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球界初のメジャー出身監督・井口資仁は最下位球団をどう建て直すのか?

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日本球界初の「メジャーリーグ出身監督」がついに誕生した。青山学院大時代はアトランタ五輪で銀メダルを獲得。福岡ダイエーホークス(現ソフトバンクホークス)では王貞治氏の薫陶を受け日本一に貢献。メジャーに渡った後もホワイトソックスで世界一を戴冠し、日本球界に復帰した後も千葉ロッテマリーンズで日本一を経験した。昨年現役を退くと、即、千葉ロッテの監督に就任。常に野球界の頂点にいた男は、最下位のチームをどう立て直すのか? チームの再建に挑むメジャー仕込みのビジョンに迫る!

◆球界初メジャー出身監督の大改革論

――井口さんのキャリアを振り返ると、過去に一度だけ最下位がありました。昨年は生涯2度目の最下位で球団史上ワーストの87敗。最下位チームの監督就任となりました。

井口:僕のなかでは、改革できる絶好のタイミングだと思うんです。例えば3位、4位で受け取るより、何かを一気に変えるのであれば「今」かなと。今なら自分の色を目いっぱい出せる順位。ハードルはかなり高いですが、やりがいを感じてます。

――「やりたい野球」と「できる野球」は別物と思いますが、井口監督が目指すマリーンズの野球は?

井口:やりたい野球は、打って守って走ってです。全員が3割30本30盗塁すれば勝ちますから(笑)。でも実際そうはいかない。例えば相手ピッチャーにエース級が来れば、何とか2点もぎ取って、1点で抑えて勝つとか。相手チームによって作戦は変えていきたいです。ホークスみたいにピッチャーが何点取られても、打線は5点取りますとか、そういうチームではないですから。うまく足を絡めて、アウトを相手に稼がせないような野球を目指します。

――今季のマリーンズの戦力は?

井口:現状のチームは、決してバカバカ打って勝てるチームではないし、ピッチャーが常に2点台で抑えるチームでもない。そのなかで何ができるかと考えるとやっぱり「足」を使った野球だと思うんです。

――なるほど。

井口:何年も前からこのチームは走れる選手が多いのに、なぜ走らないのかと思っていました。走りたくてウズウズしている選手もたくさんいる。そうであれば自分が現役時代にやってきた、足を絡めた野球はできるなと。足に不調はないのでチーム全体で目標を掲げてやっていきたい。

――監督就任の要請を聞いたのは?

井口:前監督が昨年の8月の中頃に退任を発表されて、(球団から)すぐに声をかけていただきました。正式には8月末頃でしたか。でもその時は自分の引退試合を控えていたので、「そうですか、ありがとうございます」って簡単に返事をしていました。

――「井口新監督誕生か?」という報道が先行していましたが、実際にオファーがきた時の気持ちは?

井口:僕の中では「おっ! こうきたか!」って感じでした。まあいずれは監督をしたい思いはありましたし、ここ何年かは試合に出ていない時は自分でチームマネジメントの勉強もしようと思っていました。ただ、こんなに早く監督就任の要請がきたのかって(笑)。正直、1、2年は外に出ていろんなことを見てみたい、できればアメリカで勉強したいという思いがありました。

――監督要請の一報は電話? メール? それとも「井口ちょっと……」みたいに呼ばれたのですか?

井口:球場のサロンでたまたま社長、本部長と3人になった時に「ちょっといい?」みたいに言われて。「来季から監督でいこうと思っているから」と。確かゲーム前だったと思います。

◆引退試合に備えた2軍で見た若手選手の「矛盾」

井口:それから少しして、引退試合に向けて2軍での調整に入りました。ダイエー時代の1、2年目くらいまでは1軍と2軍を入ったり来たりはありましたけど、1か月近くもいたことはなかったんで。そしたら2軍の選手のモチベーションの低さ。「なんじゃこりゃ!」って驚きました。

――そこで井口さんはどんな行動をされたのですか?

井口:いろんな選手に話を聞いてみたんです。そうすると徐々にですが2軍の選手たちの意識が低い理由がわかってきたんです。そのひとつが2軍への落とし方です。選手に2軍降格を伝える時、どうやって伝えていたのかと。「(最短の)10日で戻ってこいよ」「期待しているから2軍で頑張れよ」と送り出してあげれば、ひょっとしたら彼らは(再昇格を目指して)2軍でがむしゃらにやるんじゃないかと。でも「お呼びがかからないから、ほどほどに頑張っとこうか」みたいなのが見えていた。なかでも衝撃的だったのは「1軍に上がりたくない」という選手もいて。

――とんでもないことですね!?

井口:「おまえらウソだろ!」って。だから選手をそういう気持ちにさせてはいけないし、そこは預かる側の言葉の大切さを感じました。

※このインタビューは1/23発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです

【井口資仁】

’74年、東京都生まれ。青山学院大時代は東都大学リーグ史上唯一の三冠王を獲得し、’96年アトランタ五輪で銀メダルを獲得。プロ入り後は盗塁王を2度獲得。日本シリーズとワールドシリーズを制覇した初めての日本人となった。日米通算2254安打を放ったバットマンは、今季よりマリーンズの指揮を執る。

取材・文/小島克典(スポカルラボ) 撮影/渡辺秀之


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