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屋台営業は“迷惑行為”なのか? 東京と博多の異なる屋台事情

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かつて日本においてその存在はごく一般的であった屋台。夜ごとリヤカーを引くその形態は庶民に親しまれ、チャルメラの音に懐かしさを感じる人も多い。しかし、この数十年で激減した東京の屋台は今や絶滅の危機に瀕し、数を正確に知る者もいないという。迫る’20年の東京五輪に向けて、屋台文化を消滅させない方法はあるのだろうか。

◆行政と組合によるつば迫り合い。観光資源として生き残れるか

排除されつつある東京の屋台に対し、観光地として人気と圧倒的知名度を誇るのが福岡・博多の屋台だ。その違いを、都市計画コンサルタントの木村陽一氏は次のように読み解く。

「決定的に異なるのは、屋台に対する行政の認識ですね。東京では屋台を『迷惑施設』とだけ考えるのに対して、福岡市では『観光資源』であるとも解釈しています。そして東京では区画整理をして屋台を横丁や商店街に移行させてきましたが、福岡では複数の屋台をそのまま集合体と見なした“屋台群”として維持・運営しています」

さらに、組合の存在も大きい。

「福岡の屋台には組合が組織されており、これが東京の屋台とのもう一つの違いです。歴史的背景としては、もともと福岡の屋台は、戦後に引き揚げ者や戦災者が開業したといわれています。しかし、無秩序な運営と衛生面を危惧した連合国軍総司令部(GHQ)により、’50年7月に全面廃止が決定。これに対して屋台の店主たちが創設したのが『福岡県移動飲食業組合』です。以降、組合が屋台と行政の間に立っています」

組合による保健所や当時の厚生省との交渉の末、’55年に屋台営業の許可申請が認められるようになった。組合なくして屋台文化の維持はなかったことに疑いの余地はない。ただし、屋台を資源化することで生まれる負の側面もある。

「『家賃がかからない』『自然とお客が集まるから楽に稼げる』といった理由から『名義貸し』が横行。ときには1000万円という高値で営業の権利が違法売買されたこともあるといいます」

加えて、東京の屋台でも散見されることだが「公園の水道などの公共スペースの私物化」「テナント料の不平等」「景観の悪化」などの苦情も絶えなかったという。

「そこで行政は市民の声を反映して、’00年に『屋台の営業権は原則一代限り(’13年からは直系家族に限り一度だけ譲渡が可能に)』『新規参入不可』というルールを制度化しました。さらに上下水道のインフラ整備が不十分だったことも苦情につながる要因だったため、改革に着手。’16年12月に屋台営業の環境整備(上下水道、電気設備の設置)が完了しています」

さらに、選考に不正があったとして現在揺れてはいるものの「屋台経営者の公募」を行うなど、名義貸し問題や店主の高齢化による廃業への対応も始まっている。

最盛期の’60年代には、400軒を超えたといわれる福岡の屋台。しかし’17年現在の福岡市内の屋台軒数は116軒ほどに減少。最盛期の4分の1近くである。行政と組合の連携によって地元民にも愛される屋台文化を残していけるのかどうか、まさに正念場だ。

取材・文/加藤純平(ミドルマン) キンゾー 桜井恒二 建部 博 辻野祐馬 姫野ケイ 河本翔平 撮影/難波雄史 山川修一 写真提供/河北新報社 木村陽一 産経ビジュアル 新横浜ラーメン博物館 豊里友行

― 消えゆく[東京の屋台]の今 ―


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