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姉妹の確執、絶縁…きっかけは何だったのか?

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両親の死をきっかけに、姉との確執から絶縁を体験した女性へのインタビュー。今もモヤモヤした気持ちを抱えたままだが、姉とまた交流をもつ気はないと語る。
きょうだい仲が男女関係によって壊され、金銭トラブル、相続問題にまで発展してしまう、悲しき修羅場。

「きょうだいは他人の始まり」という言葉がある。親がいるからつながっているだけで、親がいなくなれば、仲の良かったきょうだいに突然、亀裂が入ることもあるようだ。

サユミさん(41歳)は、6年前に母を亡くした。3年後、ひとり残った父に認知症の症状があらわれたため、3歳年上の姉と相談。姉が自分の住まい近くの施設に父を入れることにした。そこから、姉妹の確執が始まる。

男にすべて貢いだ姉

――お姉さんとは、仲がよかったんでしょう?

サユミ:小さいときから仲良しでしたね。高校も大学も、結局、姉と同じところを選んで入学したくらい。母と3人、いつも女同士でつるんでいました。姉は大学を卒業して数年後に結婚したけど、30歳のときに離婚。それからはひとり暮らしで仕事を続けていました。私は結婚歴はありません。

――関係がおかしくなったのは、“お父さんの一件”があってから?

サユミ:当時は知らなかったんですが、その頃から姉はある男性とつきあっていたようです。姉のマンションで半同棲状態だったらしい。父が施設に入ったあと、父の預金を解約しては男に貢いでいたんです。その男に騙されていたんでしょうね。私がそういうことを知ったのは、父が亡くなってからですが。

――お父さんはいつごろ亡くなったんですか?

サユミ:施設に入ってから1年後くらい。急だったんです、心筋梗塞でした。

――お葬式はふたりで出した?

サユミ:ええ。四十九日がすんで形見分けしようという話をすると、姉が拒絶する。「お父さんにいくらかかったと思ってるの」と言い出して……。でも、施設に入居するにあたっては、私も入居金の半額を出しているし、あとは父の年金で月々間に合うという話だった。父が施設に入るとき、母と暮らしていた賃貸マンションを引き払ったのも姉と彼氏。そのときだって、私は立ち会わせてもらえなかったんですよ。まあ、私が忙しかったのもあったけど。

私はお金がほしいわけじゃない。姉妹としてオープンに父の遺品整理をしたかったんです。それで、父の預金や生命保険などもあるはずだと追求していくと、姉が「実は……」とつきあっている彼にお金を貸していると白状した。それどころか、父の名前で借金があると。だから遺産相続を放棄したほうが迷惑かからないと思う、と言って泣き出したんです。

――それは大変。

サユミ:私も大変だと思いました。私も借金を返済するほど余裕はないので慌てて相続放棄の手続きをしました。でも、それも姉の彼氏の差し金だった。父には借金はなかった。

遺産も遺品も、男にすべて貢いだ姉


――ひどい話ですね……。

サユミ:父のお葬式で初めてその彼に会ったんですが、なんだかイヤな予感がしたんですよね。姉に、「あの人、大丈夫? なんだか信用できないんだけど……」って言ってしまったほど。姉は怒ってましたけどね。あげく、「あんた、自分に男がいないからって嫉妬してるんでしょ」とまで言われた。

そのあとは話した通り、相続放棄してしまったので、お金はともかく遺品も何ももらえなかったので、姉とは連絡を絶ったんです。あまりに腹が立ったので、絶縁状も送ってやりました。姉からは留守番電話が入っていて、「私もあんたみたいな妹はいなかったと思うことにするから、金輪際、連絡してこないで」って。

結局、姉は父の預金やら生命保険、家にあった金目のものを全部彼に渡してしまったみたいです。

――それはお姉さんから聞いたんですか?

サユミ:父が亡くなってから半年足らずで、姉が真っ青な顔をして私の勤務先にやってきたんです。「私、騙されたみたい」って。彼、行方不明になってしまったそうです。思わず、「男を見る目がないわね」って言いました。

――その後、お姉さんは?

サユミ:警察に相談に行ったみたいですよ。詳しいことはわからないけど。一度、姉から「お金を貸してほしい」という連絡がありましたけど、「ふざけるな」と言ってやりました。私、冷たいでしょうか。

――それほどのことがあったなら、しかたないですよね。

サユミ:私だって、父が施設に入るときに出した入居金はけっこう痛かった。定年まで勤められる会社にいるとはいえ、決してお金に余裕があるわけではありません。父の預金に関しては、もちろんいくらか入ればラクになるとは思いましたけど、本当にお金がほしいと思っていたわけではなかった。なにより、私よりあんなアヤシイ男を選んで、しかもまったく気づかないまますべて差し出した姉が許せなくて……。

――お姉さんは惚れ込んでいたんでしょうね。

サユミ:そうなんでしょう。でも、誠実さが感じられない男だった。父のお葬式のときも喪主みたいな顔をしてチャラチャラして、姉はそんな彼をうっとり見てる。これは嫉妬でもなんでもなくて、どうしてこんな男に惚れたんだろうって思いましたからね。

両親が亡くなれば、「きょうだいは他人の始まり」


――今、お姉さんはどうしているかご存じですか?

サユミ:詳しくはわからないんですが、3カ月くらい前かなあ、共通の友人から連絡がありました。「ひどく落ち込んでいるから、一度、連絡をとってあげてほしい」と。わかりました、とは言ったけど、連絡する気が起こらないんです。

お寺の住職に尋ねても、姉は両親のお墓にもぜんぜん来ていないそう。両親が生前に購入したお墓があったので、納骨だけはちゃんとやったんです。私は、たまにお墓参りには行っていますけどね。

――これから、お姉さんとの関係はどうするつもりでいます?

サユミ:きょうだいは他人の始まりだなあと実感してます。姉は「騙された」とは言ったけれど、私に対しての謝罪が一切なかったことに、わだかまりがあるんです。あんなに仲の良かった姉妹なのに、どうしてこんなことになってしまったのか。老後は一緒に暮らそうねと話していたんですよ、両親を亡くしたら最後に頼りになるのは姉妹だと……。でも、今はそう思っていません。両親がいなくなったら、姉妹も他人。他人よりもっと冷たい関係になる。

――モヤモヤが残りますね。

サユミ:そうですね。ずっとこんな気持ちでいるのもイヤだけど、もう姉はいなかったものとして考えるしかない。そう割り切ろうと思っています。

きょうだいと言えど、縁が切れてほっとするケースも多いのではないだろうか。

私自身、いろいろ事情があってきょうだいとは絶縁状態なので、サユミさんの気持ちはよくわかる。「人として許せない」と思っている相手に対して、「きょうだいだから仲良くしなくてはいけない」と自分を追い込む必要はないのだ。
(文:亀山 早苗)

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