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『M-1グランプリ』直後のGYAO!生配信が“神番組”すぎた! 漫才師たちの「敗者の弁」を振り返る

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 芸人のカッコよさを、改めて思い知らされる今年の『M-1グランプリ』だった。最終決戦に残った3組は、いずれ劣らぬ戦いを見せてくれた。

3回戦から最終決戦まで、すべて違うネタで挑んだ和牛には、あ然とさせられたし、2015年の敗者復活戦で、トレンディエンジェルに本選出場→優勝までかっさらわれたとろサーモンが、最終決戦で同じネタをブッコんできたのには底知れぬ執念を感じた。千鳥をして「天才」「吉本の屋台骨になる」といわしめる結成わずか5年のミキにとっても、これ以上なく鮮やかなメジャーデビューの舞台となった。

最終決戦の結果については、さまざまな意見があると思う。筆者も、3組が終了した時点では和牛の優勝は固いと感じた。

それでも、感極まる審査員の大御所たちの姿と、何よりとろサーモンの破顔した表情を見ていると、自然と「おめでとう、久保田……」と、思わず目頭が熱くなった。そしてなぜか、「ありがとう、村田……」と思った。久保田をここまで連れてきてくれてありがとう……どういう立場での感情なのかは、自分でもよくわからないが。

本戦の詳細についてはネット上に山ほど記事が上がっているので、ここでは今回放送後にネットで生配信された特別番組について振り返ってみたい。これが、すこぶるよかったのだ。

■放送直後にGYAO!で1時間



放送直後からGYAO!で始まったのが『世界最速ファイナリスト全員集合スペシャル賞金1000万円贈呈式もあるよ~』。

昨年、一昨年の王者である銀シャリとトレンディエンジェルを招き、陣内智則の仕切りで“敗者の弁”を引き出すという企画だ。芸人たちにとっては酷な企画だが、さらに酷なことに、座る場所は「順位順」だという。

これにすぐさま反応したのが、和牛・水田だった。

「しんどいしんどいしんどーい!」

大きな身振り手振りで、笑いを取る。最終決戦の結果発表直後、世界が終わったかのような無表情で立ち尽くしていた水田が、芸人魂を振り絞っている。声が出ている。笑いながら、もう泣けてきてしまう。

「紹介しましょう! とろサーモンに負けて優勝を逃した人たちでーす」

陣内の軽薄なMCが、逆に湿っぽさと緊張感を取り払ってくれる。一斉にツッコミが入る。楽しい。

ゆにばーす・川瀬は「西に爆弾仕掛けたいです」と不機嫌な顔を作る。キャラクターをまっとうしているが、とろサーモンの優勝が決まった瞬間に、柄にもなく大喜びしていた姿がテレビカメラに抜かれていたことには、まだ気づいていないのだろう。

この番組どこまで酷なのか、敗退した9組は「なぜ負けたのか」を漢字一文字で表すことを命じられる。1組ずつ、芸人たちは自ら本音を明かしていく。

■10位・マヂカルラブリー「全」



「すべて」。村上が、ドドン! と色紙をかざす。フリップではなく普通の色紙なのも、いかにもネット配信っぽい。

マヂカルラブリーにとっては、つらい『M-1』になった。野田は「エゴサーチしたくない」と語り、村上も「(芸人を)辞めようと思った」と言う。準決勝ではドハマリした「野田ミュージカル」が本戦でハマらず、審査員の上沼恵美子から存外に厳しい言葉を投げかけられた。

トレンディエンジェル・たかしはマヂカルラブリーの優勝を予想していたという。陣内が「野田は天才なんちゃうか、という空気だけは出ていた」とフォローすると、「空気だけ?」と絶妙な間と表情で返してみせた。

■9位・カミナリ「同」



「おなじ」。たくみが、「変えたつもりでいたけど、結果同じだった」と、これも上沼のダメ出しを受けての無難なコメントを出したが、これに納得がいかなかったのが、ほかならぬ相方のまなぶだった。

「そんなことない。同じって言いましたけど、ネタの構成は進化していました。後半畳みかけて叩くところとか、リズム感がよくて、すごくよかったと思うんで、全然同じではないです。本当に」

昨年のセンセーショナルな登場以降、お茶の間にもすっかり浸透したカミナリだが、まなぶが見たこともない表情でネタについて語る姿は、いかにも新鮮だ。

まなぶは「同」ではなく「謎」だと言うが、これが和牛とかぶってしまうハプニングが発覚するころには、すっかりいつものまなぶに戻っていた。

■8位・さや香「噛」



「かむ」。ネタの序盤、ツッコミの新山が甘噛みしたことで、確かにリズムが狂ったのだろう。本戦でもウケはよかったが、さや香のこのネタの爆発力はこんなものではなかったはずだ。ある意味で、今回の直前のクジ引きでネタ順を決める「笑神籤(えみくじ)」システムは、結成3年で場数の少ないさや香にとって、もっとも不利に働いたかもしれない。

29歳のボケの石井は「僕のプレイは100点でした。こいつ(新山)は62点でした。敗因はそれです」ときっぱり。憮然とした表情で「仲良くやっていこうと思ってたのに」と声を絞り出す新山の姿に、ほんの一瞬だけ会場の空気が凍る。本戦直後、感情が高ぶる中でのスリリングなシーンだった。

■7位・ゆにばーす「死」



ゆにばーすは、ネタ順的に不利といわれる1番手を引いた。それに関して、川瀬は「それはいいですわ」と潔い。それよりも、敗者コメントのシーンで「はらさん殺してまで滑らしてしまったのが」と相方を思いやった。

去年、今年と、この敗者コメントで輝いたカミナリ・たくみが口を挟む。

「あそこでウケねえと、TVスターにはなれねえから!」

説得力のある言葉に、川瀬は「やっぱり漫才師として生きていかなあかんなと」と持ち味を見せた。

■6位・ジャルジャル「浜」



この配信のハイライトとなったのが、ジャルジャルだった。「浜」が意味するのは、2日前にダウンタウン・浜田とロケをし、ネクタイとシャツとベルトを浜田に選んでもらったのだという。だから、敗因は浜田だと。

浜田とロケをしていることからもわかるように、ジャルジャルは今や、正真正銘のTVスターだ。そんな忙しいタレント活動の合間を縫って、ジャルジャルは『M-1』に懸けてきた。誰も見たことのない、もはや漫才なのか何なのかもわからない、ただ楽しくて、抜群に笑える4分間を作り、松本人志は自身最高の「95点」を与えた。

総合得点が出た瞬間、ジャルジャルの敗退が決まった。福徳はまるでKO勝ち寸前でカウンターパンチをもらったボクサーのようにうなだれ、悔しさを隠そうとしなかった。審査員を相手にボケた後藤に「ようボケれんなこの状況で、お前……」と、テレビカメラの前に立つ芸人とは思えない本音を生放送に乗せた。

「悔しかったんです……」

福徳は、泣き出してしまう。涙が止まらなくなってしまう。もう、声にならない。銀シャリ・橋本の「それ準優勝の泣き方やん! 6位やん!」というツッコミが冴えた。

■同率4位・スーパーマラドーナ「改」



「なんで今年から、敗者復活が最後ちゃうねんっていう……」

武智のこの言葉も、また本音だろう。今年から採用された「笑御籤」によって、前回まではトリだった敗者復活枠が、ランダムになってしまった。勢い、風、そういったものを味方につけて優勝をさらったのが、目の前にいるトレンディエンジェルだろう。

2位に10万票の差をつける圧倒的な強さで敗者復活を勝ち抜いたスーパーマラドーナ。武智は「入れてくれた人に申し訳ない」と語る。

「俺が一番M-1のこと思ってるからな!」

本戦中、何度も繰り返した武智の叫び。ジャルジャルとともに、スーパーマラドーナは来年、15年目のラストイヤーを迎える。田中もなんか言ってた。

■同率4位・かまいたち「小」



「小朝師匠が厳しすぎた」

『キングオブコント』との2冠が期待されたかまいたち。オール巨人と中川家・礼二が最高得点を付けるなど本領を発揮した一方で、春風亭小朝からは「勝ちきるネタではない」とバッサリ。

「審査員が小朝師匠じゃなかったら?」と水を向けて煽る陣内に、「なんか思ってるわけじゃないですよ」と慌てる濱家。「M-1と対を成すキングオブコントのチャンピオンから言わせてもらうと、非常にいい大会だった。バッチリです」と、山内がオチを付ける。

この“上から目線”に加え、本戦中にはにゃんこスターいじりもあり、大会を盛り上げた立役者のひとりに違いない。

■3位・ミキ「白」



ネタ中の昴生の唇が白すぎた、と亜生。伝統的なしゃべくり漫才を繰り出す兄弟コンビは関西での評価は高いが、一方でこうした平場では、まだまだ弱さを見せる。

本戦の審査でも「もう少し大きな展開もほしい」(礼二)、「全然おもしろくないネタもある」(松本)、「もうちょっと弟さんのボケが、シャープなのが入ってたら」(博多大吉)と、言葉だけで見れば苦言が続いた。それでも、本戦2位の650点を叩き出す圧倒的なテンポ、テンション、技術。審査員たちの苦言は、逆を返せばこのコンビの“ノビシロ”の大きさを示している。

そして何より、彼らのラストイヤーまで『M-1』が続くとするなら、この先10年にわたって出場権利があるのだ。末恐ろしい限りである。

■2位・和牛「鮭」



カミナリとの「謎」かぶりで「鮭」と書き直した和牛。そのまま、とろサーモンの意味である。

「なんで負けたんか、わかんないすもん」

和牛の頭脳・水田は戸惑いを隠さない。

「とろサーモンさんさえいなかったら優勝やったなと。去年は銀シャリさんさえいなかったら優勝やったし」

2年連続で準優勝となった和牛は、今大会も、もちろん来年も大本命として4,000組の漫才師からターゲットにされる立場だ。

昨年、キャラと動きで凄味を見せつけた和牛は、今年は目いっぱい頭を使って構成を練り上げ、新たな地表に立った。

最終決戦の審査、とろサーモンのパネルがめくられていくのを見ながら、水田は一枚ずつ「く・そ・が」と思ったと闘志を隠さない。来年は、いったいどんな進化を見せてくれるのだろうか。

その後、優勝会見を終えたとろサーモンも現れ、優勝賞金の授与式などが行われた。500万円ずつの生々しい札束を手にする2人を見ながら、やっぱり「久保田、おめでとう。そして村田、ありがとう」と思った。

■その後、SUNTORY提供で1時間



この生配信のあと、10組は千鳥が待つ居酒屋に場所を移して、SUNTORYが提供する“公開打ち上げ”も行われ、この様子も生配信された。

『M-1』2年連続最下位という苦杯を舐めた千鳥が後輩たちに向ける目線の温かさ、そして、base時代の盟友・とろサーモンと共に「W(「女芸人No.1決定戦 THE W」)にはアジアンも残ってる、中山功太も引き上げたい」と話し合う姿に、また涙腺が緩んだ。

(文=新越谷ノリヲ)

外部リンク(日刊サイゾー)

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