「今からあなたを脅迫します」4話。前田公輝の「わかりやすい悪役」。憎んで当然の相手を許せるか武井咲

エキレビ!

2017/11/19 09:45

栃乙女「千川完二! あんた、無駄にビジュアルはイケてんのに、マジ女にモテないのはそういうとこだよ?」
目黒「そういうとこだよ」
千川「そういうとこ……」

島崎遥香、三宅弘城、ディーン・フジオカが演じる脅迫屋チームの掛け合いが板につき、さらに楽しくなってきた日曜ドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系列)。
11月12日(日)放送の第4話では、脅迫屋チーム3人が澪(武井咲)を助けるために動き出した。


第4話 あらすじ
7年前に交通事故で亡くなった両親のお墓参りに向かった金坂澪(武井咲)。墓石の前で、母親である七海(石田ひかり)の教え子だという國枝友基(森田甘路)に出会う。
後日、國枝が添島邦明(前田公輝)という男を襲ったことで、澪が警察に任意の聴取に呼ばれた。そこで、7年前に添島が澪の両親を轢いた車に同乗していたことを知る。

ドラマのテーマを際立たせる前田公輝の演技
社会的に地位が高い親がいて、裏稼業とも付き合いがあるどら息子。
都合が悪くなると「コーヒー代」と一万円を置いて去る、何でも金で解決できると思っている男。
他人の死や痛みにまったく心動かされず、自分が殺した相手の娘に「あんたの親、たまたま運が悪かったよね」と言い放つ。

わかりやすい悪人として設定された添島のキャラクターは、実際の人間が演じると露悪的になりすぎたり、あからさまで滑稽に見えたりしてしまうこともある。
だが、添島はそうならなかった。「HiGH&LOWシリーズ」でインテリヤンキー役を好演し「二次元を具現化した」と評された前田公輝が、『今キョー』でもその技巧を発揮したからだ。

笑うときに口角を上げず口を歪め、顎を触りながら返事をする。これは、話している相手を見下しているときに出ると言われているしぐさ。
話を終わらせたいときにさりげなく相手と反対の方向を見る。
勝てそうな人には目を見開き前のめりになって威圧感を与え、少しでも形勢不利と判断すると、椅子の背もたれにドカッと寄りかかり自分を大きく見せようとする。
酒を飲んで騒いでいるときに、交通事故によるケガに巻いていた包帯を投げ捨てるところも「事故なんてどうでもいい」という添島のスタンスを表していた。

大声やにらみ、下卑た笑いなどに頼れば「わかりやすい悪役」のキャラクターは表現しやすい。
しかし、前田はちょっとしたしぐさの積み重ねで、キャラクター的なわかりやすさを実際の人物像に落とし込める。

クライマックスで罪を認めた添島が「自首すればいいんだろ」と言うとき。「父と母のことを忘れないで」と真摯に頭を下げる澪に対して、添島は斜め下から恨めしそうに澪を見ていた。きっと、後悔も改心もしないのだろう。
その場しのぎで自首を約束する添島の態度は、「どんな相手も憎むのではなく許す」という澪の姿勢を試している。

澪「この人が本当の犯人だとわかって、憎かった。そして、そんな風に思ってしまう私を認めるのも……」「憎いです。許せないです。だけど、この人に死んでほしいとは思いません。命は命で償えませんから!」

心から謝ってくれることを期待できない悪人を、澪は憎み、でも許そうと努力した。
添島は、『今キョー』が描く「人は善と悪の間で揺らいでいる」というテーマを浮き立たせてくれた良い悪役だった。

ディーン・フジオカ×鈴木伸之のアクション対決キター!


添島の自首によって、7年前の澪の両親の交通事故問題はひとまず解決(ラストで、西日の中、澪の母・七海が澪の前に登場したのは、NHK朝ドラによくある「死者との対話」演出のようで面白かった)。
これからいよいよ澪と澪の祖父・轟雄之助(近藤正臣)との確執に迫っていくことになりそうだ。

やはり、轟を慕う国会議員・新戸部文夫(袴田吉彦)と澪の隣人・京田カオル(鈴木伸之)はグルで澪の身辺調査をしていた。
良い人ぶっていた京田が澪を襲う第6話では、お互いにアクションが得意なディーン・フジオカと鈴木伸之のアクション対決も見られる。
鈴木がインタビューで「ディーンさんが一人一人の動きを、『この役はなぜこう動くのか』と細かい部分まで考えてくださって」と話していた。演者たちが役の解釈を盛り込んだアクションシーン、楽しみだ。

第4話は、TVerやhulu、日テレオンデマンドHuluなどで配信中。
ストーリーも大きく動き出す第5話は、今夜、11月19日(日)よる10時30分から放送予定だ。
ところで、蛭子能収が演じるロビンの「ちょっと良いコメント」がなくなってしまったのが寂しい。最終回までに、もう1回くらい聞きたいです!

(むらたえりか)

日曜ドラマ『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)
原作:藤石波矢『今からあなたを脅迫します』(講談社タイガ)
出演:ディーン・フジオカ、武井咲、鈴木伸之、島崎遥香、蛭子能収、三宅弘城、近藤正臣、ほか
脚本:渡部亮平、関えり香、ほか
音楽:林ゆうき
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:松本京子、難波利昭
演出:中島悟、狩山俊輔、ほか
制作協力:AXON
主題歌:DEAN FUJIOKA「Let it snow!」(A-Sketch)

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