「マタニティーフォト」撮る? 撮らない?

マタニティーフォトとは、妊娠中の思い出を残す写真のことです。夫と一緒に撮る場合は、“最初の子どもとの家族写真”とも、いわれています。海外セレブや芸能人が、インスタでマタニティーフォトをアップしたり、妊婦さんにも数年前から人気なので、友達の写真をSNSで見た人もいるのでは? 皆さんはもし妊娠したらマタニティーフォト撮りますか?

今回、女性の撮影を中心に活躍するフォトグラファー花盛 友里(はなもり ゆり)さんと11月24日創刊のマタニティー誌『ゼクシィBaby』編集長の尾花 晶(おばな あき)さんのトークイベントを取材しました。
フォトグラファー花盛さんは11月24日発売の『ゼクシィBaby』内で、一般妊婦さんのマタニティーフォトを撮影されています。そこで編集長の尾花さんと共にトークセッションを開催し、出産経験がある2人が妊娠時の複雑な気持ちからマタニティーフォト撮影のコツまでを、妊婦さんの前で語られました。

■妊婦さんは幸せいっぱいな生き物って本当? 妊娠期の戸惑いとは

「変化していく自分の体が大嫌いだった」自身の妊娠経験をそう振り返る花盛さん。同じく出産経験がある編集長の尾花さんと共に「体毛が濃くなって獣みたいだった」「胸が大きくなってちょっとうれしかった」「突然歯茎から血が出た」など、妊娠期のエピソードが語られると、会場は参加した妊婦さんの共感のうなずきや笑い声で溢れました。

妊娠・出産期は新しい家族を迎えるうれしい気持ちに包まれる一方、ホルモンバランスの変化が体だけでなく、心にも影響を与えます。しかし、妊娠中の変化は時期や個人によっても違うので、一概に語ることができません。そんな当時の心境を花盛さんは「世間的には、妊婦って幸せでいっぱいというイメージがまだまだ強いんだなって、自分が妊婦になって気付きました。確かに幸せかもしれないけど、その裏にある戸惑いや葛藤やストレスで尋常じゃなくつらい。妊婦さんってつらいんです。だから、妊婦さんに優しくしてほしいって思う(笑)」と語りました。

■体の変化に戸惑う妊婦さんこそ撮ってほしい「マタニティーフォト」

『ゼクシィBaby』編集部に伝えたいメッセージを聞いたところ、 “子どもを授かる喜びと戸惑い、その対極の気持ちを受け止め、楽しんでほしい。複雑で、だけど神秘的で限られた妊娠期間を愛して大切にしてほしい”とのこと。このメッセージをどう伝えるか悩んでいた編集部が出会ったのが花盛さんの『脱いでみた。』の写真集だったそう。
編集部からの熱烈ラブコールを受けた花盛さんも「そもそも、多くの女性は体にコンプレックスを抱えていると思うんです。それなのに妊婦になると、想定していなかった体の変化でさらに戸惑う。だけどそのありのままこそがきれいだと思うから、前から挑戦したいと思っていた」と快諾し、今回のマタニティーフォト企画が実現したそう。

妊産婦のメンタルヘルスは最近の重要な社会テーマの一つになっています。厚生労働省は2017年度から、産後うつ予防のために健診費用の助成を発表しました。産後うつも、妊娠期からの積み重ねや、家族のサポートで変えられることもあるのでは、と編集長の尾花さんは言います。「自身の体の変化と、その戸惑いを肯定的に受け止める手段の一つにマタニティーフォトがあるかなと思っています。日頃からももちろんですが、マタニティーフォトを撮るときはパパも見守って、その神秘的な体を褒めてあげてほしいですね」

妊婦さん自身は体形の変化に戸惑っているんですね。だけど、そんな「ありのまま」の姿を愛し、マタニティーフォトを撮ることでポジティブな気持ちが生まれたら、妊婦さんの戸惑う気持ちを軽くすることに繋がるのかもしれませんね。

■恥ずかしくない! マタニティーフォトのポイント

とはいえ、マタニティーフォトはちょっと恥ずかしいと思う妊婦さんも多いはず。トークセッションの最後は、妊婦さんからの質問に答える形で、花盛さんと尾花さんから、マタニティーフォトのポイントを教えてもらいました!

全身の撮影はやっぱり恥ずかしいのですが……。

「体の一部分だけを写真に残してみてはいかがですか。膨らんだおなかだけ。出べそだけ。という部分撮影でも大丈夫です。おしゃれでとってもかわいいです。自分のスマホで撮ってもいいと思います!」

おなかを出す写真には抵抗があります。どうしたらよいですか?

「服を着たままでも大丈夫です。おなかを出して花冠を着けて撮影するイメージがありますが、服を着た日常生活の一こまの撮影もありです。パパの手だけが入っているような写真もとっても温かい雰囲気になります」

おすすめの撮影の場所はありますか?

「せっかくなら、自宅はいかがですか。子どもが生まれたらお家を住み替えることもありますよね。パパママが赤ちゃんを迎えるころはどんな家で、風景で、ふたりはどんな表情だったかを一緒に撮影してみてはどうでしょう。そうしたら、子どもに話せますよね。その思い出づくりに役立ててほしいですね」

撮ったマタニティーフォトはどうしたらいいですか?

「額縁に入れて子どもの写真と一緒に飾ってみてはどうでしょう。 ありのままが美しいし、『このおなかから生まれてきたんだよ』って子どもに話してほしいですね」

■マタニティーフォトで、妊婦さんが元気になったらうれしい

イベントの最後に妊婦さんへのメッセージもありました。

「妊娠期はつらくて苦しい。自分もそうだったので、すごく分かります。でも、今回マタニティーフォトを撮っていく中で、『やっぱり素敵だな』と思いました。今しかないこの神秘的な瞬間を客観的に見て、自分を振り返ることができました。終わってからは、もっと撮りたいなーって思いました。この写真が全国の妊婦さんの背中を押して、少しでも元気になってもらえたらいいですね」(花盛さん)

「妊娠中、出産後と妊婦さんは体と心のいろんな変化を経験します。ときには、悲しくなったり、苦しくなったり。そんな妊婦さんを『ゼクシィBaby』は応援したい。そして、パパをはじめとした周囲の人も温かく接してあげてください」(尾花)

経験しないと分からない、体と心の変化が妊娠期にはあるようです。新しい命が誕生する神秘的な10ヵ月を少しでも穏やかにそして楽しんで過ごせるように、周囲もサポートしていきたいですね。マタニティーフォトは、妊娠中の記録だけでなく、笑顔で楽しく過ごせるきっかけにもなるなんて驚きました。皆さんも妊婦さんを温かく見守ってあげてくださいね。

【取材協力】
花盛友里(はなもりゆり)さん
フォトグラファー。2009年よりフリーランスフォトグラファーとして活動を開始する。2014年に出産し、1児のママに。同年、自身初の写真集『寝起き女子』を発売。その後、女性のためのヌード写真集『脱いでみた。』も話題に。
Instagram:@yurihanamori

『ゼクシィBaby』編集長 尾花晶(おばなあき)さん
リクルート入社後、『ゼクシィ』編集部に配属。『ゼクシィ』東日本版の編集長を経て、2016年7月より『ゼクシィ Baby』編集長を務める。プライベートでは2児の母。
『ゼクシィBaby』(全国の産婦人科や産院で配布)/ 公式Instagram:@zexy_baby

記事提供/『セキララ★ゼクシィ』

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