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2018年スバルSTI スーパーGT300とニュルブルクリンク24hレースで目指すこと[PR]

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■STI平川社長インタビュー レース活動を通じ、ユーザーとの絆を深く、太くする 前篇2018年のレースシーズンは間もなく開幕するが、先立って注目のスバルSTI 平川良夫社長にインタビューをした。スーパーGT、ニュルブルクリンクともに17年シーズンは不完全燃焼で、思わず天を仰いだシーズンだったのではないだろうか。復仇するには何を変え、どうやって成長していかなければならないのか、STI平川社長のインタビューから、明確なビジョンと心に染み込む想いの波状攻撃を受けてきた。<レポート:編集部>

■■レース参戦の目的STIと聞けばレースと市販車、両カテゴリーでの存在が目を惹く。そこでまず最初にSTIがレースに参戦する目的を聞いてみた。

「スバルとSTIでモータースポーツに取り組む目的、意図は、量産車に投入している技術の確からしさを裏付けていく、検証していく手段を目的としています」と話す。それは、レース専用の技術を開発するという目的ではなく、市販車に採用されている技術が車両にとって極限の世界である、レースで検証してみるということだ。市販車においては、レースでの限界値を超えるような状況は起きない。つまり、極限の世界がつかめれば、その技術は、市販車において安心、安全につながる確かなものであることに繋がるからだ。

では、参戦レースはどうやって決めていくのだろうか。かつてスバルはインプレッサでWRCを席巻した時代がある。だが現在のWRCではBセグメントサイズが要求されるがスバルにはそのサイズの車両がない。そのため、「WRXやBRZを母体としながら参戦できるカテゴリーは非常に限られるわけで、限られた中からチョイスして参戦しています」という。

ーー平川「できる限り量産車にひも付けられたコンポーネントを使った参戦なので、さらに、エリアが絞られています。でも、そうした参戦の仕方のほうが、特にスバルやSTIのコアなお客様、あるいは、その周辺にいるお客様には非常に分かりやすい参戦の仕方でもあると思っています。それは、アウトバックに乗っていてもつながるところがあるからです。STIに乗っているお客様だけがモータースポーツに興味があるというわけではなく、家族と一緒にフォレスターに乗っているユーザーも、つながりを感じてコミュニティができる。そこもSTIにとっては大きなことで、そのつながりを深く、太くする、そういう目的と意図で参戦しています」

それは、レースカーと市販車との関係が霞まず、つながりが分かりやすいということだ。WRC車両がそうだ。市販車輌との共通性は非常に高い。WECでもかつてアウディLMP-1のヘッドライトデザインがR8と共通であり、「つながり」を意識していることが分かる。

では、そうした考え方はいつ頃からそうなったのだろうか。

ーー平川「STIそのものが、じつは80年頃、悩んでいた時代がありまして、レックスやレオーネの時代に迷いがあったんです。顔に6連星を付けるのは辞めてしまおうかと考えている時代もあったんです。ですが、スバルという商品を生活の中に持ち込んだユーザーが、生活の一部に使っていくことで嬉んでもらったり、誇りを持ってもらったりすることが必要なのではないかと考えたんです。そこで、量産車ベースで欧州を中心としたモータースポーツの場に出ていこう、というのがスバルがモータースポーツに参戦したきっかけになったんです。ユーザーが使う商品そのものが、普段使う商品そのものが世界のモータースポーツの世界で、参戦しているあのクルマなのだ!ということを関連付けて参戦しました」

スバルは1989年にレガシィを発売し、そのレガシィでWRCに出場している。次にインプレッサが発売され、インプレッサでWRCに出ていくという歴史がある。世界のトップカテゴリーで市販車と共通の技術を持つ車両が戦うというのが、スバルのモータースポーツに対する第一義的ポジショニングというわけだ。

■■ニュルブルクリンクとスーパーGT現在スバルSTIがワークス参戦している中で、WRXで参戦するニュルブルクリンク24時間と国内のスーパーGTが目立つ。そして2018年もこの2つのカテゴリーに参戦していく。

ニュルのレースに関し、平川社長は、「あくまでも4WDで参戦できるレースが必要で、今はニュルくらいしかない。2WDにして参戦したらユーザーに申し訳ない」という思いがあるという。

ニュルのWRX STIは量産ラインから降ろしてきた国内仕様をグループNのコンバージョンキットでレース・レギュレーションに合わせて造っている。他には安全装備を追加するという程度なのだ。まさに、ユーザーが乗っているクルマそのものとイコールのマシンで参戦している。

一方国内のスーパーGTに関し、BRZのエンジンは、EJの2.0Lターボだ。この組み合わせは市販車にはないが、市販エンジンであることには違いない。もちろん、市販車と違うレース用パワートレーンを搭載していく方法もあるが、それは意図していないという。

BRZのシャシーはJAFカテゴリーで造らなければならないが、できる限り母体のパーフォーマンスを活かしながら、エンジンもシャシーも空力も、レギュレーションの中で改造を施して参戦している。例えば、こういう意匠デザインにしておくと汚れが少ないとか、こうしておくと高速安定性がいいとか、いろいろ議論しながら、さまざまなクルマに反映し、フィードバックしているということで、つまり、市販車への投入技術の検証という言説であり、重要なポイントとしているわけだ。

■■今後の10年STIらしさを実現するためにさて、2018年の参戦カテゴリーも分かり、その意図も伝わってきた。そこで今年の目標を尋ねた。もちろん、優勝するために参戦しているのは言うまでもないことだが、平川社長の脳裏には、もっと大きな、そしてSTIの将来が太く安心できるものへと変貌させる想いがあった。

ーー平川「スバルとSTIには、レース専門の部門はなく、クルマの図面を書いている、シミュレーションしている、実験しているという人達が量産車もやっていて、部品も作るし、モータースポーツもやり先行開発もする。だから彼らは将来技術の開発もするという人であり、会社です。一般的に縦横のマトリックスにはめ込んだ、決められた仕事の枠の中だけで完結するような人材では、スバルにとって好ましいとは思っていません。通常はマトリックスに分断して、そこにある部品を設計するという発想になってしまいます。しかし、お客様にとって何が大事なのか?を考えたとき、それは部品からクルマを造るのではなくて、お客様が求める価値は何だ?そして、レースで言えば、一周の中でA点からB点の間で何が大事か、ということを考えることが重要なんです」

それは、一人の人間がいろいろな領域を経験して、そこには、こういう価値が必要で、こういう機能だろうと感受し、たどり着くことだという。

ーー平川「機能のコンセプトが創れれば、あとはその機能を達成するための部品を設計し、性能をチェックしていけばいいわけで、部品から紐づけされたクルマという考え方ではなく、お客様が期待する価値を機能化して、その機能をどう図面に落して、部品に落としていくかというプロセスを経験させるのが大切です。それを経験するのに一番いい題材になるのがレースなんです」

平川社長が目指す技術者、エンジニアにはマルチタスクが求められるわけだ。具体的には実務設計者にその思考、能力を求めている。CADの画面に向かって仕事をしている人、シミュレーションをしている人、できあがったレースカーを実験する人達に求めているというのだ。

ーー平川「専門領域ではない部分も理解しておかないと、求める結果につながらないんです。視野を広く持つことによって、その技術者が本来持っている能力がぐんぐん伸びてくるんです。技術者は、間違っていることはいちいち言わなくても気づいています。分かっているんです。そうではなくて、伸びそうな視野、目のつけどころを伸ばすために、ポジティブに周りを見ながら、自分で考えて次の提案をしていくというのが一番大切です。そういうことを新たなチームに再設定し、そこで発案できてきたことを1台のマシンに組み上げ、その組み上げたマシンを現場で走らせる人も、そのやり取りを承知している。そうやって完成させていくのが今年の狙いです。ですから、この新しい体制にして臨むのが次の10年の1歩目でもあるわけです」

こうしたことは平川社長の経験からも、やりがいのあるやり方は技術者が必ず育つ。タスクはこのエンジンのマネージメントをすればいいんだ、というマトリックスにはめたポジションにしてしまうと、若い技術者の芽をそいでしまう、成長の荒廃だと考えているわけだ。

ーー平川「担当領域ではない部分も理解すれば、クルマが生きたものになり、冷たい鉄の塊にならないという違いが出てきます。なんとなく、クルマは生きた温かいものなのなんですよ、じつは。作り手や企画する人の気持ちや考えているものが必ず反映してくるものなんです。工業製品とはそういうものです。クルマはその工業製品の中に乗り込むもので、乗り込んだ時になんとなくスバルっぽい性能で、どういう路面状況でも大丈夫だという安心感をドライバーに与えないと、やっぱりレースは成立しない。チーム力が固まっていかない。本当の意味での味付けというのが出せません。単に上屋の動きを抑えて、接地力を上げて路面を綺麗にトレースしたからといっても、教科書どおりに作ればそうでしょう?ということになる。だけどその中に自工メーカー各社の匂いだったり、香りだったり、雰囲気が醸し出されてくるのは、人間としての作業が伴っているからで、そうしたことを人は感じるのだと思います。そういう作り手の想いをお客様が受け止めてくれて、双方向の絆が深くなっていくといいなと思います。1%でも2%でも伝わって、双方向の絆が深くなれば、こんな嬉しいことはありません」

平川社長は、レースをエンジニアを育てるフィールドとして使い、そこで成長したエンジニアから生み出されるクルマはユーザーの心を鷲掴みにし、形而上でも心胆でもクルマを通じてユーザーとの絆が深く、太くなることを目指すという熱気を感じる話だった。

*敬称略

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