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加藤シゲアキの『チュベローズで待ってる』が2018年一番売れる本になるのでは? 芥川賞作家・羽田圭介がベタ褒め

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『週刊SPA!』での連載開始から1年半。作家・加藤シゲアキの最新長編『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』が、ついに発売となった。予想以上の反響の大きさに発売前から重版が決定。早くも15万部を突破した話題作の刊行を記念し、このたびスペシャルトークイベントが開催された。

物語の前編(上巻にあたる「AGE22」)の舞台となった新宿・歌舞伎町にちなみ、会場となったのは歌舞伎町のど真ん中にある異色の書店「歌舞伎町ブックセンター」。新宿バッティングセンターを眼前に臨む立地は、まさに作中に登場するホストクラブ「チュベローズ」を彷彿させる。

物語の世界観が存分に感じられるこの場所で、聴衆として集まったのは歌舞伎町で働くホスト&キャバ嬢の皆さん! 普段はあまり本を読まないという面々に『チュベローズで待ってる』の魅力を伝えるというミッションのもと、トークショーは開催された。MCを勤めるのは、同じく新宿をホームグラウンドとする吉本興業所属のピン芸人・タケト氏。壇上に立つは、著者・加藤シゲアキ、作家仲間である芥川賞作家・羽田圭介氏、そして「歌舞伎町ブックセンター」のオーナーにして元カリスマホストである手塚マキ氏である。

重版の報せに「15万部ですか……!」と絶句する羽田氏に、「僕よりいいリアクションしてくれますねぇ」と照れ笑いする加藤。和やかなムードの中でトークショーは始まった。

羽田「出版業界に身を置いている人間としては、15万部は信じられないですよ。1万部でも『刷ったねえ』と言われるご時勢なのに。上下巻っていうのもすごい。これは売れるって作品じゃないと上下巻にしてくれませんからね。ぼくが原稿用紙1000枚の作品を書いたときも、一冊でまとめられちゃったんですよ! 売れっ子作家はぼくより少ない枚数でも上下巻にしてもらってるのに」

加藤「ぼくも、最初は一冊にしようと思ってたんですよ。でも、ストーリーが10年のタイムラグを挟んで分かれているし、手に持ちやすい方がいいなと思って、ふたつに分けたんです。一冊のほうがガツッとしていてカッコいいと思うんですけどね」

――加藤さんと羽田さんは、以前からお付き合いが?

加藤「『タイプライターズ』という番組を又吉さんとやっていまして、そこにゲストで(羽田氏に)出ていただいて以来ですね」

羽田「加藤さんのためなら……ということで(イベントの出演を)お受けしました。毎回、仕事のお話が来ると必ず『ギャラいくらですか?』って聞くんですが、今回は『最悪、ギャラなしでもいいか』って。本当に数年ぶりに、ギャラを聞かずに引き受けた仕事です(笑)」

加藤「え、ノーギャラでいいんですか? ありがとうございます!(笑)」

――就活に失敗した男性がホストになってのしあがっていく。その経験が2度目の就活にどう影響してくるか……というのが『チュベローズで待ってる AGE22』のストーリーですが、そもそも、なぜホストを主人公にしたんですか?

加藤「『SPA!』で連載していたのがはじまりなんですけど、『SPA!』ってまあまあいい感じにゲスい雑誌なんですよ(笑)。ここで言えないような見出しが並んでて。サラリーマンが主な読者層だと聞いたので、男性が毎週読みたくなるようなテーマ、かつ『SPA!』の持つ空気感や夜のにおいを感じさせる話がいいなと思ったんです。連載分をまとめたのが上巻(AGE22)で、下巻(AGE32)は書き下ろし。上巻と下巻では趣が結構、違ってます」

――趣は違うけれど、上巻があってこそ下巻が成立する構成ですよね。

加藤「(上巻が)壮大なフリみたいになってます」

――羽田さんは、お読みになっていかがでしたか?

羽田(付箋でいっぱいの本を見ながら)「ほんとに度肝を抜かれました。ぼくはこれまでの加藤さんの小説も拝読していますが、今まででベストだということをまず言いたい。これまでは割と文学的な作品が多かったんですけど、今回はエンターテインメントの要素がすごく強くて。言うなれば、芥川賞を獲った男性作家がエンターテインメントの世界に行ったときの作品みたいな感じなんですよ。ただのエンターテインメント小説とも違って、文学的なエンターテインメント小説。加藤さんの女性ファンがこの本を買うというのはもちろん予想がつくんですけど、アイドルとしての加藤さんに興味のない男性や、普段あんまり本を読まない方、あるいは昔から本が好きでずっと読んでる文学好きの方。その全員が楽しめる本に仕上がっていて、ほんとにすごいです。今年末の発売ですけど、来年一番売れる本になるんじゃないかな?」

――べた褒めじゃないですか!

羽田「正直なところ、名前を変えて出した方がよかったんじゃないかと思えるくらい」

――どこが面白かったですか?

羽田「話しだすとキリがないんだけど……。最近の読者は飽きっぽいから、純文学の世界ですら、会話とアクションと主人公の心理描写だけで物語を進めよう、みたいな流行りがあるんです。でも加藤さんの場合は、けっして必要最低限の風景描写を抜かない。人間がなにかを認知するとき、そこには風景があって、場所があって、人と出会って会話して、そのあと何かを考えるという流れがある。なにかを認知するときに、風景を無視することは絶対にできないんですよ。その“空間を立体的にあらわす描写”が、加藤さんはすごくうまい」

加藤「嬉しいですね。ちょっとくらいディスられると思ってたんですけど(笑)」

羽田「いや、ぼくもここまで見事だと専業作家として困るなと思って、むしろ厳しい目をもって読んでたんです。例えば、この人物はやけに饒舌すぎるなとか、この記憶力(のよさ)はさすがにないんじゃないか?とか。『加藤さん、ここはちょっと詰めが甘いんじゃないのぉ?』なんて思っていたら、なんとその不自然さにも理由があったというのが後で明かされるわけです。作者の弱点だと思っていた箇所が、ちゃんと回収される。こういうことをされると、本当に専業作家の立つ瀬がない(苦笑)」

加藤「伏線の回収はかなり意識した部分なので、ぜひ最後まで読んでほしい。よければ下巻も一緒に買ってほしいですね」

羽田「話の本筋とは関係ない小さい伏線もあるんですけど、例えば“あの登場人物があの食べ物が嫌いな理由”はこうだったんだ!とかいうのが、本当に終盤で明かされる。その描写がなくても話は成立するんだけど、それがあることによって、この小説の中でキャラクターが生きた人物として表現されるんですね。そういう細かいところまで神経が張り巡らされていて、この集中力はすごいなと思いました」

加藤「気づいてほしい部分にきちんと気づいてくださって、ありがとうございます!」

羽田「ここは負けた!っていう部分がいくつもあるんですよ。もちろん、部分部分で勝ち負けを競うようなものではないんですけど、僕にはこういうのはできないなと思ったシーンがいくつもあって……。(小声で)ほんとに僕、ちょっと困ってます」

大いに盛り上がったイベントの続きは近日公開!<取材・文/藤田美菜子 撮影/山川修一、日刊SPA!取材班>


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