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再び脚光を浴びるラジカセからBCLラジオまで……なぜ、人は“デカいもの”に憧れるのか

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 人は、やっぱり大きいものに憧れるんだな。

すでに、CDも要らない。それどころか、音楽はダウンロードの時代も通り過ぎてストリーミングへと移行しようとしている。そうした中で、カセットテープとラジカセが改めて脚光を浴びているのだ。

CDに取って代わられたはずのアナログレコードは、いまだ音楽マニアの間では需要がある。

レコードの味わいは、アナログならではの微妙な雑音である。過去のレコードをCDで復刻する時にも、あえて雑音が存在感を発揮するように音質を調整することも行われている。それと同様に、カセットテープもアナログならではのデジタルとは違う味わいのある音質。そして、曲をスキップせずに順番に聞かなくてはならない特性も人気になっているのだという。

そうした風潮と共にラジカセ本体が脚光を浴びるのは、ごくごく自然なこと。昨年は、Bluetooth対応のラジカセがネットで話題にもなった。単に、時代に対応した最新の機種かと思いきや、ブランドがSANSUIだったのも注目された理由だった。

SANSUIは、かつての高級オーディオメーカー・山水電気のブランド名。同社の破産後、別会社がブランドを所有しているが、そうした経緯や懐かしさが話題となっているのだ。

スマートフォンの普及により、かつては、カバンの中にウォークマンを入れていたものだが、その手間もいらなくなった。すべてがコンパクトに済む中で、かえって場所を取るラジカセが人気を集めているのは興味深い。

広く普及していた製品だけあり、ネットオークションを見ると多くのラジカセが出品されている。安いものは数千円台からあるが、状態のよいものになると、途端にゼロが増える。ダブルデッキですらないものでも……である。

同様に、実用性の点では疑問だらけなのに、デッカいほうがウケているのが短波ラジオである。かつてのソニーの名機種、スカイセンサー・シリーズなどは、中古でもキズなどがなく新品同様のものであれば常に数万円が当たり前。1970年代、日本では短波で放送される海外の放送を受信するBCLという趣味がブームになった。

それも今は昔の話。ネットの普及と共に短波放送局の数も激減した。何より、ラジオも小型で高性能になった。対して、ブームの頃に発売されたラジオはデカい。おまけに周波数のチューニングはアナログダイヤルである。

「それがいい……。ダイヤルを慎重に回して、ベストな感度を得るのが楽しい。とりわけ、短波放送は日によって電波の状態が変わったりするのでベストな周波数を見つけるワクワク感がある」(50代になって復帰したマニア談)

実用性などどうでもいい。デカいゆえに満たされる所有欲。アナログならではの、自分の手でなにかとカスタマイズができる柔軟性と湧き上がる探究心。それらは普遍のものなのだろうか。確かに、多くの日本人は、どれだけ時代遅れであったとしても戦艦大和が好きだ。
(文=昼間たかし)

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