千葉雄大には“2つの顔”がある!?『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』インタビュー

ウレぴあ総研

2017/12/27 10:30

ゲームからアニメ、漫画、玩具におよぶクロスメディアな展開で国民的大ヒットシリーズとなった『妖怪ウォッチ』。

その映画版も14年の第1作から3年連続でメガヒットを記録。

いまや冬休みの定番作品として人気を博しているが、現在公開中の『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』は、アニメと実写を融合させた前作に続き、シリーズを根底から覆す驚きの設定と展開が大きな話題になっている。

■『妖怪ウォッチ』新作は、主人公ケータの時代から30年後の世界が舞台

何しろ今作が描くのは、シリーズの主人公・ケータの時代から30年後の世界。

妖怪たちにも“ライトサイド”と“シャドウサイド”の2つのモードを用意し、恐怖と笑いのコントラストをさらに強化。

しかも、妖怪繋がりで、あのゲゲゲの鬼太郎と彼の仲間たちも登場するという夢のような内容なのだ。

そんな子どもから大人まで楽しめる新生『妖怪ウォッチ』で、闇に囚われた新たな主人公の一人・月浪トウマの声を担当した千葉雄大さんを直撃!

声を収録したときのエピソードから自身の子ども時代のことまでドーンと聞いちゃいました。

■『妖怪ウォッチ』は“攻めるアニメ”という印象

――『映画 妖怪ウォッチ』の新しい主人公の一人、月浪トウマの声を担当するという話を最初に聞いたときはどう思われましたか?

「『妖怪ウォッチ』が子供たちに人気があるのは知っていたし、歌も話題になりましたよね。

その作品で、28歳の僕が13歳の男の子を声で表現しなくてはいけなかったからちょっと緊張しました。

でも、やってみたら、楽しかったです。感情を声だけで表現する難しさはありましたが、それも含めて楽しかったですね」

――年齢的に、いままでのシリーズは観てないですよね。

「何作品かは観たことがあって、“攻めるアニメ”という印象がありました。

時事ネタも盛り込まれていて、これをパロるんだ? と思ったこともあります(笑)」

――ただ、今回はこれまでのシリーズの30年後の世界を描いていて、登場人物もテイストも違います。

「そうなんです。今回は大人の方も楽しめるものを目指したと聞いていますが、僕も完成した作品を観て、純粋にスゴいなと思いました。

自分が声を担当しているからとか関係なく、大人が観ても感動できるし、ワクワクできるのがいいですよね」

――先ほど、トウマの感情を声だけで表現するのが難しかったと言われましたが、声を収録するときにはどんなことを心がけられました?

「ウシロシンジ監督から最初に『あまり作り込まず、台本を読んで感じたものを自然に表現してください』と言われましたし、トウマは少し達観したところがある男の子なので、あまり声を作ってはいなくて。

でも、たまに『もうちょっと13歳っぽい雰囲気で』って言われたこともありました(笑)」

――トウマは最初のうちは心を閉ざしていますが、仲間ができてからは元気になって、次第にヒーローのような存在になっていきます。そのあたりの声の変化も気を遣われたんじゃないですか?

「そうですね。本当に波がある役なので、その流れは意識して。序盤はどちらかと言うと自然な感じで、仲間と一致団結して戦うところからはヒーローみたいな感じになればいいなと思いながらやっていました」

――妖怪ウォッチを腕につけて義経や弁慶などの妖怪を自らの肉体に憑依させるシーンは、『天装戦隊ゴセイジャー』('10~'11)をやっていたときのことを思い出したんじゃないですか?

「名乗るところとか戦うときの声の出した方などにちょっと懐かしさを感じましたね。

憑依するときのセリフも日常で使わない、カッコよく決めなきゃいけないものですけど、抵抗なくできました」

――得意とするところだったわけですね。

「いや、どうですかね。見比べたら、違うのかな。個人的には、戦隊をやっていたときと違っていて欲しいですけどね(笑)」

――憑依する妖怪の中でいちばん気に入っているキャラクターは?

「義経のくだりは、戦いのモードではないけれど、トウマの気持ちを代弁してくれているところがあるので、なんかいいですよね。

あと、自分が憑依するキャラクターではないですけど、エンマ大王と蛇王カイラのライバルでありながら、そこにちょっと友情が感じられる関係性もいいなと思いました」

――声の収録は、ヒロインの天野ナツメの声を担当した上白石萌音さんと一緒にやられたんですか?

「いえ、僕はみなさんの声がすべて入った段階のものを見ながら、ひとりで録りました。でも、やりにくいとはあまり思わなかったです。

もちろん、上白石さんたちがそこに実際にいたら、また違うテイストのものができたかもしれないけれど、戦隊のときも同じような感じでやっていたから違和感はなかったですね。

逆に、僕はみなさんの声がすべて入った段階で声を収録したので、やりやすかったような気もします。ほかの人の声がまったく入ってない状態のものを見ながらひとりで収録していたら、状況はまた違っていたでしょうね」

――声優の仕事はあまり慣れてないとのことでしたが、 今回の失敗談や苦労したことなどを教えてください。

「ビックリするシーンのときに、つい『あ』って口を手で隠してしまったときがあって注意されました。

そりゃそうだと思って、それからは手を背中の後ろに回して声を収録するようにしましたね」

――そのほかに大変だったことは?

「ちょっとした声の変化、トーンの差を出すのがやっぱり難しかったですね。抑揚をつけ過ぎて、わざとらしくなってもいけないけれど、お客さんに伝わらないと意味がない。

表情などが助けになる普段のお芝居と違って、声だけで弱々しい口調の中にトウマの意思が滲み出るようにするのはやっぱり難しかったです」

――ジバニャンや鬼太郎との声の共演はいかがでした?

「いや~興奮しました(笑)。鬼太郎のところは特にそうです。

鬼太郎がいなかったらトウマは死んでいたかもしれないし、命の恩人です」

――完成披露試写会の舞台挨拶で、鬼太郎の声を担当されている野沢雅子さんとも初めて会われたんですよね。

「そうなんです。すごいエネルギーに溢れた方だなと思いました。

それに、僕が子供のころに観ていた『ドラゴンボール』(’86)の孫悟空や『銀河鉄道999』(’78)の鉄郎の声をやられていた方ですからね。

そう考えると、スゴいですよね」

■『妖怪ウォッチ』が長期間にわたって子どもたちに愛されている理由

――声で今回参加されて、『妖怪ウォッチ』が長期間にわたって子どもたちに愛されている理由も分かりました?

「大人たちがちゃんと遊び心を持って、楽しんで作っているのが伝わるんだと思います。ただ、カッコいいだけでも面白いだけでもなくて、ちゃんとメッセージもあるし、そのバランスが絶妙なんですよ」

――妖怪繋がりで鬼太郎を共演させる今回のアイデアも、普通は「できない」って諦めちゃうと思うんですけど……。

「それができちゃうところが、やっぱりスゴいです」

――ちなみに、千葉さんは妖怪や幽霊はいると思いますか?

「思わないです(笑)。でも、好きでした。それこそ、小っちゃいときは図書館で水木しげるさんの『妖怪図鑑』などをよく読んでいましたから」

――どの妖怪が好きでした?

「キムジナーとか、今回の映画に登場するものだったら一反もめんが好きです。

一反もめんに乗りたいって思っていたような気がします(笑)」

■千葉雄大の“シャドウサイド”=2つめの顔

――幼稚園とか小学生のころはどんな子どもでした?

「けっこう外で遊ぶ子でした。それこそ、鬼ごっこやケイドロ(警察と泥棒)をみんな遊びをよくしていたし、小学生のときは学級委員とかもやる子でした」

――では、そのまますくすくと今日まで成長してきた感じなんですね。

「いや、それがそうでもなくて。高校時代はストレス社会で、僕の“シャドウサイド”って感じでした。

それこそ、僕は霊感も全然ないですけど、地元の宮城に住んでいるころは金縛りによくあって、あるときなんて、金縛りにあった僕の顔に向かって大きなカエルが這ってきたこともあるんです(笑)。

それが夢だったのか何なのかは、いまとはなっては分からないですけどね」

――映画やドラマの撮影でも、後から参加する場合がありますよね。

「苦手です。お仕事はもちろん問題なくできますけど、コミュニケーションをとるのに苦労します」

――そういったところは、今回の心を閉ざしていた時期のトウマと重なりますね。

「そうかもしれない」

――相手が手を差し伸べてくれたら、輪の中に入っていけるんじゃないですか?

「そうですね。だから、甘えているところもあると思います。幾つになっても変わらないですね(笑)」

――でも、そういうところは誰しもあるでしょうし、心を閉ざしたトウマに共感する人も多いと思います。

「自分の思っていることをなかなか言えなかったり、“自分なんか…”って思うことで気持ちを楽にさせている子はけっこういると思います。僕もそうだったから、トウマの孤独や寂しさはすごく理解できましたね」

■30年後=58歳の千葉雄大は何をしていたい?

――今回の映画はこれまでのシリーズの30年後を描いていますが、30年後の千葉さんはどんな俳優になっていると思いますか?

「58歳ですよね。いや~俳優を続けているかどうかも分からないですけどね。う~ん、南の島でゆっくりしているのもいいかもしれない(笑)」

――まだ可愛いキャラで売ってますかね?

「あっ、それもいいですね。まだ、おじいちゃんの年齢でもないですし、孤独じゃなければいいですね(笑)」

――2017年はどんな年でした?

「2017年はドラマから映画、舞台まで幅広くやらせていただいた年でした」

――朝ドラ「わろてんか」ではヒロインの兄・藤岡新一役を演じられましたが、あの突然の死にはビックリしました(笑)。

「台本にそう書いてあったから僕は最初から知っていたんですけど、『死ぬ』ということを周りの人に言えないのが辛かったです。

それこそ、あの時期はいろいろなことをやっていたから、『朝ドラは大阪で撮ってるんですよね。それは忙しいですね』ってよく言われていたんですけど、死ぬことも撮影がすでに終わっていることも言えなくて、忙しい人のふりをするのがちょっと辛かったです(笑)」

■2018年はどんな年にしたい?

――2018年はどんな年にしたいですか?

「毎回、何かしら挑戦していかないと成長できないので、新しいことや苦手だなと思うことにも挑戦していきたいですね。それに、20代最後の年ですからね。

『30代になっても何も変わらないよ』とよく言われますけれど、10の位が変わるので、ちょっと意識はします」

――30代になったら、学生の役や青春っぽい作品ができなくなるかもしれないですね。

「いや、僕はちょっとイレギュラーなので、もうちょっと、キラキラ系も頑張ってやっていきたい。

最近は“伝統芸”と呼ばれている僕のそういった部分はもう少し活かしていけたらいいですね(笑)」

『妖怪ウォッチ』の斬新で楽しい世界観と絡めながら、自身の過去と現在、未来を独自のテンションとイメージを損なうことなく語ってくれた千葉雄大さん。

今回の映画は、そんな彼が言うように、大人も忘れていた感動や興奮を思い出して熱くなれるものになっている。

チビッコはもちろん、かつてチビッコだったあなたも映画館でジバニャンや鬼太郎と大冒険を繰り広げてみてはどうだろう?

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