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他人事ではない!医師が教える“睡眠負債”の返済法

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【産業医が解説】2017年の流行語大賞にもランクインした「睡眠負債」。睡眠に関する悩みを抱えている多くの人が関心を持たれていると感じます。今回はAll Aboutで行った睡眠に関する意識調査結果を交えながら、多くの人が睡眠負債返済のためにしていること、効果的な対策法について解説します。

多くの人が抱える「睡眠負債」……自覚症状があまりない人も


わずかな睡眠不足が蓄積して陥る「睡眠負債」。どのように返済をしていくのがよいのでしょうか?

「睡眠負債」というキーワードが一般にも広く認知されてきました。2017年は『ユーキャン新語・流行語大賞2017』のトップテンにも選ばれるなど、多くの方の関心を集めていると感じます。

そもそも睡眠負債とはスタンフォード大学の研究者によって提唱された言葉で、睡眠不足の状態が日々積み重なり、蓄積してしまった状態を指します。「睡眠不足」が短期的・一時的なものなのに対し、「睡眠負債」は、わずかな睡眠不足が長期間にわたって慢性化した状態とも言えるでしょう。

一時的な睡眠不足の場合、眠気やだるさ、集中力の低下など、すぐに身体的パフォーマンスの低下などを感じることが多いと思いますが、睡眠負債の場合は“ほんの少しの機能低下”が徐々に進行していくため、自覚しにくいのもやっかいな点です。

今回は、2017年11月にAll Aboutで実施した『睡眠に関するアンケート調査』の結果を交えながら、現代の人々の睡眠実態と、睡眠負債の現実的な「返済法」について考えてみたいと思います。

睡眠負債の実態と身体に及ぼす悪影響


OECD(経済協力開発機構)の調査(2008~2014)によると、日本人の平均睡眠時間は男性7時間52分、女性7時間36分と、世界各国と比較してかなり短いと報告されています。

実際に、今回のアンケート調査結果を見てみましょう。
1日の平均睡眠時間
睡眠への問題意識

睡眠時間について最も多かった回答は6時間程度(36.0%)、続いて5時間程度(20.4%)7時間程度(20.1%)という結果でした。理想的な睡眠は一般的に7時間程度と言われることがありますので、今回の調査結果からは、確保できている睡眠時間は理想よりも少ないという実態が伺えます。こうした“わずかな睡眠不足“の蓄積が、睡眠負債につながってしまうことがあるのです。

そして、睡眠負債による悪影響として考えられているのが、パフォーマンスの低下、がんや糖尿病、認知症などの病気への罹患リスクの上昇などの可能性です。働く現役世代にとって、パフォーマンスの低下は死活問題でしょう。以下に結果を示しますが、実際のアンケートでも、6時間程度の睡眠をとっている方の中で、睡眠不足の影響として最も感じていることは「集中力の低下(52.0%)」でした。

睡眠不足によって起こると思うもの

睡眠は個人差が大きいため、「何時間寝ればよい」というような画一的な指標化が難しいものです。短時間の睡眠で十分という方もいれば、長時間寝ないとパフォーマンスを維持できない方もいるでしょう。自身の適性睡眠時間の調べ方の目安として、「午前中に眠気を感じることがあるかどうか」を基準にしてください。そして、自身にとって最も適性と感じる睡眠時間の目安を見つけることが大切です。

睡眠負債の返済法……多くの人が試す睡眠不足解消法とは


では睡眠負債を返済していくために、どのようなアプローチが有効なのでしょうか。睡眠に悩みを抱える方が試していることとして、今回の調査では以下のような結果が出ました。睡眠改善に向けて対策したこと

上位に、生活習慣(食事・入浴など)の見直し(26.4%)、寝具の購入(20.2%)、スキマ時間の使い方の見直し(14.3%)、スマートフォンやPC利用の見直し(14.0%)といった方法を挙げている方が多いことがわかります。睡眠負債の返済については、「睡眠の量」と「睡眠の質」の掛け算で考えることができますが、アンケートの回答からは、いずれも「睡眠の質」に関する対策を行っている方が多いようです。

睡眠の質を高める上で、生活習慣の見直しはとても重要です。まずは簡単にできることとして、

・寝酒をやめる
・就寝1時間位前にお風呂に入る
・軽い運動をする(夕方がベスト)
・ベッドでスマホを操作しない


などは、いずれも睡眠の質を高めるために重要な習慣といえるでしょう。

寝酒は、寝つきが良くなるため一見よいもののように感じるかもしれませんが、意識を失っているような状態になるだけで、睡眠の質は悪化させる習慣といえます。睡眠が浅くなるだけでなく、利尿作用の影響で早朝目が覚めてしまうことも多く、睡眠の中断は質をさらに悪化させてしまいます。また、お酒は寝る3時間前くらいまでに終えるようにするのがよいでしょう。

お風呂に入ると表面体温が一時的に上がり、その後深部体温が急激に下がっていくため、寝つきが良くなります。深呼吸を意識したり、最近注目を集めたマインドフルネスのような瞑想を組み合わせたりするなど、リラックスした状態をつくりだすことで睡眠の質はさらに高まります

また、ベッドでのスマホ操作をしないことも徹底すべき生活習慣です。寝る前のスマホ操作がよくないと言われるのは、光の影響で睡眠の質が下がってしまうためです。夜に明るい光を浴びることで、入眠を促すと言われている「メラトニン」というホルモンの分泌が抑制されてしまいます。

スマホには、iPhoneの場合はNight Shift、Androidの場合は夜間モードといったように、夜間利用の際にブルーライトを軽減する機能が搭載されています。科学的な効果がはっきりと証明されているわけではありませんが、光の刺激が緩衝されるという点で試してみる価値のあるアプローチだと思います。

夜はスマホやPCを触るなと言われても、多くのビジネスパーソンには厳しいこともあるかもしれませんので、是非こうした調整を日常に取り入れてみてください。

睡眠の量を増やす! まずは平日30分増目標・仮眠も有効


また、今回のアンケート回答では少なかったですが、「睡眠の量」に対する対策ももちろん重要です。本当にカツカツの生活で睡眠時間はこれ以上全く増やせないという方もいるかもしれませんが、多くの方は生活スタイルを少し見直すことで平日30分程度は睡眠時間を長く確保できる調整の仕方があると思います。

テレビやネットを見る時間、スマホでゲームをする時間などを見直したり、「ノー残業デー」を「睡眠負債解消デー」に意識的に充てたりするなど、少しでも長く平日の睡眠時間を確保できるよう生活習慣の改善を心がけてみましょう

どうしても夜の睡眠時間を長くすることが難しい方は、「仮眠」の習慣をうまく取り入れることで、睡眠の量を改善していきましょう。昼食後、眠気が襲ってくる前に、オフィスで15~30分くらいの仮眠を戦略的に取るのが理想的です。目を閉じてじっとしているだけでも十分に効果がありますので、是非実践してみてください。

平日のオフィスで実践することが難しいという方は、休日に仮眠習慣を実践してください。休日に睡眠負債を返済しようと寝だめをして、昼過ぎまで寝てしまう方がいらっしゃいますが、これは逆効果です。休日の寝だめも通常の起床時間+2時間以内にとどめ、仮眠を組み合わせるように心がけましょう。

気づかないうちに積み重なった睡眠負債は、日々のパフォーマンスに多大な影響を与えていきます。睡眠負債の解消には睡眠時間(量)を確保するのが一番ですが、忙しいみなさんにはそう簡単なことではないかもしれません。

現代のビジネスパーソンにとって、睡眠は「仕事」の一部とも言えるほど、コンディション調整のために重要な生活習慣です。睡眠に対する正しい知識を身につけ、睡眠の質を高める方法を取り入れてみるなど、睡眠負債に陥らない睡眠リテラシーの向上が求められています。それぞれのライフスタイルにあわせた無理のない方法で、睡眠負債を返済していきましょう。
(文:山田 洋太)

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