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【プロ野球】二段モーション禁止で投手生命の危機を迎えた三浦大輔はいかにして克服したのか

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 菊池雄星(西武)への判定以降、侃侃諤諤の議論が交わされている「二段モーション」。ヤクルトの真中満監督も「セットでの投球もあいまい。ウチの小川も怪しいとか言われるしね。審判団で話し合って、キャンプ中に注意してくれないと」「NPBがあいまい。やるならば徹底的に取り入れるべき」と提言し、海の向こうではダルビッシュ有も「本当にどうでもいいことには力入れるよなぁ」とTwitterでつぶやいたことがニュースとなった。

だが、ずっと以前からこの「二段モーション」について異議を唱え、提言を続けてきた男がいる。昨年限りでユニフォームを脱いだ、ハマの番長こと三浦大輔氏(元DeNA)だ。かつて“二段モーションといえば三浦”といわれるほど、この投球スタイルが代名詞のような存在だっただけに、自著『逆境での闘い方』(2012年刊)で二段モーションへの思いをこう綴っている。

《自分にとって二段モーションは命そのものだった。これがあったからこそプロでそれなりの結果を出すことができたし、日本一という美酒も味わえたと思っている》

そんな「命」というべき二段モーションが禁止されたのは、2006年シーズンのことだった。

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■メジャーでも五輪でも禁止されていない二段モーションの不思議

日本球界では2006年から禁止された二段モーション。この2006年という数字を見て、野球ファンであればピンとくるものがあるはずだ。それは、第一回WBCが開催された年。当時の審判団の見解は「二段モーションは、いわば日本だけの特別なルール。WBCと2008年に控える北京五輪を見据え、これからは国際基準のルールに従わなければならない」というものだった。

だが、これに対して三浦氏はこう反論する。再び、自著『逆境での闘い方』から。

《そもそも、自分が二段モーションにした94年も日本で初めてのケースであったため、メジャーリーグの審判に確認したが問題ないといわれたし、その後、メジャーリーグで「二段モーション禁止」というルール変更があったことなど聞いたことがない》

実際、メジャーリーグでも活躍した大塚晶則氏も二段モーションだった、と綴る三浦氏。そしてこう続ける。

《そしてなにより自分は、04年のアテネオリンピックで国際大会を経験しているのだ。大会ではもちろん二段モーションで投げていたが、海外の審判は誰一人として自分のピッチングフォームを指摘しなかった》

一体、誰のためのルール改正だったのか、首を傾げたくなるばかりだ。

■文句は山ほどあるけど……我慢して克服していくしかない

命ともいうべき投球フォームを、納得のいかない理由で禁止される。これほど理不尽で悔しいことはないはずだ。だが、三浦氏は当時から問題点や疑問点は指摘しつつも、そのルールの中でどう生きる術を見つけるかに注力していくことを選んだ。その理由が、「これぞ三浦大輔」と言いたくなる男っぷりに溢れているのだ。

《自分が二段モーションのことでとやかくいってしまえば、WBCを間近に控えた日本のプロ野球にとってマイナスになる。文句は山ほどあるけど、ここはもう、ぐっと我慢して克服していくしかない》(『逆境での闘い方』より)

二段モーションが禁止される前年の2005年、12勝9敗、防御率2.52はリーグ1位という、キャリアハイに近い数字を残していた三浦氏。しかし、2006年シーズンは二段モーション禁止の余波が大きく、8勝12敗、防御率3.44と大きく数字を落としてしまう。

だが、キャンプでの投げ込み、そして普段の練習やシーズン中の投球で微修正を繰り返したことで、翌2007年には11勝。見事に数字を持ち直してみせた。

《もし、自分の二段モーションのように何かがきっかけで生命線が失われてしまったとしたら、新しい形が完成するまで時間がかかるだろう。しかし諦めず、根気強く小さなことも見逃さずコツコツと改善に取り組んでいけば、必ず結果はついてくると信じてやるしかない》(『逆境での闘い方』より)

各投手たちが、これほど心血を注いで築き上げていく投球フォーム。それを、明確な基準もなく、国際化といいながら世界では禁止されていないという不可思議な状況で運用を続けるNPB、そして審判団……。今一度、二段モーションの是非、基準について真摯に議論してもらいたい。

文=オグマナオト
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