飯豊まりえインタビュー! もがき苦しんだ『暗黒女子』

Entame Plex

2017/4/1 10:24



4月1日(土)エイプリルフール、後味が最悪な結末がハマる“イヤミス”界に新たな旋風を巻き起こした秋吉理香子の小説を実写映画化した『暗黒女子』が遂に公開を迎えた。本作は、W主演を務める清水富美加と飯豊まりえをはじめ、清野菜名、平祐奈、玉城ティナ、小島梨里杏といった6人の若手演技派女優が華麗で壮絶なダマし合いを繰り広げる。

物語の舞台・聖母マリア女子高等学院の経営者の娘で、全校生徒の憧れの的だったマドンナ・白石いつみ(飯豊)が校舎の屋上から落下し謎の死を遂げる。自殺か他殺かそれとも事故なのか……観る者すべての予測をブチ壊す驚愕のラスト24分で巻き起こる怒涛の結末とは――。

難役のいつみを見事に演じ切り「一生忘れることのない作品になった」と、胸を張るのは飯豊まりえ。しかし、その心境に至ったのはクランクアップを迎えてからのことで、現場では時には逃げ出したくなるほどもがき苦しんだことを明かしてくれた。そんな彼女に、いつみ役を演じて感じたことや本作の見どころについて、話を聞いた。



――原作や脚本を読んだときの印象はどうでした?

「ミステリー小説を手にしたのが初めてだったんですけど、すごく読みやすくて“秋吉(理香子)さんスゴい!”って思いました。“こういう子、絶対にいる!”って共感できる部分に多面性を現していたところが面白くて一気に読んでしまいました。台本を読んだとき、 “え~っ!? それをやられちゃったら……”って、これは(観る人みんな)ラストで騙されるだろうと思いました」

――今回初のミステリーでしかも“イヤミス”と称されるジャンルでしたが。

「ストーリーがすごく面白いぶん、演じるのはものすごく大変でした。これは私が頑張らないと全然怖くなくなっちゃうんじゃないか……とすごくプレッシャーを感じていました。でも高校生時代の根拠のない無敵感も描かれていたので、そこを武器にしてやろうと自分が学生だった頃のことを思い出しながら演じました」

――飯豊さん自身が高校生のときもその“根拠のない無敵感”というのは感じてました?

「すごくありました。でも今思うとあのときの無敵感って何だったんだろうって。大人じゃないけど、かといって子どもでもないし、“今しかない”“何でもできる”という感覚もあって、大人と話すのも全然怖くなかったですね。でも、この作品に携わってからは“何を考えているんだろう?”って逆に高校生と話すのがすごく怖くなっちゃって(笑)。多面性は誰しも持っていると思うんですけど、それを前面に出しているのが高校生なのかなって……。そういう怖さや危なさも表現して、絶対に面白い作品にしようと全力で臨みました」

――飯豊さん演じるいつみは生粋のお嬢様。所作や立ち振る舞いなど役作りはされましたか?

「普段猫背なので、まずそれを直して(苦笑)。お菓子を食べるシーンも多かったので、家柄のいいお嬢様のようなしぐさ、育ちの良さが自然に見えるように気を遣いました。お嬢様っぽい丁寧語もすごく違和感があったんですけど、いざ使い始めてみたらすごく気持ちがよくなってきて……普段でも“ごきげんよう”って使うようになりました(笑)」



――今作は女子校が舞台で同世代のキャストが多かったと思いますが、撮影の雰囲気はいかがでした?

「いつみ役を演じることになってかなり切羽詰まっていたんですけど、(清水)富美加ちゃんがすごく笑いを取ったりして現場の雰囲気を盛り上げてくれて。普段はみんな全く暗黒感のない明るくふわふわしていてすごく居心地が良い空間でした。でも、スタートがかかるとみんな役になりきっていたのでその居心地の悪さといったら……(苦笑)。みんなそれぞれ演技プランもしっかり練っていたので、みんながいてくれたからこそ、いつみとして動けたのかなってすごく感じました」

――演じている最中のその居心地の悪さはどう表現しようと?

「普段の自分は結構周りに合わせるタイプなんですけど、いつみはみんなを掻き回すようなタイプだったので、演じるのがとても難しかったんです。耶雲監督から『華やかさもあって凛としていて、でも無邪気さも出してほしい』と言われていて、“どう演じればいいんだろう?”って悩んでしまって。台本がぐちゃぐちゃになるくらいに書き込んだり、いろいろと考え過ぎてしまって……いつみを演じるのはかなり苦労しましたけど、とてもやりがいがありました」

――これまで明るい役が多かっただけにかなり苦労したようですね。

「いつみは、自分にはない部分ばかりだったので、正直“もう無理……”と逃げ出したくなるときもありましたけど、やるしかないという一心で。予告編にもなっている屋上から背面で飛び降りるシーンでは、スタントではなく実際に自分でやったんです。そのとき初めてスタッフさんみんなが拍手してくれて。そのシーンで自分の中で吹っ切れたような気がします」

――耶雲監督とは『MARS~ただ、君を愛してる~』以来のタッグでしたが、今回かなり愛あるダメ出しを受けたとか。

「『MARS』でご一緒したときの耶雲監督しか知らなくて“甘えて大丈夫かな!?”と思っていたんですけど、今回は鬼監督になっていて、ひょっとしたら嫌わているんじゃないかと思っちゃうぐらいでした(笑)」

――例えばどんな言葉をかけられました?

「本読みの時点で『一番ダメだったの分かってる?』って言われたときに“あれ!? 自分ではこの役できるって思っていたのに全然ダメなんだ……”ってかなり落ち込んで。いつも自分の延長線上でナチュラルに演じちゃうことが多いんですけど、耶雲監督が『今回の芝居はそれじゃダメだ。ちょっと芝居がかってるぐらいの演技をしてほしい』と仰られて、まずそこが難しかったです。『もっと自分にないものを出して。自信ないのが出てるよ!』って。でもきっと私にいつみのような要素がないからこそ裏切れる、今までに演じたことのない役どころだから違った一面も観てもらえるチャンスだからと耶雲監督が手を差し伸べてくださったんだと思います。撮影中は監督の喜ぶ顔を見れるようにと必死でした」

――今までなかった部分を耶雲監督が引き出してくれたと。

「殻を破らなきゃいけない作品だったんですけど、耶雲監督だから破れたというのはあったと思います。自分の中で、いつみは棘のある薔薇のようなイメージだったので、“今日も薔薇になるぞ”と思いながら演じてました」



――飯豊さんにとって今作はどんな作品になった?

「一生忘れることのない作品になったと思います。いつみの役は誰もがやってみたいと思うような役柄だと思うんですけど、自分は根拠もなく“出来るだろう”と少し甘く考えていました。今回すごく切羽詰まって、ダメだなと思うこともたくさんあって……でもそれを10代のうちに経験できたのは本当に大きかったと思います。あの現場をもう一回やれと言われたら“えっ!?”と思っちゃうくらい撮影のときは本当に辛かったけど、周りの人たちにすごく助けていただいて乗り切ることができました。今は経験できて幸せだったなと思いますし、きっと今後に繋がるだろうなって。人としてもちょっと強くなれた気がします」

――屋上に4人を呼び出したシーンでは、いつみのドス黒い一面が垣間見れる迫真の演技で惹きつけられました。

「あのシーンは一番いつみになれた気がしましたね。自分の世界の中で、エキストラに過ぎない4人が私に対して何か言ってるけどそれもすべて計算通りだぞっていう感じで……演じていてとても気持ちよかったですね。いつみのような子とは絶対に友だちになりたくないと思いながら(笑)」

――そんないつみは全校生徒の憧れの的のような存在でした。飯豊さん自身憧れている女性はいます?

「グレース・ケリーさんのような女性になりたいです。大女優でものすごく実力もあって賞ももらって、人気絶頂のときに女優業を捨てて男性と結婚して公妃として家を守って。守りたいものがある女性ってすごく強く見えるし、すべてを犠牲にしてまで行動できちゃうそういう生き様がカッコイイと思います」

――飯豊さんは、どんな高校生でした?

「登場人物の中だと小百合に近いかも。あまり発言もしないけど自分の意志はちゃんと持っていて、このタイミングで言ったほうがいいなってときにビシッと発言するみたいな。それほどはしゃぐこともなく、人間観察が好きで周りを客観視する冷静なタイプだったので、いつみとはまったく違う感じでしたね」

――今作はキスシーンも多かったですし、ラブシーンもありましたね。

「キスシーンは“こんな風にやってほしい”と耶雲監督に振り付けをつけてもらっていたのでダンスを踊っているような感じでした。“甘い逢瀬”という台詞にもあるように、ふたりの関係を表現しなきゃいけないと思ったのでそこはもう振り切ってやりました。ラブシーンは父には観てほしくないですね(笑)。体当たりで乗り切りましたけど、本当に恥ずかしくて自分で観るのもイヤです」

――この作品を通して、また一歩女優としての成長出来たのでは?

「具体的にこういう役をやりたいとかはないんですが、演じる役を通していろんな感情を知っていきたいし、これからもたくさんのことを吸収していきたいと思っています」



――飯豊さん自身が怖いと思ったシーンは?

「ラストで富美加ちゃんが笑うところがめちゃくちゃ怖かった……あのシーンはすごく好きですね。あと富美加ちゃんの笑っているのか泣いているのかどっちなのかよく分からない表情をするところがあるんですけど、そこも鳥肌が立ちましたね。今回、富美加ちゃんの存在がとても大きくて彼女が居たからこそいつみを演じることができたんだと思います」

――エイプリルフールに公開というのもすごいですね。

「何かが起きそうで怖いです(笑)。4月1日のエイプリルフールが公開日って、作品的にすごくピッタリだと思います。みんな自分とかけ離れた役だったので苦しかった部分もあったと思うけど、全員が一丸となって頑張った作品ですし、自分の中では本当に忘れられない作品になったので、たくさんの人たちに観ていただきたいです」



――最後に、飯豊さんが注目して観てほしいと思う今作の見どころは?

「“驚愕のラスト24分”とキャッチコピーにもあるように、冒頭の闇鍋のシーンとラストの闇鍋のシーンでは全然表情が違うので驚愕のラストシーンはもちろんですが、女の子たちのキラキラな部分と真っ黒な部分の両面を楽しんで観ていただきたいです!」

映画『暗黒女子』は、4月1日(土)より全国ロードショー!

(C)2017「暗黒女子」製作委員会 (C)秋吉理香子/双葉社

当記事はEntame Plexの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ