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まゆゆも読んでる『歯のマンガ』の作者はハガキ職人だった

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AKB48の元メンバー・渡辺麻友がツイッターでフォローしているのはたった100人。前田敦子や指原莉乃に並んで、『歯のマンガ』というアカウントが入っている。

『歯のマンガ』とはそのタイトルの通り、歯が主人公の4コママンガだ。ツイッターでほぼ毎日新しい作品が発信されている。膨大な数のツイッターマンガが放っておいても流れてくる昨今。そんな中、『歯のマンガ』はまゆゆのリツイートによって広く知られるようになり、2017年の話題をさらった。

「ハア~ つらい」と落ち込んでいるのがこのマンガの主人公の“歯”だ。ヘタウマ……なのだろうか? なんだか味がある。つらくてもなぜかサンバを踊る歯、一生懸命な歯が愛くるしい。2人(2本?)の歯が謎のバイトをしたり遊びに行ったりと、一日の終わりをほんのり癒してくれるよう“ほのぼのとした日常”にやみつきになる人が急増中だ。グッズやイベントの人気も相まって、12月に小学館クリエイティブから単行本が発売された。

歯たちは、ある一人の女のコから抜けた奥歯という設定。兄妹や恋人ではなく、一応友達らしい。この4コマに登場する「タニマチさん」は素直に感情表現する歯たちが大好きで、名前の通りメシを奢ったり旅行に連れていったりと、過剰な接待を繰り返している。他にも実在のモデルがいる「フカツさん」や、深夜に歯に電話をかけて悩み相談をする「あけみちゃん」など、人間の友達もたくさんいる。

そんなユルくてかわいい『歯のマンガ』の作者「カトちゃんの花嫁」にインタビューを行った。

――初めての単行本ですが、どんな経緯で?

カトちゃん:昨年の2月にコミティア(同人誌の即売会)に漫画家のサレンダー橋本さんやどろりさんと一緒に『夢芝居』という本で出展したとき、小学館クリエイティブの日下さんがいらっしゃって、その場で「良かったら本にしませんか?」って言われました。ツイッターで『歯のマンガ』を見てくださっていたみたいで。絶対に社交辞令だと思って信じていなかったんですが、その翌日に本格的に話を進める旨のメールが来て、マジかよとびっくりしました。今までで一番うれしかったですね。

実は29歳くらいから4年間、花くまゆうさく先生のイラストスクールに通っていて、絵の基本や色使い、動物の描き方を教わったんです。先生はたびたび「とにかく一生懸命描け」と仰っていましたね。クルマのようなモノも、見たままじゃなくて顔っぽく描けばなんとかなるとか。今回の単行本を献本したらとても喜んで頂けたので、一生懸命描いてよかったです。

◆『歯のマンガ』の源流はハガキ職人時代にあり?

――そもそも、歯を主人公にしようと思ったのはなぜですか?

カトちゃん:町中にある歯医者さんの看板をずっと撮っていたんですが、韓国にかわいい看板があったんですよ。すごくいいなと思って、自分のマンガも歯をキャラクターにしようと思ったんです。2009年頃ですね。

日本に帰ってきてからすぐアメブロで公開し始めたんですが、初期はまったくネタが浮かばなくて。全然しっくりこないし手ごたえもありませんでした。絵も字も汚いし、いつまでたっても友達しか読んでくれないから、これは売れないしそもそも世の中に出ないと思って、アメブロ時代はもう闇に葬り去っています(笑)。

でも、その時のマンガが一度だけバカサイ(週刊SPA!の読者投稿コーナー)に載ったんですよ。しかも歯が出てない回ですが……。4コマがバカサイに載ったのはこれが最初で最後でしたね。

――『歯のマンガ』では「カトちゃんの花嫁」、バカサイやラジオは「てにをは」と名前を使い分けていますね。

カトちゃん:もともと「てにをは」で活動していましたが、ボカロPで同じ名前の方がいて、どんどんその方が有名になっていくんです。だからそろそろ変えないとと思って、せきしろさんに相談したら「カトちゃんの花嫁」という名前をつけて下さいました。

――社会的な評価にゆさぶられずに毎日マンガをアップし続けるのは、ハガキ職人っぽいと思います。

カトちゃん:あまり意識していませんでしたが、ハガキ投稿時代の経験が生きているのかもしれません。なにがおもしろい、おもしろくないっていう尺度はバカサイなどで実践して鍛えられたところがあります。

2014年頃からはツイッターに移行して1日2~3本アップするようにしています。でもストックできなくて、描いたらすぐに出しちゃうんですよね。思いつかなくても無理やり1本はひねり出して、修行のように描き続けています。これも、普通にイラストやっている人からはスゴイねと言われることがあるので、ハガキの投稿で体力がついたのかなと。

◆まゆゆや人気ショップ店員も注目

――ツイッターではAKB48の渡辺麻友さんからも反応がありましたよね。

カトちゃん:まゆゆさんがRTしてくれてから一気に3000人くらいフォロワーが増えて、1万フォロワーを超えました。ヴィレッジヴァンガードのオンラインで売っているTシャツやパーカーも売り切れになって、まゆゆさん効果を実感しました。総選挙が終わった時に絵をアップしたら、まゆゆさんと指原さんがRTしてくれてめちゃくちゃ嬉しかったです。

今もまゆゆファンの方がイベントに来てくれたり、今回の単行本を予約してくれたりと、結構根強く繋がっています。

元々モデルやデザイナーとしても活躍している店員さんが目に留めてくれたのがきっかけで、下北沢のキャンディーシロップというお店にもグッズを置かせていただいています。そういう人たちにも伝わっているんだなと思うと感慨深いですね。

――『歯のマンガ』のどういうところが彼女たちに刺さったと思いますか?

カトちゃん:自分で言うのもなんだけど、かわいいところですかね……。かわいいと言ってもらえると嬉しいです。歯の2人の関係性、友情とか優しさが見えると良いのかなと思っています。

あとは、なるべく心の闇を出さないようにしています(笑)。イヤな人が出てこないというか、わかりやすい敵キャラは作っていないので。

ファンの方は最初男性と女性が半々くらいだったんですが、今は圧倒的に女性からの人気が高いんですよ。今回の単行本の紹介の依頼も女性誌が多いし、プリクラで女子高生が「おまえ~」をやってくれたりしています。

◆「嫌になったら歯のマンガはやめます」

――今回の単行本の作業で大変だったことは?

カトちゃん:一番しんどかったのは新作の描き下ろしですね。4本のストーリー漫画を2ヶ月くらいで描かなきゃいけなくて、キツかったです。寿司屋で週6日働いていて、2歳の娘の子育てもあるので、作業は深夜になります。夏からネームを月に1本書いて、作画の作業に入れたのが8月終わり。最初は10月に発売する予定が全然間に合わなくて……。でも出せてよかったです。

寿司屋は家業で、両親と一緒に働いているんですよ。11時から23時までと拘束時間が長いので、ネタを握っている間もずっとマンガのことを考えています。それでも嫌だなぁと思ったことはないです。もしそう思ったら『歯のマンガ』はやめますよ。歯じゃ生活できないですから。

――ご家族は『歯のマンガ』を読んでいらっしゃるんですか?

カトちゃん:僕、家族にマンガ活動全般を打ち明けてないんですよ。最近、単行本の作業や販促で出かけることが多いので、仕事を休みがちになっているんですが……。一応、この単行本は家に置いています。「見てね」とも言わずにただ置いているだけです。姉経由でなんとなく知っていると思うけれど、照れくさいので。

――今後も『歯のマンガ』は続けていきますよね。他にやりたいことはありますか?

カトちゃん:いつかは短編集を出したいなと思っています。『歯のマンガ』以外にも、けつのあなカラーボーイというユニットで描いていた作品などもあるんです。それと、歯のフィギュアを出したいです。イラストを描いている友人がフィギュアやクレーンゲームの人形を作っていてうらやましいので(笑)。人気がある人は、カフェなんかもやっているんですよね~。

普段ツイッター上で活動しているので、見ている人がいるっていうのが信じられなくて、何だか空気と戦っているような気持ちなんです。連載持っているわけでもないですし。だから、リアルなイベントやサイン会に来て頂けるって本当に何にも代えがたい喜びですね。本屋さんでも「『歯のマンガ』ありますか」って聞きづらいかもしれませんが、ぜひ聞いてみてほしいです。

日々の残業でクタクタになった皆さん、『歯のマンガ』で癒されてみてはいかが。<取材・文/和田まおみ>


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