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最終的には朝鮮半島を影響下に?米朝中露首脳会談も?南北融和を後押しするロシアの思惑とは

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 日米韓の枠組みを超え、新年になってから急速に北朝鮮と接近した韓国。10日、文在寅大統領は新年の記者会見を開き、前日に行われた北朝鮮との会談について「これが始まりだ」として、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談の可能性についても言及した。その一方、朝鮮半島の非核化は決して譲歩できない基本的な立場であるとの厳しい姿勢も見せ、平昌冬季オリンピックの成功をきっかけに北朝鮮の核問題を平和的に解決しなければならないと強調した。

北朝鮮の隣国であり、経済制裁に慎重な姿勢を示し続けてきたロシアと中国は、今回の南北会談について「喜ばしく思う」と伝えている。この両国の思惑について、10日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、専門家に話を聞いた。

■将来的には、朝鮮半島の利権を手にしたい?
 ロシアから帰国したばかりだというプーチン研究の第一人者、中村逸郎・筑波大学教授は「スーパープーチン展が行われている。『北朝鮮問題を解決するプーチン』というメッセージだ。これが終わった後は、北朝鮮展が行われる予定だそうだ」と話す。

ロシアのペスコフ大統領報道官は「南北の直接対話を歓迎する。我々はこのような対話のみが緊張を緩和させる唯一の手段であると信じている。そして、これこそがまさにロシアの指導部が必要だと述べているものなのだ。プーチン大統領は何度も対話が再開するよう環境を整えるべきだと指摘していた」と発言している。 

 中村氏は「融和が進んだ背後に、実はプーチン大統領がいるのではないかというのが見えてくる。このシナリオができたのは、昨年9月、文大統領とプーチン大統領、そして北朝鮮の代表団も参加した『東方経済フォーラム』(ウラジオストクで開催)だった。開幕3日前には北朝鮮が水爆実験を行い、緊張感が高まる中、プーチン大統領が問題解決に向け提案した」と話す。

大統領選挙を控えるプーチン大統領にとっても北朝鮮問題は解決したいテーマのようだが、その理由は日中韓のような核・ミサイル開発の危機感からではないという。

「国際社会からの制裁を受けている経済を復興させるためにも、ウラジオストクまでで止まっている天然ガス田のパイプラインを北朝鮮経由で延ばし、韓国の釜山まで持っていきたいという思惑がある。北朝鮮にとってはパイプライン通過料が得られ、電力不足も解決する。天然ガスを100%輸入に依存している韓国もコスト削減が期待できる。"ロシアにとって朝鮮半島はトランポリンだ"という表現もある。北朝鮮と韓国に対する政治的な影響力を強化し、将来的には、朝鮮半島の利権を手にしたいのだろう」。

 しかし、北朝鮮側は韓国側から非核化を求められたことに強烈な不満を表明しており、南北融和の兆しの中に大きな課題が残されているのも事実だ。しかし中村氏によると、ロシアは日米韓の間に亀裂を生じさせ、最終的には北朝鮮の核を自ら管理する方向に持ち込む可能性もあると推測した。

■アジアで中国との覇権争いが始まる?
 一方、中国外務省の陸慷報道官も「今回の会談が現在の情勢下での朝韓双方の関係改善、和解と協力の推進、朝鮮半島情勢の緊張緩和の良いスタートとなることを期待する。我々は国際社会がこれをさらに応援し、十分な理解と支持を示すことも希望する」と、ロシア同様の認識を示している。

 これについて拓殖大学の富坂聰教授は「緊張緩和という面で表面的に歓迎しているが、立場は静観。米朝の間に立って『非核化』を実現し世界に存在感を示したいというのが中国の思惑だったはず。また、南北会談で『非核化』は決まらない。『非核化』にはアメリカが必要」と指摘する。

中村氏は、中国とのパイプ役だったという北朝鮮のナンバー2・張成沢氏が2013年に粛清され、"プーチン派"の人物が後任となったことで、中国との関係が切れ、ロシアに接近するようになったと話す。「中東での影響力を増したロシアは、同じことをアジアでもしようとしている。中国との覇権争いが始まる」。

 ジャーナリストの福島香織氏は「中国の制裁のおかげで会談が実現したと世界が思ってくれるから、南北会談については歓迎している。中国とっては朝鮮半島有事が一番望ましくないし、北朝鮮が中国に歯向かうのであれば、中国は北の体制転換も視野に入れるだろう」と話す。

■北朝鮮の非核化をロシアに実現してもらうという国際世論を
 アメリカのホワイトハウスは声明で平昌オリンピックへの参加が、北朝鮮の核問題解決のきっかけになることに期待を寄せ、サンダース報道官も「非核化による国際的な孤立を終わらせる意義を確認するいい機会になると思う」とした一方、国務省のナウアート報道官は「北朝鮮のオリンピック参加によって国連安保理の制裁が破られないよう、韓国と緊密に連携する」と、厳しい姿勢も保っている。アメリカと歩調を合わせる日本も、菅官房長官が「日米、日米韓3カ国で協議をしながら中国やロシア、こうした国々を含みながら緊密に連携してあらゆる手段を通じた圧力を最大限まで高めていく方針にまったく変わりがない」とコメントしている。

しかし文大統領は「環境が整備されて見通しが立ったらいくらでも"首脳会談"に応じる用意がある。平昌で平和の水が流れることになれば、これを強固な制度として定着させる。北朝鮮の核問題の解決と平和定着のためさらに多くの対話と協力を引き出す」と、さらなる対話を進める方針を示している。

 中村氏は「トランプ大統領、金正恩委員長、プーチン大統領、もしかしたら文在寅大統領も含めた首脳会談が今月末にも実施される可能性がある」とした上で、「日本が外交的に孤立しないようにするためには、5月に予定されているプーチン大統領と安倍総理の会談できっちり説明を受けなければならないし、北朝鮮に対する日本の立場もしっかりと話をしなければならない。中露対立が起こった場合、中国の暴走を止めるためにも、逆にプーチン大統領を利用する場面が出てくるかもしれない。北朝鮮の非核化をロシアに実現してもらうという国際世論を日本主導のもとでどれだけ作っていけるかが重要だ」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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