亀梨和也と藤木直人の陣取り合戦「FINAL CUT」佐々木蔵之介は怪しすぎ謎すぎ2話

エキレビ!

2018/1/23 09:45

亀梨和也主演のドラマ、フジテレビ系「FINAL CUT」(関西テレビ制作、毎週火曜21時~)第2話。


物語のあらすじ
12年前、主人公の中村慶介は、ワイドショー「ザ・プレミアワイド」の情報操作によって、女児殺害事件の犯人扱いされた母親を失ってしまう。時を経て慶介は、幼なじみの野田大地(高木雄也)と共に、番組関係者に復讐を企てる。

藤木直人の不安定さの正体
藤木直人演じるカリスマキャスター百々瀬のキャラクターが不安定に見える。第1話で「てぇーへんだてぇーへんだ」と瓦版屋口調で大演説をかまし、面白狂い人として活躍していくと思われたが、第2話は少し違った。

自身の番組制作チームのメンバーが思い通りに動かない。1話の様なご乱心姿が期待されたが、意外にも冷静。ミスを犯したディレクター真崎(水野美紀)が夜景を見ながら放心状態なのを見つけると、優しく話しかけ、自身と番組の報道姿勢について真剣に説く。そして最後には、「僕の大事な戦力に」と紙で作った薔薇をプレゼントした。ただのイケメン上司だ。1話で自慢のトロフィーを粉々にされた井出(杉本哲太)がかわいそう。

これが何十話も続いている長編ドラマなら、「キャラがブレた」もしくは、「成長した」という話なのだが、たったの2話でこの変貌っぷりは、何かしらの意図があるのだろう。もしかしたら、カリスマキャスター百々瀬の帝王学は「男は恐怖で制圧」「女は惚れさせて飼いならす」というものなのかもしれない。

慶介と百々瀬の陣取り合戦か?
最近の復讐物で言うと、前クール放送の日テレ系「ブラックリベンジ」と、何かと今作と比較される「嘘の戦争」が挙げられる。似すぎているとも言われちゃったりしているみたいだが、この2作品との決定的に違うのは、観た後のスッキリ感だ。今後ハッキリとした差別化が図られるとしたら、ここだと思う。

2作品の主役たちは、復讐は徹底的にやる。ターゲットを社会的に抹殺したり、廃人にしたりと人生を終わらす勢いでやる。だから非常にスッキリする。対する「FINAL CUT」の慶介は、決定的な情報を相手に突きつけるも、それを世間には公表しないで“生かす”。だからそんなにスッキリしない。

慶介が復讐相手を生かしている理由は、自分の手駒にするためだ。つまり、井出と真崎への復讐は、最終的な標的に復讐を果たすための準備に過ぎない。

単純に言うと、慶介と百々瀬の“陣取り合戦”になっているのだ。番組スタッフたちの手綱をどっちが握るか、そういう戦いに発展しかけている。

そこに慶介と若葉(橋本環奈)とその姉・雪子(栗山千明)の三角関係、2人の謎の兄含む小河原家、さらには怪しさに振り切った高田副署長(佐々木蔵之介)ら警察が絡んでくる。キャラクター全員の心理状況はバラバラ、行動目的もバラバラ、知っている情報の量もバッラバラ、非常に複雑な状況だ。

状況が複雑になるということは、それだけ観たことがないものになりやすいということ、悪く言うとよくわからない話になるということだ。テレビ業界の闇に切り込んでいることが意欲作として評価されているが、構成もかなり挑戦的な方向に向かっているのかもしれない。

佐々木蔵之介が怪しすぎてよくわからない
前段でも少し触れたが、高田副署長の怪し過ぎる演出がすごく良い。登場するのはだいたい暗い部屋。常人の倍は間を空けて会話をし、半分の速度でゆっくり歩く。佐々木蔵之介という出て来るだけで少し怪しい俳優を、思いっきり怪しく描くのだから怪し過ぎてもう何がなんだかわからない。結果、悪人でも善人でも普通の人だったとしても、もはや何でも面白い。

2話のラストで慶介の正体に気付いた高田が、これからどう動きどういうスタンスを取るのか、今夜放送の3話で明らかになるのかはわからないが、物語を大きく左右しそうだ。

(沢野奈津夫)

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