マイケル・ジャクソン『スリラー』:映像にこだわり続けたエンターテイナー

UtaTen

2018/1/13 12:01

クライマックスでは、曲に合わせてマイケルゾンビと怪物たちがダンスするという奇怪さと楽しさが大きな反響を呼び、このアルバムを怪物級の売上へと押し上げるきっかけとなりました。

その成功は、マイケル・ジャクソンの標榜したエンターテインメントが時代に歓迎されたと換言できるでしょう。

PV『スリラー』は、映像に自身の可能性を見出した彼の大きな挑戦でもありました。

PV『スリラー』にみるマイケルの映像表現への意欲



『スリラー』のPVは、歌詞の世界観を完全再現したものといってよいでしょう。









マイケルは『スリラー』PVの監督にジョン・ランディス、特殊メイクにリック・ベイカーという人物をそれぞれ起用します。

二人はともにSFXシーンが話題になったホラー映画『狼男アメリカン』の制作スタッフでした。

この映画を撮った二人にぜひ『スリラー』の製作を任せたいという、マイケルたっての希望によるものです。

『スリラー』PVは、巨額の費用や14分にも及ぶ長尺などあらゆる困難が伴いましたが、それら全てはマイケルの強い意志によって推し進められました。

その結果、その完成度は大きな話題を呼び、シングル及びアルバムは爆発的に売れました。

ちなみにこのPVは1999年にMTVで最も偉大なPVに認定されています。

晩年まで続いたマイケルの映像への関心



マイケルは1978年、『ウィズ』というミュージカル映画に出演しています。

映画の評判は芳しくありませんでしたが、唯一マイケルのパフォーマンスは話題を集めたといいます。

マイケル自身も撮影が相当楽しかったらしく、のちに彼のドキュメンタリーのタイトルともなる口癖"This is it!(これだ!)"を連発していたと伝えられています。

ここで映像への興味が一気に開花したとみてよいでしょう。

自身の優れた歌とダンスをさらに高めるものとして、マイケルは映像に注目しました。

『スリラー』PVの成功後、マイケルは力のこもったPVを制作し続けます。

ファン達はマイケルがシングル発売を発表するたびに、今度はどんなPVなのかを期待するというのが常でした。

その期待を裏切らないPVを作るために彼は毎回巨額の予算を投じ、マーティン・スコセッシやジョン・ランディスなど映画界一流の監督にディレクションを依頼しました。

またディズニーランドのアトラクション用フィルム『キャプテンEO』では、監督に『ゴッド・ファーザー』のフランシス・フォード・コッポラ、製作には『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカスという、映画界の巨匠を起用しています。

そして1988年、ついには主演映画『ムーンウォーカー』を制作するまでにいたりました。

この映画でマイケルは主演のみならず原案から製作総指揮まで手がける意気込みをみせましたが、映画館でマイケルのPVを観たいとは思わない観客が多かったためか、大きな成功をおさめることはできませんでした。

マイケルは晩年まで映像への興味を失うことはありませんでした。

2002年の映画『メン・イン・ブラック2』では、実は宇宙人という本人役でカメオ出演しています。

前作『メン・イン・ブラック』を観て感動した彼は、エージェントMとして次作の出演を熱望しましたが受け入れられず。

急ごしらえの配役で我慢せざるをえませんでした。

しかしそれでも『メン・イン・ブラック』に出演できることを喜んだといいます。

そして『メン・イン・ブラック2』は、映画俳優としてのマイケル・ジャクソンの遺作となりました。

TEXT:quenjiro

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