鈴木伸之「本当に難しかった」映画「CINEMA FIGHTERS」公開直前インタビュー

いまトピ

2018/1/23 14:30


昨年、EXILE結成15周年という大きな節目を迎えスタートした「CINEMA FIGHTERS」。これは、EXILE TRIBE×ショートフィルム×映画監督から成る新プロジェクトで、楽曲の世界観を枠にとらわれることなくショートフィルムに落とし込んだ作品が楽しめる。

1月26日からの公開に先駆けて、『CINEMA FIGHTERS』5作品の中から、『Mr.Snowman』に出演の鈴木伸之にインタビューを敢行。撮影秘話から恋愛観、今後の展望までを聞いた。

■鈴木伸之主演、E-girlsの楽曲をモチーフにしたショートフィルム『Mr.Snowman』


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ーー本作は、E-girlsの『Mr.Snowman』という曲をテーマに制作されましたが、曲を聴いたり台本を読んでの感想、また完成作品を見た鈴木さんの率直なお気持ちから教えてください。

鈴木伸之(以下、鈴木):E-girlsさんの楽曲は常々聴かせていただいて、どれもすごくすてきで明るく前向きな曲が多く、すごく女性らしい曲です。今回、僕は『Mr.Snowman』という曲をドラマにするということで、監督ともいろいろ話しながら、楽曲の『Mr.Snowman』とは違う、ドラマの『Snowman』を描きたいというお話を最初にしてくださいました。明るいアップテンポの曲とは違うようなドラマに仕上がっていて、だけどどこかリンクするような、そういう仕上がりになっているんじゃないかなと思います。

――大人の切ない物語に仕上がっていました。短時間ですが、主人公のロクが、10年後と思って眠りについたのに、起きたら50年後で。そこからまた次の決断に進んでいくまでも、すごく短い時間で表現しなければならない。

鈴木:今回、短編の作品が初めてだったので、出来上がったものを見てとか、現場で感じて、こんなにひとつひとつのシーンカットが大事なんだっていうことを改めて感じたのと、もっともっと表現しないと駄目だなと反省することがたくさんありました。だけど同時に、やっぱり20分とか15分という時間で一つの物語も見せることができるんだという、新しいエンターテイメントの形をすごく感じました。今回を機に、シネマファイターズというものがどんどん進化していったらいいなと思いますし、そのときに違った自分を見せられたらいいなと思います。

――実際に脚本をご覧になれたとき、この物語はどのように感じましたか?

鈴木:50年間待ち続けるというお話だったので、でも本当にそれは現実的にはないわけじゃないですか。あったにしても、待てるかどうかという問題もある。50年でいろんなことがあると思うんですよね、きっと。だけど、この作品を通して50年間とか……じゃあ200歳くらいまで生きられたとして、100年、150年カプセルの中に入っていたとしても、きっとこの倍賞美津子さんの役は待ってくださっていたと思うんです。僕の役も。
だからそれくらい、一人の人と恋愛したり、仕事でもそうだし、生きていくうえでひとつのことを一生懸命頑張るということは素晴らしいことだっていうエンターテイメントだと思うんです。だから、そういうのを感じていただけたらすごくうれしいなと思います。

――実際に映像を見せていただきましたが、倍賞さんの手がすごく印象的でした。倍賞さんとはどういった会話をされたのでしょうか。

鈴木:倍賞さんとてもかわいらしい方で。一緒にベッドに入るシーンがあるんですが、そのときに、恥ずかしいねっておっしゃっていたんですけれど、すごくピュアで。あのお年になっても少女のような心を持っている方でした。なかなか倍賞さんと二人でお芝居できる機会もないので、すごく貴重な経験でしたし、改めて年は違えど、性別も違えど、何か通ずるものというのは変わらないなと改めて思いました。

倍賞さんの持っている気持ちとか、僕の気持ちとか、そういうみんなの気持ちみたいなものは変わらないなと改めて思ったので。いいチームワークでやらせてもらいましたし、あのお年にならないと出ない説得力みたいなものもすごく感じたので、本当に感謝しています。

――最近、大作への出演が続いていましたが、今回は短編作品に初出演ということで、何か得られた経験や、特にこれは良かったなと思う経験はありますか?

鈴木:今回は萩原監督とも2回目で。『東京喰種 トーキョーグール』に続いての出演だったので、それはすごくやりやすかったです。得られたこというよりは、次こうしよう、ああしようというほうが多くて。得られたことといえば、本当に倍賞さんとお芝居をやらせて頂けたことと、またチャレンジしたいなっていう気持ちの方が大きいです。

――萩原監督とは2回目で、『東京喰種 トーキョーグール』でも鈴木さんの新たな面が見れて、今回も全く違う振り幅のものが見れて、すごく相性がいいのかなと思いました。監督との取り組みについて印象深かったことは?

鈴木:台本が短いので、撮影も2日間だったんです。だからイメージがつきづらいよねという話をしてくださって。プロットみたいなのを書いてくださって、普通にぶわーって小さい文字で書いてあるプロットを5、6枚くらい渡してくださって。これ、一応俺が考えるロクってこういう人だから読んでみてっていうふうに用意してくださいました。それを読んだうえでいろいろお話をして。すごくヒントをくださる方で、本当に作品に対して真面目な方ですね。とても真面目な人で、改めて素敵な監督だなと思いましたし、ただ、演じるのは本当に難しかったです。

――表現することが、ということですか?

鈴木:はい。いつもは台本をもらっていろいろ考えるんですが、考えないほうがいいなと思って、逆に。でも、20分ってすごく見やすいんですよね。映画を見るなると、ちょっと今日仕事で疲れているから途中で寝ちゃうかもな、とか意気込みが必要な時もあると思うんです。でも、20分だったら集中して見れるので、短編ですごく感動する作品とかに挑戦したいです。。短編ってもっともっとこれから主流になっていってもいいんじゃないかなって思うくらい、見やすいですし、わかりやすいのでいいなと思います。

■「なんか大人になっちゃったな」25歳、鈴木伸之のホンネ


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――特にこの作品は、この6作品の中でも感動する要素をすごく担っているような作品ですね。

鈴木:もうちょっと俺が頑張っていればな。でもこの6つの中では、確かに純愛というか恋愛を描いている作品なので、そこは伝わったらいいなと思います。

――コールドスリープカプセルにご自分が入ってという設定ですが、もし鈴木さんが、自分が愛するもので、ずっととっておきたい、この中に入れておきたいというものは何かありますか?

鈴木:若さかな。20歳の頃の肌。こういうのを入れられるんだったら入れたいですね。俺、この間25歳になったんですけれど。一気に、25になって、老けたなっていうか、なんか大人になっちゃったなって変に思って。まだ早いんですけれど、今まで22、23、24歳は、誕生日が来ても全然なんとも思わなかったんですけれど、25って急に大人になっちゃった気がして。すごい嫌で。永遠に中学生くらいで生きたい。

――逆に、充実しすぎて大人になったんじゃないですか?

鈴木:いや、どうなんですかね。でも本当に、肌もどんどん劣化していくというか。でも年って勝てないなってやっぱり思って。みんな絶対そうなっていくわけなので、中身を大事にしていかなきゃなっていう風に、シフトしていくんだなっていろいろ歳を感じた1年になりました。

――最後に村井さんみたいな男性になったらいいじゃないですか。

鈴木:そうですね。この作品も、村井さんのあの最後の笑顔で全部持っていってましたもんね。全部持っていかれたもんな(笑)

――25歳ってまだまだお若いと思うのですが、30代、40代でこういう面を充実させていきたいとか、どんな男になれたらなどはありますか?

鈴木:その日は必ず来ると思うので、一瞬一瞬いろんなことを楽しみながらやっていきたいなと思いますし、30っていろんな分岐点だと思うんです。お仕事に対しても、結婚とかもそうだと思いますし、いろんなことが変わる年じゃないですか。だから、今一生懸命やっておかないと、そのときにどうしようどうしようってあたふたしたくないなっていうのも思います。変わらないでいたいなっていうのはありますけれど。永遠に中学生くらいの少年の感じでいたいです。

――気持ちは少年で、好奇心を忘れないとか、そういう感じのことですよね。

鈴木:そうです!そういう感覚は大人になっていくとどんどんなくなっていっちゃうと思うので、そういうのはなくさないように生きたいなとは思います。

――まだまだお若いですけれど(笑)。

鈴木:まだ大丈夫ですけれど(笑)。

■50年待てる?待てない?主人公ロクに共感したところ


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――50年後って、お話としてはすごく長い純愛のお話ですがご自身だったらどうしますか?

鈴木:50年ですよね。待てるか、どうか。待てないですね。俺はリアルに、1年も待てないと思いますね。

――自分の生活は普通に続いているわけですからね。

鈴木:そうです。やっぱり1年あったら、1年で、ちょっとすてきだなって思う人も必ず出会うと思うんです。絶対的に、これはドラマっていうかエンターテイメントだと思うんですよ。ただ、それを貫いているから、この作品を見て。「私も今の彼氏を大事にしよう」とか、「彼女を大事にしよう」って思えると思うんです。でも50年は待てないです。

――正直な(笑)。

鈴木:俺、バンって閉めて、どこかいっちゃいますもん。

――ロクとの共感した点はありますか?

鈴木:人のために、例えば倍賞さんも、手がすり切れて、あんなにすり切れた手でも、あなたはここにいちゃ駄目と。外に行って新しい自分の人生を見つけなさい、みたいなことを言うんですけれど、それってすごくすてきなセリフだなと思います。50年間ずっと掃除していたわけじゃないですか。老いていく自分とか、いろんな葛藤がありながら。この倍賞さんの役に寄り添えば寄り添うほど、すごく感情移入できる作品だと思うんです。それを見て、ロクもどこにも行かずに、同じように手があかぎれ、すり切れながら待っていたって、これほどすてきなお話はないですよね、本当に。すごくすてきなお話だったなって改めて思います。

――4人しかいない少ない出演者だったんですけれども、特に撮影中に思い出深いエピソードとか、そういったものってありますか?

鈴木:1回舞台あいさつみたいなので登壇させて頂いたときに倍賞さんもいらっしゃって。倍賞さんすごくご飯がお好きみたいで、何かおいしいお店ない?と聞かれたので、中目においしいおそば屋さんがあるっていうお話をしたら、どこ、そこ、行きたいと少女のような目で仰っていて。マネージャーさんに住所を伝えて、私ここ今週中に行くわってすごくうれしそうにウキウキされている姿が印象的でした。とてもピュアな方で心がきれいな方だったなって思います。

――そういった倍賞さんとか、ほかの現場でも、いわゆる大御所というか、ベテランの方々とご一緒する機会が多いと思うんですけれども。学ぶこともある一方で、これは負けない、みたいな思いは鈴木さんの中にありますか?

鈴木:でも、あいさつはけっこう大きくするようにはしていて。あいさつってやっぱり大事じゃないですか。だから、あいさつは大きく話すようにはしていることくらいかな。あとは、もうないです(笑)。

――今回シネマファイターズはこの他に5作品ありますが、この中で僕だったらこれをやってみたかったなとかありますか? 岩田さんの雪まみれになりたいとか、町田さんみたいに遠くに行ってみたいとか。

鈴木:作品としては『花火』がすごい好きでしたし、楽曲もやっぱりすてきだなと感じました。町田くんはすごく上手に作品を描いていたなっていうふうに思いますどれもすごい色があって好きなんですけれど。でも『Snowman』やらせてもらったから『Snowman』で良かったなって思います。

――映画と音楽って、普段の作品でも切っても切れない関係だと思うんですけれども。今回の作品、特に音楽と映像がコラボしたということになっていますが。ご自身が普段の生活の中で、音楽の力を感じる瞬間。例えば落ち込んでいるときに音楽に癒やされたりとか、こういうところで音楽がふと入ってきてとか、何かご自身の生活の中で音楽を感じる、力を感じる瞬間って。

鈴木:いっぱいありますね。音楽ってもうマンパワーじゃないですか。やっぱりいつ聞いても変わらないですし、音楽自体が変わることはないから、すごい心に響きます。エンターテイメントって改めてすてきです。お笑いもそうだし、お芝居もそうだし、音楽もそうだし。普段接している中でしゃべったり、言ったりすることが、え、寒いなって思うことも、ドラマとか音楽ってけっこうすっと人の心にはいってくるものだと感じるんです。そういう仕事に携われているというのは、すごくすてきだなと思います。
普段全然違うお仕事をしていたら、あまり感じられないことだらけだと思うので。改めて、すごくすてきだなと。家に帰ってきたときくらいしかテレビを付けないような方もたくさんいらっしゃると思うので、そういう人にちょっとでも楽しんでもらえるエンターテイメントとかを届けていきたいな思います。

――今後トライしてみたい役どころや作品はありますか?

鈴木:『海猿』みたいな作品をやってみたいんです。熱い、男臭くて。訓練生くらいから始まって、だんだん大災害が起きてきて、みたいなやつをやりたいんです。せっかく俳優というお仕事をやっていて、やりたい作品をやれないまま死ぬのも嫌だし、絶対やりたいです。

――それは、肉体を生かすという意味も含めてですか?

鈴木:すごくメッセージ性のある作品がやりたくて。あと戦争ものとか。そういう作品がすごくやりたいです。

映画『CINEMA FIGHTERS』は1月26日ロードショー。

イントロダクション
モチーフになった楽曲は、EXILEのDNAを受継ぐガールズ・エンタテインメント・プロジェクトE-girlsによる2014年発表の12枚目シングル「Mr.Snowman」。このポップソングを、人気コミックの実写映画化『東京喰種トーキョーグール』(2017)で長編映画監督デビューを果たした萩原健太郎監督が、痛みを伴った愛のドラマとして新解釈し、映像に投影した。
不治の病に侵され50年後に目覚める主人公・ロクを劇団EXILEメンバーで『東京喰種トーキョーグール』にも出演する鈴木伸之が体現。黒澤明監督や今村昌平監督作品などで存在感を示してきた名女優の倍賞美津子が50年後の深雪を演じ、SF的世界観に人間ドラマとしての説得力をもたらした。20代の深雪を、アジアを中心に活躍する期待の女優・藤井美菜が短い出演シーンながらも好演。50年後のロク役には第32回菊田一夫演劇賞、第47回文化庁芸術祭賞、第19回読売演劇大賞優秀男優賞受賞など、日本を代表する名優・村井國夫を贅沢に起用した。

「CINEMA FIGHTERS」プロジェクト
EXILE HIROが率いるLDH JAPAN。俳優の別所哲也が代表を務める米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)。そしてEXILE、三代目 J Soul Brothers、E-girlsなどに歌詞を提供してきた作詞家、小竹正人氏。この三つ巴の奇跡的な出会いによって生まれた音楽と映像の一大コラボが「CINEMA FIGHTERS」プロジェクト。

同プロジェクトでは才能あふれる若き映画監督が、日本のエンタテインメントシーンを牽引してきたアーティスト集団EXILE TRIBEの楽曲からインスパイアされたものを、ショートフィルムとして実写映像化する。
記念すべき第1弾は、小竹が生み出してきた名曲の数々に、カンヌ国際映画祭常連の河瀨直美監督をはじめ、SSFF & ASIAが注目する5人の映画監督がFIGHTERSとして挑む。それぞれの作品にEXILE TRIBEの面々が主演するほか、山田孝之、桜庭ななみ、水崎綾女、倍賞美津子、鹿賀丈史ら実力派俳優陣も参加。

オフィシャルサイト:https://cf-movie.com/

(取材・文/柚月裕実)

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