変わらぬ味わいを極めるため進化し続ける 『越乃寒梅』の酒造りを支える理念とは

しらべぇ

2018/1/11 22:00


(©ニュースサイトしらべぇ)

キレがあって飲み口がよく、最後まで飲み飽きることなく味わえる、そんな「最高の酔い心地」を誘う『越乃寒梅』。醸造元の石本酒造は、いつの時代も頑なにうまい酒にこだわり続けてきた。

その強い信念は、創業から110年を経た現在も一切ブレることはない。 

■「越乃寒梅であり続けるため」に前進を続ける


(©ニュースサイトしらべぇ)

産地と品種にこだわり吟味した米を磨き込み、最上の環境下でじっくりと醸す。「吟醸造り」を基本とする石本酒造の酒造理念は、戦中戦後の国の統制や地酒ブームといった時代 の波に翻弄されても、変わることなく受け継がれてきた。

2016 年、45 年ぶりに発売された新商品『越乃寒梅 純米吟醸 灑(さい)』は、これまで にないライトな飲み口が特⻑だが、米本来の旨みと飲み飽きしない味わいには、酒造りへ の一貫したこだわりが感じられる。

それは、創業 110 周年を迎えた昨年、溢れんばかりの感謝を込めて醸した「越乃寒梅 創業百十周年祝酒 一輪一滴」も然り。

繊細な中にある凛とした佇まいからは、「『越乃寒梅』の変わらぬ味わい」を求めて進化を重ねる蔵元の強い意思が垣間見える。

厳冬の寒さに耐えて花開く「寒梅」のように、造り手たちがひとしずくの美酒を醸すために丹精を込める。石本酒造の酒の味わいには、そんな蔵元の理念が浸透している。

■地元への想いを形に


(©ニュースサイトしらべぇ)

石本酒造では2015年、蔵のおひざ元である⻲田郷(かめだごう)大江山地区で、 夏季に農業を営む蔵人を中心に製造部の社員らと協力して酒造好適米「五百万石」の栽培研究を始めた。

創業以来、原料米の産地と品種にこだわってきた蔵元にとっては、「地元の酒米も使い、より品質の高い酒を醸したい。ひいては地元の人たちの誇れる酒となり、日々気軽に楽しんでほしい」との積年の想いが実った形だ。

4代目蔵元で代表取締役の石本龍則さんは、「こうした取り組みは、より品質の高い米を求めて酒造りに臨んできた石本酒造の原点。このたびようやく、地元の米で『越乃寒梅』 が造れるようになったのです」と感慨深げに話す。

出来上がった酒は原料米の収穫量の関係から地元のみの販売だが、米作りを通して得た経験や酒造りにつながる知識は、今後の 「越乃寒梅」の酒造りの糧となることだろう。

■同じ釜の飯を食べ、味覚の物差しを共有


(©ニュースサイトしらべぇ)

石本酒造では、出稼ぎによる杜氏制度から社員が手がける酒造りへと形態を変えた現在も、社員一同「同じ釜の飯」を食べて蔵人同士のコミュニケーションを図っている。

「毎日の昼食時に社長と同じ食事をとり、同じものを飲んで、味覚の物差しを共有するのです」と、竹内杜氏。食の話題に花を咲かせることもまた、彼らにとっての和醸良酒に繋がっているのだ。

日々のこうした積み重ねとともにこれまでも育まれてきた、『越乃寒梅』の酒。そして、時代が変わり、造り手や飲み手の世代が変わろうとも、根幹にある酒造りの精神と品質は、決して変わることはない。

■進化を重ね 「変わらぬ味わい」に磨きをかける


(©ニュースサイトしらべぇ)

石本龍則社長:近年、新商品やリニューアルなどを通して、商品のラインナップが変わりつつあります。長らく『越乃寒梅』をご愛飲くださっている方はもちろん、これまで接点があまりなかった方にも商品を手に取り味わっていただくきっかけになれば幸いです。

ラインナップが変わったとはいえ、原料にこだわり、技術を駆使して醸す酒造りの姿勢や、「最高の酔い心地」をお届けするコンセプトは、決して揺らぎません。私たちが手がけた酒に一貫する、変わらぬ本質をぜひ感じてください。

蔵元が自信を持って薦める日本酒をいくつか紹介しよう。

(1)『越乃寒梅 特別本醸造 亀田郷大江山産2017』


(©ニュースサイトしらべぇ)

原料米の産地と品質にこだわった酒造りをしてきた石本酒造が、2016年から地元亀田郷大江山産の「五百万石」で手がける商品。「地元産の酒米で醸した酒を、地元の人に気軽に飲んでほしい」との想いを形にした。

2年目となる2017年は、前年の普通酒から特別本醸造にグレードアップ。すっきりとした中に深い味わいを感じる酒質に仕上がっており、新潟県産地呼称協会の認定も受けた。

酒米の生産量が限られるため、販売は年一回、新潟市江南区、中央区、東区に限定されている。

(2)『越乃寒梅 純米吟醸 灑』


(©ニュースサイトしらべぇ)

ライトで滑らか。それでいて米の旨みを感じ、すっとキレる。飽きることなく飲み続けられる味わいからは、石本酒造が追い求めてきた「さわりなく飲めて、米本来の旨さを感じさせる酒」との揺るがぬ信念が伝わってくる。

同時に、「純米吟醸酒」の新たな可能性を引き出し、常に前進する意欲を感じさせる一本。軽く冷やすことで旨みが一層際立ち、季節の食とともに、ゆっくりと盃を重ねたくなる味わいだ。

(3)『越乃寒梅 吟醸 別撰』


(©ニュースサイトしらべぇ)

軽快かつすっきりとした「淡麗辛口」を象徴する味わい。爽やかな口当たりの冷やから膨らみのある旨みが堪能できるぬる燗まで、季節や料理に応じて幅広く楽しみたい。

原料米に新潟県産「五百万石」を使用。精米歩合55%まで磨き上げた一品は2016年9月、それまでの特別本醸造から吟醸に改められ、ついに名実一体の吟醸酒となった。

・合わせて読みたい→モンドセレクション25年連続受賞 阿賀野の恵みを生かした『白龍酒造』のこだわり

(取材・文/市田 真紀

あなたにおすすめ