【40代の女性】痛みは無いけど血尿が出る。これって膀胱炎の症状なの?

イクシル

2018/12/19 12:00

女性に多い病気として知られる膀胱炎ですが、その症状の一つに血尿があります。血尿が出たら「膀胱炎かな?」と思う人もいるかもしれませんが、他の病気が潜んでいる可能性もあります。尿道口から細菌が入ると尿路感染症として、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎などを起こします。膀胱炎の基本的な情報と、血尿が出る他の病気についてお伝えします。

膀胱炎とは


膀胱炎とは、大腸菌などの細菌が尿道口から侵入し尿道を通って膀胱内で増殖することで、膀胱の内側の粘膜に炎症を起こす病気です。膀胱炎には急性膀胱炎と慢性膀胱炎があります。急性膀胱炎は、膀胱や尿道にとくに病気がなく、細菌が入ることで起こります。慢性膀胱炎は、膀胱や尿道に病気を持っていることで、膀胱内に細菌が住み着いて膀胱炎を繰り返すものです。
また膀胱炎には、尿路(おしっこの通り道)に形態的・機能的な問題がない「単純性膀胱炎」と、発症の原因に尿路の形態的・機能的な問題が関係している「複雑性膀胱炎」、そして頻尿や不快感が出る「間質性膀胱炎」などさまざまな種類があります。症状もさまざまですが、痛みがない場合もあります。

膀胱炎はこんな人がなりやすい


<年齢>
膀胱炎は、10代後半~更年期以降まで、幅広い年代の女性に多いといわれます。その理由は、女性は尿道口が膣や肛門に近く、また女性の尿道は男性に比べて短いために膀胱まで細菌が侵入しやすい構造だからです。膀胱炎の原因となる菌は大腸菌が多いですが、最近で染症のクラミジアが原因の膀胱炎も急増しているといわれます。淋菌が原因の場合もあります。

<生活習慣>
本来、膀胱は細菌に対して抵抗力がありますが、生活の変化などによる過度のストレス、睡眠不足、食生活の偏りなど生活リズムが不規則になると体力が落ち、免疫の働きが弱くなると感染しやすいといわれます。

<体質>
食物や薬剤による刺激が原因となるものや、膀胱の粘膜へのアレルギー反応によるもの、放射線治療によるものなどさまざまです。』

膀胱炎を繰り返す人の特徴


疲労、睡眠不足、ストレスなどで一時的に身体の抵抗力が落ちているときに膀胱炎にかかりやすいといわれます。ですから、生活習慣が不規則で整わない状態が続くことは、膀胱炎を繰り返す原因となり得るでしょう。
また、膀胱炎にかかって抗生物質を処方されたにもかかわらず、飲み切らずに途中でやめた人も再発(再燃)しやすい状態です。膀胱炎と診断された人のほとんどは、抗生物質を1週間~10日間ほど内服すれば治るといわれます。しかし、内服をはじめて2~3日で症状が良くなると安心してしまい、「薬はあまり飲みたくないし、良くなったからもう薬は飲まなくていいだろう」「症状がないから、もう治ったよね」といった自己判断で、処方された薬を飲み切らずに中止してしまう人もいます。これには注意が必要です。なぜなら、症状が数日で良くなったとしても、膀胱内の細菌は簡単には全滅せずに残っているからです。内服治療を自己判断で中止してしまうことで、また繁殖して症状をぶり返す場合があります。ですから、処方された薬は医師の指示通り、用量・用法を守って内服するようにしましょう。症状を繰り返さないために非常に大切なことです。

ただし、膀胱炎を繰り返す人の中には、別の病気が原因となっている人もいます。処方された薬をきちんと飲んでいるにもかかわらず膀胱炎の症状をくり返す場合は、自分で判断せず、あらためて受診するとよいでしょう。

膀胱炎の主な症状


膀胱炎の症状には、以下のものがあります。


排尿時痛
炎症を起こしている膀胱が排尿の際に急激に収縮することが刺激となって、痛みが起こります。特に、排尿の途中よりも後半や出終わりに「ツーン」とした何ともいえない痛みがあります。

頻尿
尿意切迫感(強い尿意を高い頻度で感じる)があって、トイレに行きたくなる回数が増加します。しかし、1回に出る尿は少量で、残尿感(排尿後も尿が残っている感じ)を感じることも多くなります。

尿混濁・血尿
膀胱内に増殖した細菌を死滅させるために白血球が闘った結果、その死骸が尿に混ざり、白っぽく濁った尿が出ることがあります。炎症によって膀胱の内側の粘膜が傷ついて出血し、それが尿に混ざって血尿が出ることもあります。』

そのほかにも、お腹の下のほうに重くすっきりしない不快感があったり、鈍痛を訴えたりする人もいます。ただしこれらの症状が必ずしもすべて現れるわけではなく、痛みがない場合もあります。通常、膀胱炎は発熱を伴うことはありません。高熱や倦怠感、左右どちらかの背中や腰の痛みを伴う場合(両側の場合もある)は、細菌が腎臓の腎盂という場所までいって悪さをして炎症が拡がる腎盂腎炎の可能性もあります。

日頃からの予防は大切


膀胱炎の予防として「膀胱内に菌を入れない」「膀胱内で菌を増やさない」、そして日頃から「身体の抵抗力を落とさない」ことが重要です。
「膀胱内に菌を入れない」「膀胱内で菌を増やさない」ためには、陰部の清潔に保つことが必要です。とくに排便後は肛門周囲に大腸菌などが付着しています。肛門側から尿道方向(後ろから前へ)にトイレットペーパーで拭いてしまうと、細菌が尿道に入りやすくなります。必ず尿道側から肛門へ(前から後ろへ)拭く習慣をつけましょう。また、月経期間中はナプキンを2~3時間ごとにまめに取り替えて、清潔にしましょう。
また、性行為の時には膣や肛門周囲に付着している細菌が尿道に侵入しやすい状況にあります。行為後は排尿することで尿道にとどまっている菌を流したり、陰部をシャワーで軽く洗い流すようにしたりすることも予防のひとつです。
「身体の抵抗力を落とさない」ためには、過労やストレスを感じるときには休養を心がけ、生活リズムや食生活を整えて、身体の免疫力を高めることが重要です。

血尿が出たらこんな病気も考えられる


血尿とは、血液中の赤血球が尿の中に混ざっているものをいいます。とくにほかに症状がなく血尿が出ている状態を「無症候性血尿」と呼びます。その見た目から、血尿は2種類に分けられます。


○肉眼的血尿
見てすぐに「血尿」とわかる尿のことです。

○顕微鏡的血尿
一見、尿の色は薄黄色透明で正常にみえますが、顕微鏡でみてみると、基準値以上に赤血球が混入している尿のことです。人間ドックや検診、健康診断などの尿検査によって偶然発見されます。』

尿は、体外に排出されるまでにいくつかの臓器を通ります。まず、腎臓でつくられた尿は尿管を通って膀胱に溜められます。そして、膀胱にある程度尿が溜まり脳に信号が送られると、尿道を通って排尿が起こります。血尿がみられる場合、この腎臓から尿道までの尿路系のどこかに出血の原因となる箇所があると考えられます。

膀胱炎だけじゃない 血尿を症状とする病気
お伝えした通り、膀胱炎のひとつの症状に血尿がありますが、血尿が主な症状の病気には、以下のようなものも考えられます。


○腎腫瘍(腎臓がん)、膀胱腫瘍(膀胱がん)、腎盂・尿管腫瘍
尿路系の部分に腫瘍がみつかった場合、悪性腫瘍であることも多く、また初期症状は無症候性の血尿であることが特徴です。血尿が出たり止まったりすることも特徴で、見過ごされやすいことが指摘されているので要注意です。
血尿でがんが疑われる場合には、超音波検査やCTなどでがんがないか確認します。病期による転移や進行の具合、悪性度によっても効果的な治療法は違いますが、内視鏡手術などでがん細胞を切除・摘出したり、カテーテルを使ったBCG注入療法を行ったり、抗がん剤や放射線を使ったりするものがあります。腎臓がんや膀胱がんの大きな原因のひとつは喫煙にあるとされています。

○特発性腎出血
自覚症状もなく突発的に腎臓の血管が破れて出血することで、尿管を通って血尿が出ます。検査をしても原因不明なことが多く、基本的には経過観察をしているうちに自然に消失していくことが多いとされます。診断のため、他の腎疾患の可能性はないか精密検査をして診断します。

○尿路結石症
脇腹が痛み、血尿が出ます。腎臓にできた結石が尿管に移動するとき粘膜を傷つけ出血します。結石が尿管にはまり込んで激しい痛みを起こすのは、尿路結石症ではなく「尿管結石」です。膀胱結石は、腎臓から流れてきて尿道から排出されないものもあり排尿痛や血尿がみられます。
治療法は、結石が5mm以上で症状がある場合、衝撃波砕石術を行うのが一般的です。結石に焦点を当てて、衝撃波で結石を砂状に破砕して尿とともに排出させるのです。手術後尿管が入っている間は、血尿が続くことが多いようです。』

このほか血尿が出る病気は、慢性糸球体腎炎の中で血尿が主な症状である「IgA腎症」「急性腎炎症候群」「ナットクラッカー症候群」などさまざまです。

血尿は、重大な病気が潜んでいるかもしれないという身体からの重大なサインです。異常の早期発見のためにも放置せず、できるだけ早く泌尿器科や腎臓内科といった専門医の診察を受けることをお勧めします。

執筆者:青井 梨花(あおい・りか)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。病院や地域の保健センターでの勤務を経て、株式会社 とらうべ 社員。妊娠・出産・育児相談や女性の身体の悩みに関する相談に親身に応じ、赤ちゃんタッチ講師も務める。一児の母。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。
参考URL
総合南東北病院 ホームページ
公益財団法人 ときわ会 ホームページ
メディカルノート 女性に多い?膀胱炎とは―原因、症状、治療方法について

当記事はイクシルの提供記事です。

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