【試写室】「明日の約束」“食わず嫌い”していたら確実に後悔するドラマ

ザテレビジョン

2017/12/12 05:00

「普通そうな人間が一番怖い」というのはかなり的を射た言葉な気がする。

それこそ見た目からして怖そうな人や見るからに怪しい人に限って実はいい人だったり、そういうフィルター越しに見ているからこそちょっとしたいいことをされただけで、「あ、あんちゃん…」と逆転でいい印象になったりする。

サスペンスでよく「こいつ犯人なんじゃない?」と最初に疑われる人は全然悪い人じゃなかったり、「ポロリ」という文字だけに釣られてよく読んだら「涙がポロリ」な話だったり、“ミスリード”やギャップって大事なんすよ。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回はいろいろな人が、「いい人に見えた人けど実は…」という裏の姿を見せてきた、毎週火曜夜9時から放送中の井上真央主演ドラマ「明日の約束」(フジ系)を取り上げる。

同ドラマは、井上演じる高校のスクールカウンセラー・藍沢日向が、ある不登校の男子生徒の不可解な死の原因を究明していくヒューマン・ミステリー。

“毒親”ともいえる過干渉な母親とのいびつな関係に悩んで育ってきた日向は、生徒の死からさまざまな問題と向き合い、人の心の闇と対峙(たいじ)していく中で、日向なりの“親子のカタチ”を導き出していく。

12月12日(火)放送の第9話では、高校1年生のバスケ部員・圭吾(遠藤健慎)が謎の死を遂げたことに関する重大な事実が明らかになる。

自殺の原因とうわさされたバスケ部の関係者が立て続けに襲われた事件の犯人は、圭吾の幼なじみ・香澄(佐久間由衣)だと判明。それは仲良しの圭吾を死に追いやった人物への復讐(ふくしゅう)のためであり、香澄が「あと1人いる…」というターゲットは、圭吾の担任教師・霧島(及川光博)だった。

香澄は霧島を陥れるべく、ノートPCを盗み出し、日向(井上真央)に託す。中身を見た日向は、霧島が圭吾の死に大きく関わっていることを知りがくぜん。教師として、生徒を守るべき立場の霧島がとった驚きの行動について、その真意を問いただす。

日向から問いただされた霧島が、クラスで圭吾を孤立させるための行動をとっていたことの真意を話し、“毒親”真紀子(仲間由紀恵)とのある出来事を明かす。

一方で、恋人の本庄(工藤阿須加)から暴力を振るわれた日向は、そのせいで結婚に対して後ろ向きになる。母・尚子(手塚理美)に長年支配されてきた日向は、まだ結婚して母親になる覚悟ができていないと分かったためだ。

尚子もまた、娘に暴力を振るった本庄を決して許そうとはせず、早速、日向に見合い話を持ってくる。しかし日向は、毅然とした態度で「私はお母さんの所有物じゃない」と自分の気持ちを伝え、本庄との今後についても、ある結論を出す。

そんな中、吉岡家では圭吾の妹の英美里(竹内愛紗)が、母・真紀子が息子の部屋を盗聴していた証拠をマスコミに流していた。すぐさま、テレビやネットで真紀子の異様な行動が報じられ、一時は真紀子に同情的だったマスコミも、一転して真紀子を糾弾。

圭吾を死に追いやったのは、精神的虐待を続けてきた“毒親”にほかならないと、非難する。最愛の息子を失い、自らの愛情を否定され、その上、家族にも見放された真紀子は…というストーリーだ。

■ 独断と偏見のレビュー

よく、「私ドラマ好きだし~! ドラマの1話は必ず見てるし~! つまんなかったら2話から録らないし~!」とか髪の毛くるくる指で巻きながら言っている若者がいる。(いるか?)

このドラマを「ちょっと重いし~、マジ卍~!」と1話で視聴をやめた人は間違いなく後悔しているだろうし、ずっと見てきた先見の明ある人は「えっ? キミ、『明日の約束』見てないの? 遅れてんねー」とそういう人たちに自慢げに言っちゃいなよ。

第1話の当コーナーで、「安定のミッチーこと及川光博、爽やかイケメンの代名詞ともいうべき工藤阿須加、“時子ロス”の人はビックリしそうな佐久間由衣のキャラなど、恐らくこれから深堀りされていくだろう要素や伏線が実に多く、2クールくらいじっくり描いてほしいなとも思ってしまった」と筆者は取り上げさせてもらったが、その3人も現在本ドラマで闇の部分を見せて騒がせている。

特に、常にクールに日向や生徒の味方を装っていい教師感を漂わせておいて裏ではあんなことをしていたなんて…という霧島の衝撃度は大きい。もちろん、途中から表情や行動がちょっとおかしいなとは思っていたけども。

工藤演じる本庄は「こんな爽やかイケメンいねえべ!」とどこかひがみにも似た怪しさを感じていたので、あのDVチックな動きはちょっとだけ予想できたし、佐久間演じる香澄も「まあ、そうよね」とストンと落ちたのだが…、霧島に関してはのう。

「3年B組金八先生」世代としてはどこか“先生神話”のようなものを持っているので、「先生はいつだって生徒の味方だ! たとえ不良に殴られても生徒を守る」と思っていた。

それだけに「圭吾を孤立させる原因を作ったのは霧島」という流れになり、「これはミスリードじゃなく、ホンマモンの悪党やったんか…?」と驚きを隠せないでいる。うん、まんまといいお客さんと化していますよ。

それにしても、各テレビ局、配信系会社含めるとドラマそのものの数が一時期に比べて増えたことで、とりあえず分かりやすいドラマでお茶を濁すことが多くなってきたこの時代に、いい意味でここまで分かりにくく、はっきりと答えを導き出さないままいろいろと伏線を張り巡らせるというのは、大きな挑戦だっただろう。

ただでさえ学園ドラマということで登場人物が多いのに、それぞれにたっぷりと意味を持たせているのだから、こんなに記者泣かせなドラマもない。それゆえにこの見応え。回を増すごとに視聴者の満足度も高まっていっているように感じる。

油断ならないキャラクターが多い中で、強いて言えば、白洲迅&新川優愛コンビは唯一闇がなさそうな癒やし要員(仮)なので、もうちょっと出番増やしてくれると精神衛生上いいんだけどなあ…。

それと詳しくは言えないが、実は悪者に見えていい人なんじゃない? というかまともな人なんじゃない? と勝手に思えたのが、週刊誌記者のゲス記者・小嶋こと青柳翔。正直、第9話では彼を見直した。悪いイメージを持っていたからこそのギャップ萌えなのか? え? これが…恋?

違うね。あとは個人的に“福島の天使”こと竹内演じる英美里には幸せになってもらいたいし、このドラマにおける“天使”井頭愛海演じる田所那美には真っすぐな美少女のままでいてほしいし、バスケ部キャプテン・長谷部大翔(金子大地)とマネジャー・増田希美香(山口まゆ)のスカッとするような恋愛模様も描いてほしい。

そして、何よりもこれまでもチョイ見せしてきた日向と母・尚子の根深い闇を抱えた親子関係。本当に全話終えたところでストンと落ちるようになるのであろうか?と勝手に心配になってしまうほど、じっくりじっくり描かれてきたが、この2人のやりとりも最後まで注意して見ていたい。

マニアックな趣味だが、日向からの返事を受けたときの「りょ~かい」という尚美のスマイル&ボイスには、不覚にも癒やされる。後輩から「了解です!」と返事がきたら「はぁ? 了解じゃねえんだよ。出直してこい」と返したくなる気持ちはやまやまだけど、コンプライアンス的に我慢しているのとは大違いだ。何の話だ。

さておき、どんなに繊細なミルフィーユよりも幾重にも見どころが折り重なっている本作。

独断と偏見のレビューとうたっておきながら真面目な感想記事になってしまったことを深くお詫び申し上げます。

それもこれも、ザテレビジョンの試写室=ふざけた記事という印象があるからこそのギャップでより真面目に見えるのであって、機関紙の中にこのコラム記事があれば、とてもふざけた記事に見えるでしょうよ。

って、結局ふざけてんじゃん。(ザテレビジョン)

https://news.walkerplus.com/article/130676/

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