「母親になる人生、ならない人生」どう違うの?『コウノドリ』7話

grape

2017/11/26 15:27


※写真はイメージ
出産の現場をリアルに描き、放送されるたびに大きな反響を巻き起こしているTBS金曜ドラマ『コウノドリ』。

耳が聞こえない夫婦、産後うつに陥る母親、自身のがん治療と出産の選択を迫られる妊婦…さまざまな人間ドラマが繰り広げられました。

6話からは『ペルソナ総合医療センター』のメンバーにフォーカスが当てられます。下屋(松岡茉優)は妊婦の死を目の当たりにしたことをきっかけに、産婦人科医としてさらに成長するため、救命へ異動。

7話では、助産師の小松(吉田羊)が女性として重大な選択を迫られます。

バタバタしてて、検査に行けなかった

腹部の痛みを訴えた小松。サクラ(綾野剛)と四宮(星野源)に対し、普段通りの明るさでこう明かします。

実は前から子宮筋腫があるっていわれててさ。最近痛みが強いから、ちょっと気にはなってはいたんだけど。
コウノドリ ーより引用最後に検査を受けたのは1年前で、その時の筋腫の大きさは6、7センチ。「1年前…」といぶかる四宮に、小松はトーンを変えずに続けます。

あ、ほらバタバタしてたし~。お休みの日に検査行くのももったいなくて。
コウノドリ ーより引用「詳しく検査したほうがいい」と顔を見合わせるサクラと四宮。

ところが小松は「そだね、タイミング見て」とのんびりした様子。サクラはその場で即、小松を『お姫様抱っこ』して検査に連れて行きます。

その結果、のんびりはしていられない現実が明らかになるのです。

がんになるリスクを抱え続けるか、それとも…

検査の結果、小松は子宮筋腫ではなく、子宮腺筋症と卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)であることが分かります。

四宮は「こんな状態になるまで放っておいたなんて…」とため息。貧血もあったはずで、日常生活にも支障があったと推測します。

卵巣チョコレート嚢胞は、将来的に卵巣がんに進行する可能性もあり、四宮の判断は「子宮の全摘出を勧めるのが、本人のため」。

ホルモン治療などで症状を抑え、「手術をしない」という選択もあります。ですが、がんになるリスクはなくなりません。

診断をサクラから告げられた小松は「どうしたらいいんだろ…」と天を仰いだ後、サクラが目を丸くする反応を見せます。

でもあれか、あたしから子宮がなくなっても世界が平和ならそれでいっか!
コウノドリ ーより引用気丈に笑ってみせる小松でしたが、それは「サクラに心配かけたくない」という思いでのこと。

メディカルソーシャルワーカーの向井(江口のりこ)と街中で出会った際には、こんなことを尋ねます。

お母さんになる人生と、お母さんにならない人生、何が違うのかな?
コウノドリ ーより引用答えをいいよどんでしまう向井。その質問には、迷いから逃れられない小松の心情が表れていました。

最終的に、小松が選んだのは手術を受け、子宮と卵巣を全摘出すること。

手術は無事終わり、変わらぬ明るさを見せる小松。しかし、向井を自宅に招いた時、本当の気持ちを口にします。

いや~本音いうとさ、ほんとは怖かったんだよね、手術する時。

あーこれで私は本当に1人で生きていくことになるかもなーって考えたらさ、さびしさよりも怖さが先に来てさ。
コウノドリ ーより引用
親も、兄弟も、夫も子どももいない私にとって、子宮は最後の頼りだったんだ。
コウノドリ ーより引用涙ぐみながら語る小松。ですが、手術を受けたことをきっかけに小松は「1人ではない」ことに気付いたのです。

それは、自分のことのように案じてくれた、『ペルソナ』のメンバーたち。

私の中から大事な物がなくなっちゃったけどさ、私には支えてくれる仲間がいる。
コウノドリ ーより引用

すべての女性にとって、他人事ではない現実

今回の『コウノドリ』で描かれた『子宮全摘出』はもしかすると、女性の心にとっては、『命を取る』のと限りなく近いことなのかもしれません。

「お母さんになる人生とならない人生、どう違う?」

小松が向井に向けた質問の答えは、1つではないでしょう。小松が見付けたのは、仲間がいる人生でした。また、これからもいくつも見出していくはずです。

視聴者は自分のことのように迷い、涙を流し、その思いをネット上に投稿しています。

・私もチョコレート嚢腫でした。だれにも相談できなくて、不安で、自分と小松さんが重なりました…。

・子宮全摘出が女性にとってどれほどつらい選択か。小松さんは本当に強い。

・「行かなきゃ」と思っても検査になかなか行かないのは、よくあること。このドラマが、女性が早めに受診するきっかけになるといい。

「忙しくてなんとなく検査を受けなかった」…それは、多くの女性に心当たりがあることではないでしょうか。

それは「ドラマの中で起こっていること」ではなく、「自分にも起こりうること」なのです。

ドラマの登場人物に共感し、自分も同じように悩み、そして、答えを探そうと前向きにさせてくれる…それが、『コウノドリ』が多くのファンに支持される理由の1つかもしれません。


[文・構成/grape編集部]

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