世界が注目するソロ・デビュー作、その内容は? / 『カミラ』カミラ・カベロ(Album Review)

Billboard JAPAN

2018/1/12 18:00



あらためて5人体制だったフィフス・ハーモニーを見返すと、やはりカミラ・カベロはひときわ輝いていた。ただ“一番可愛い女の子”だからではなく、スター性や存在感を含めて。

ソロになってからの活躍も目覚ましい。ショーン・メンデスとのデュエット曲「アイ・ノウ・ホワット・ユー・ディド・ラスト・サマー」(2015年)がスマッシュヒットを記録した後、マシン・ガン・ケリーとの「バッド・シングス」(2016年)が全米最高4位の大ヒットを記録し、昨年9月にリリースした自身のシングル「ハヴァナfeat.ヤング・サグ」が、最新のシングル・チャート(2018年1月13日付)で2位まで上昇し、初の全米首位獲得目前となっている。

その「ハヴァナ」の大ヒットを受けて、遂にリリースされたデビュー・アルバム『カミラ』。同曲をイメージしてか、ジャケット・アートも胸元が大きく開いた花柄のワンピースにサンダル、小麦色の肌とウェットなヘアスタイルという、ラテン・フレイバーを漂わせた仕上がりに。これまで見せたことのないような、物憂げで色気まとう表情もたまらない。これも、フィフス・ハーモニー時代では表現できなかった一面だ。

アルバムのプロデュースは、この人無くしては現在の音楽シーンを語れない、数々のヒット曲を輩出してきたフランク・デュークスを中心に、セレーナ・ゴメスやGイージーなどのヒットで昨年ブレイクしたザ・フューチャリスティックス、リアーナやシーアなどの人気シンガーを手掛ける、米ニューヨークの音楽プロデューサー=ジェシー・シャトキンの3人が担当。ソングライターとして、カミラ自身も全曲に参加している。

宙を舞うような高音のファルセットと、掠れ具合を活かした低音の幅広い音域で聴き手を魅了する「ネヴァー・ビー・ザ・セイム」~フォークとR&Bを融合させたような「オール・ディーズ・イヤーズ」と、冒頭2曲ミディアム・ナンバーが続いた後、ラテン・フレイバーが横溢した「シー・ラヴズ・コントロール」~エキゾチックな先行シングル「ハヴァナ」、レゲエをベースにしたチルアウト系の「インサイド・アウト」と、南国のリゾート気分に浸れるような3曲でイメージを一転させる。9曲目の「イン・ザ・ダーク」も、同路線のレゲエを取り入れたナンバーだ。そして再び、ピアノ1本で仕上げたバラード曲「コンシクエンシズ」~カントリー・フォークのニュアンスが強いオーガニック・ソング「リアル・フレンズ」、清らかなバラード曲「サムシングズ・ガッタ・ギヴ」と、スロウが続く。いわゆる“アップ・チューン”と呼ばれるような曲は、5Hのデビュー・アルバムを彷彿させるラストの「イントゥ・イット」くらいで、全体的にはリラックスできるような、ユルめのアルバムに仕上がっている。カミラの歌唱力が如何なものかは今さら何をいったという感じだが、曲調に合わせて“歌いあげ系”をアピールし過ぎていないところも好感が持てる。

昨年5月に発表したプロモーション・シングル「アイ・ハヴ・クエスチョンズ」は、国内盤ボーナス・トラックとして収録。“アルバムのコンセプトと合わない”という意味で外されたのかもしれないが、ミーゴズのクエヴォをゲストに迎えたトラップ・ソング「OMG」が収録されていないのは残念なところ。この曲や、「ハヴァナ」や「シー・ラヴズ・コントロール」路線のナンバーがもう少しあればあればな……というのが、個人的な感想だが、ポップ・プリンセスのデビュー作という意味では、完璧な選曲といえなくもない。

本作『カミラ』と「ハバナ」の大ヒットを受け、今後マライア・キャリーやリアーナのような、その時代を象徴するトップスターに成り上がるのか。カミラの成長に、世界中が注目する。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
『カミラ』
カミラ・カベロ
2018/1/12 RELEASE

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