謎につつまれた人工衛星「Zuma」失敗の噂…SpaceX「打ち上げは成功したよ!」

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Image: SpaceX/YouTube

はたして誰の責任なのか…

何ヶ月も延期された後についに先日打ち上げられた「Zuma」。これはイーロン・マスクのSpaceX(スペースX)が米国政府から委託されたプロジェクトということで、「マスク、これで軍事ミッションも本格受注し始めるのか」と関係者の期待と注目を集めていたのです。

これまでのSpaceXのプロジェクトと異なるのは、ペイロードである人工衛星とロケット部分を繋ぐアダプター部分がSpaceXではなくNorthrop Grummanという衛星製造メーカーによる点です。

Northrop Grummanのクライアントは政府機関であることは知られていますが、一体どの機関で何が目的なのかは全く謎に包まれているよう。打ち上げ時のライブストリーミングもペイロードの中身が推測できてしまうようなプロセスはカットされたようです。



これを見ると、打ち上げ自体は無事に成功したように見えますね。何度見てもロケット打ち上げは壮大…しかしライブストリーミングが終了した後、問題は起こったようです。

政府職員、議会スタッフがBloombergに伝えた内部情報によると、人工衛星は軌道投入に失敗してしまったようなんです。情報を提供した議会スタッフからは人工衛星と第二ステージロケットは海へと一緒に落ちてしまったとも…。またThe Wall Street Journalは「人工衛星は大気圏に突入して燃え尽きてしまった」と報道しています。

人工衛星、行方不明という報道はアッという間に広まりましたが、Northrop Grummanは機密を理由にコメントを拒否しています。いっぽうロケットを担当したSpaceXは「ロケットの打ち上げは成功した」と声明を出すものの、人工衛星の軌道投入は成功したのか、といった詳細に関しては同様に機密のためノーコメント。しかしNorthrop Grummanが担当したアダプター部分が打ち上げ中のペイロードの固定、そして軌道投入の役割を担っていることからも、SpaceXの「打ち上げは成功したんだよ」という声明はかなり焦りが読みとれそうな気がしますね…。

複数のメディアが内部情報として伝えているように、人工衛星の軌道投入に失敗したというのはおそらく事実でしょう。今後しばらくにわたって、SpaceX、Northrop Grumman、そして政府機関がそれぞれに調査を行なうとみられます。詳細が我々一般人に伝わるにはもう少し時間がかかりそうですね。

軌道上に存在する人工衛星を完全に隠すことはほぼ不可能。世界中にはアマチュアの偵察衛星ハンターたちがたくさん存在しています。もしも数週間後、軌道上に浮かぶZumaが発見されれば、軌道突入の際に何らかのエラーで人工衛星が死んでしまったということになり、見つからなければ打ち上げのミスでZumaごと落ちてしまったと推測できるとSumithsonianが語っています(軌道にあっても、今後数週間は軌道と太陽光のコンディションから観測はできない状態が続くとのこと)。

公式な発表からは実際は何が起きたのかわからないなか、いろいろと周辺情報が集まっており、人々の好奇心をかきたてています。スーダンの上空1万1000mを飛行中だったオランダ人パイロットPeter Horstinkさんは、Falcon 9ロケットが余分燃料を排出している光景を撮影しています。



螺旋状を描くこの光景は、ペイロードとロケットが分離した後に見られる通常のプロセスとのこと。これが確認されたということは、やはり打ち上げ自体は問題がなかったということでしょうか。

数週間後に軌道上にZUMAが確認されるのかどうか、続報を期待して待ちたいと思います。

Image: YouTube
Source: Space.com, Smithsonian, Twitter, Bloomberg, The Wall Street Journal

Tom McKay - Gizmodo US [原文]

(塚本 紺)

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