開発(やりがい、笑顔あふれる自由闊達な職場づくり)と高業績を実現する「180日間営業変革プロジェクト」を提供している

【千葉慎也】

アメージング出版(合同会社AmazingAdventure)代表。大学卒業後は開発コンサルタントとして、国内外のインフラ整備に携わる。現在は自然派ダイニング「Bare Green」とアメージング出版を経営しながら、旅×ギフトを掛け合わせたオンラインサービス「TABITOMO Gift」を開発中


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