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『夫のちんぽが入らない』が Yahoo!検索大賞 2017小説部門賞に。賛否両論を乗り越えて…

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『夫のちんぽが入らない』が逆境を乗り越え、快挙を成し遂げた。12月6日、虎の門ヒルズフォーラムにて行われた「Yahoo!検索大賞 2017」発表会にて、カルチャーカテゴリーの小説部門賞に選ばれたのだ。

今年1月1日~11月1日までの期間、国内最大級の検索サービス「Yahoo! 検索」の集計データをもとに、前年に比べて検索数が最も急上昇した人物、製品、作品などが表彰される式典。言い換えると、選ばれるのはインターネット検索が情報収集の中心となった現代において、最も国民の関心や興味が注がれた対象。

ヤフー株式会社の片岡裕氏が「検索行動というビッグデータは、日本人の興味関心をあらわしている」と話す。まさに国民が選んだ大賞はだれなのか。結果は「ブルゾンちえみ」だった。お笑い芸人部門賞とのダブル受賞となる。

そのほか、アイドル部門賞に「欅坂46」、俳優部門賞に「高橋一生」、モデル部門賞に「泉里香」が選ばれるなど、まさに今年の顔。新しく設置されたローカルカテゴリーでは、山口県部門で「STU48」、栃木県部門ではBリーグの初代チャンピオンに輝いた「栃木ブレックス」が受賞。

さて、注目すべきは冒頭の『夫のちんぽが入らない』ではないだろうか。著者である主婦のこだま氏が自らの半生を描いた私小説である。文学フリマで販売された同人誌に収録され、大反響を呼んだ作品を大幅に加筆、修正のうえ今年1月に扶桑社が書籍化したものだ。

大学時代に現在の夫と出会い、交際期間を含めて約20年間も「入らない」問題と向き合ってきたこだま氏の衝撃の実話。タイトルの第一印象とは裏腹に、そこには生き方や家族のありかたとはなにかを問うシリアスな物語が――。賛否両論を巻き起こしながら、ネット上には、悩みを抱えるひとたちから「勇気をもらった」というコメントも多くついた。

こだま氏は「夫のちんぽ」のことを周囲の人に内緒にしているため、顔出しができない。今回の受賞に際し、担当編集の高石智一が代わりに登壇した。

こだま氏本人は、日刊SPA!の単独インタビューに応え、受賞の感想をこう話す。

「本を出版する前からタイトルで反感を買ったり否定されてしまうことも多かったのですが、読んでくださった方がそうではないことを伝えてくれて。1年かけて皆様に背中を押していただき、今回の大きな賞につながったのではないかと思います。本当にうれしいです」

同作は発売後、即10万部を突破。1年間を振り返って周囲に変化はあったのだろうか。

「普段は地方の山奥に住んでいるので、まったく周囲の変化は感じなかったです。ありがたいことに、エッセイなどの文章を書くお仕事が増えました。あとは、同じような悩みを抱えているご夫婦や病気をかかえている方からお手紙をもらうようになりました。今までは自分のことだけで精一杯だったのですが、考えたことがなかったことまで考えを広げられるようにもなりました。私が想像していた以上に受け取ってくださるひとたちが多かったようで本当に驚いています。改めて感謝を申し上げたいです」

さらに『夫のちんぽが入らない』は、2018年に実写化が決定している。こだま氏は「この作品が実写化でどうなるのか。また新しい広がりが生まれたらうれしいですね」とコメントを残した。また、今回の受賞に際し、担当編集の高石智一がこう言う。

「実際13万部ぐらいで、100万部とかの大ベストセラーにはほど遠い。とはいえ、売れ行き以上に出版を通じてこだまさんが楽しめることが大事かなと。今回の受賞を連絡したとき、こだまさんが喜んでくれたのがうれしかった。実写化の話もそうですが、この1年間は良い意味で『夫のちんぽ』にかかりきりでした。もしかすると、今後もずっと『夫のちんぽ』と付き合っていくのかなと感じています」

こだま氏は2018年1月24日に自伝エッセイ第2弾『ここは、おしまいの地』(太田出版)を発売予定だ。その勢いはまだ止まりそうにない。

◆新聞広告で書名が出せない、ネット配信できない…「夫のちんぽ」が乗り越えた逆境

とはいえ、タイトルがタイトルだけに、その道のりはかんたんではなかった。担当編集が当時を振り返る。まずは書店に並ぶ際の表紙デザインだ。こだま氏から「ちんぽをバラせ」との命があったという。

「物議を醸しつつもこのタイトルでいくと決めた後、“ちんぽ”の視認性を低くして、せめて書店で手に取ってレジまで持って行きやすいような配慮をすることが読者に対する礼儀かなと。こだまさんと相談しながらデザインを決めました」

さらに書籍の発売直後、新聞広告に書名が出せない事態に。広告の審査規定により、「夫のちんぽ」が“性的な表現”として引っかかり、掲載できなかったのだ。しかし異例とも呼べる「書名なしの新聞広告」が功を奏し、ネットを中心に大きな話題となった。

だが、「夫のちんぽ」の逆境はそれだけではなかった。インターネットにかかわる職業のひとであればご存知かもしれないが、Yahoo!をはじめ、様々なプラットフォームや検索エンジンがあるなかで、いま“性的な表現”に対する厳しい規制が設けられつつある。各種ニュースサイトなどにおいても独自のアルゴリズムが設定されており、“性的な表現”はタイトルの単語レベルで除外されてしまうこともある。

「“ちんぽ”自体は使ってはいけない言葉ではないはずですが、紙やWebを問わず、メディアの自主規制が強まりつつあるのは確かですよね。読者や視聴者からのクレームを回避したいからだと思うのですが。今回の『夫のちんぽが入らない』が小説部門賞に選ばれたことをキッカケに、少しでも柔軟な方に向かえばいいなと思います」

そんな「夫のちんぽ」が様々な逆境を乗り越え、奇しくも「Yahoo!検索大賞 2017」の小説部門賞に選ばれるという大きな結果に結びついた。しかしながら裏を返せば、新聞や雑誌、ネットメディアなど、日に日に強まりつつある表現に対する規制が、今回のような名作を潰しかねないということも示唆しているだろう。

紋切り型の規定やアルゴリズムが、作品の魅力まで推し量ることができるのか。今回はその裏側にいる“人間”の功績が大きかったように思える。果たして、今後はどうなっていくのだろうか。

<取材・文・撮影/藤井敦年>


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