日体大が共同通信社と業務提携 人材、ノウハウ提供で社会貢献目指す

OVO

2018/1/11 16:44


 日本の体育教育で主導的な役割を果たしている学校法人日本体育大学(以下日 体大、松浪健四郎理事長、具志堅幸司学長)は、日体大グループが持つ人材、体 育指導のノウハウなどを生かしスポーツの普及、大学の社会貢献を図ることなど を目的に、報道機関の一般社団法人共同通信社の関連会社で、全国の地方新聞社 と事業面で連携している株式会社共同通信社(以下KK共同通信社、佐藤雄二郎 社長)と業務提携契約を交わした。調印式は1月10日、東京都世田谷区の日体 大世田谷キャンパスで行われ、日体大の今村裕常務理事と、KK共同通信社の福井順一常務が出席した。

日体大は、体育、スポーツ文化、スポーツマネジメント(今年4月開設)、児 童スポーツ教育、保健医療の5つの学部と大学院を持ち、全学で約7000人の 学生が学んでいる。各競技での活躍はめざましく、これまでオリンピックで日体大の現役、OBが獲得した金メダルは38個に上る。しかし、2018年以降、 現在の約120万人から大学入学適齢者人口は減少に転じ、2030年には10 0万人を割る。各大学は過去の名声に頼ることなく、自らの存在価値を高めて学生を確保していく必要に迫られている。

創立1893年の日体大には、長い歴史と伝統に裏打ちされたスポーツ指導の 知見と豊富な人材が担保されている。こうした大学の財産を社会に還元し、スポー ツを通じ健全な肉体と精神を持つ青少年を育成することはお互いに「ウイン、ウ イン」の関係といえる。既に全国の50の自治体と連携を進め実績を重ねているが、 さらに事業を発展させるために、全国の報道機関とネットワークを持つKK共同 通信社と業務提携することになった。調印式で今村常務理事は「時代に合った学 部の新設などで学問の府としての充実を図ると同時に、これからの学校法人は自 ら収入を増やすことも考えなければならない。日体大は内部にいると自らの価値 に気づかないことがあり、そのネームバリューを生かし切っていない。少子化の 時代になり、社会は教育にお金を掛ける必要があり、学校はその知的能力を社会 に還元していくことが大事だ」と、今回の提携の意義を強調した。KK共同通信 社の福井常務も「数多くのオリンピアンを輩出している日本体育大学と業務提携 を締結でき、大変うれしく思っている。全国の新聞社が主催している講演会への 講師斡旋や、スポーツ教室への運営協力など、日本体育大学からの協力が得られ る環境になったことは非常に心強い。実のある関係にしたい」と話した。

日体大は、こうした外部との連携には積極的で既に述べた自治体のみならず、 系列校を含めた日体大グループを支援する企業、団体、個人など90社で構成す る「獅子の会」(会長・武部勤元農水相)を2014年に設立し、年に数回、勉 強会を開催している。今年最初の勉強会が調印式前日の1月9日、東京都内のホ テルで開かれ、東京医科歯科大学の田上順次副学長が「歯科衛生士の将来につい て」と題し、日常の歯の手入れが歯の疾患だけでなく成人病や全身疾患の予防に つながることを説明。この指導をする歯科衛生士が、将来性があり需要の高い職 業であることを印象づけた。系列校の日体柔整専門学校が4月から口腔健康学科 を新設して歯科衛生士養成に乗り出し、校名も日本体育大学医療専門学校に改め ることをアピールする狙いもあるが、学校の経営方針を〝応援団〟に理解しても らうことも大切だ。既にスポーツの分野では確立された存在の日体大にしても、 永続へ不断の努力が求められている。

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