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これはドキュメントなのか!?『豆腐プロレス』に見る、AKB48“興亡の軌跡”を紐解く

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『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)第5話。錦糸町道場のトレーナーをやることを決めた坂巻流司(今野浩喜)は、まず「道場の壁にペンキを塗れ」と指示を出す。メンバーたちはその作業にどのような意図があるかよくわからぬまま、壁にペンキを塗り続ける。

坂巻は、まだ壁の一部の塗装が終わっていないことに気づくが、「まあいい。今日は終わりだ。共同作業をさせると人となりがわかる」と、練習もせずその日はメンバーたちを解散させる。

後日、練習で坂巻はメンバーたちをリングに上げ、2人ペアになってチョップの練習をさせる。しかし、前回「私、プロレスやめる。数合わせにしか思っていないんでしょ!」と宮脇咲良(役名同じ)に言った向井地美音(役名同じ)は練習に来ておらず、メンバーは5人に。喧嘩っ早く人当たりの悪い木﨑ゆりあ(役名同じ)はペアがおらず、あぶれてしまう。ほかのメンバーたちも、なよなよしたチョップを繰り返すばかり。

坂巻は「相手の技をちゃんと受けろ!」と叱咤し、あぶれていた木﨑に「お前なんで喧嘩ばかりしているんだ!」「寂しいからだろ!」と叫びながらチョップをかます。そのままそれぞれのメンバーたちに叫びながらチョップしていく坂巻。

ペンキ塗りでも読者モデルとの両立のために、途中で帰ってしまっていた加藤玲奈(役名同じ)には「お前はプロレスとモデルどっちがやりたいんだ!」、横山由依(役名同じ)には「お前他のメンバーより年増だからって年齢差を縮めようと必死すぎるんだよ!」と、作業が終わるとすぐにリングの上でサックスを吹いてばかりの古畑奈和(役名同じ)には「ここは吹奏楽部じゃねえんだ!」と伝えていく。坂巻は壁の塗装中のメンバーの様子を観察し、メンバー一人ひとりの人となり、そして彼女たちがプロレスをやっていく上での問題点を見つけていたのだ。

一方、WIP事務所では、エメラルドHARUKA(兒玉遥)が、ユンボ島田(島田晴香)のもとを訪れる。前回の試合で、ハリウッドJURINA(松井珠理奈)に対し、相手チームが執拗に怪我の完治していない右脚を狙っていたことにエメラルドHARUKAは気づいていた。それを指摘すると、ユンボ島田は「遊びじゃねえんだ。こっちは勝つためにやってるんだ」と返す。ユンボ島田は、第3話で矢崎英一郎(渡辺いっけい)からハリウッドJURINAの脚の怪我の情報を聞かされた際には「そんな卑怯なことはできない!」と強く言っていただけに、力強い言葉だ。

前回にも簡単に紹介したが、AKB48のドラマは『マジすか学園』(テレビ東京ほか)以来、キャラクター設定に、AKB48のグループ内でのキャラクターをそのまま投影することが多い。しかしそれだけでなく、グループ内の序列や立場といったシビアな部分もそのまま反映され、やはり人気メンバーには主役級の配役がなされる。今回のエメラルドHARUKAとユンボ島田のやりとりを、それぞれのAKB48グループでの立場と見比べながら、もう少し深読みしてみよう。

「工事現場同盟」は、そのままAKBグループにおける“バラエティ班”と言われるメンバーたちが演じている。バラエティ班とは、アイドルらしからぬ言動でバラエティを盛り上げる役割のメンバーたちのこと。ユンボ島田を演じる島田晴香(AKB48)は、持ち前の負けん気の強さと体格から親しまれ、AKB48の番組だけでなく、いわゆる外番組でも活躍してきた。クイウチ松村を演じる松村香織(SKE48)は研究生から上がれずにいたが、かつてキャバ嬢をやっていた過去をおおっぴらにする“タブーなしの姿勢“を貫き、キワモノとして選抜総選挙でも上位に這い上がってきた叩き上げの人である。また、セコンドにいる山田野絵(NGT48)も、酒焼けしたようなしゃがれた声で話題に。NGT48のバラエティ班として頭角を現しつつある。

対するハリウッドJURINAやエメラルドHARUKAといったメンバーは、そういった“バラエティ班”とは対照的に、“王道”として積極的に前面に立たされてきた。いわばAKBの顔となる存在。ハリウッドJURINAこと松井珠理奈は11歳でSKE48の一期生に加入すると、秋元康が大絶賛。「大声ダイヤモンド」(キングレコード)でいきなりAKB48のセンターに抜擢されて以来、選抜メンバーの常連になっていった。エメラルドHARUKAこと兒玉遥は、HKT48の一期生としてデビュー後、常にフロントメンバーとして活躍してきた。中井りか、加藤美南も、NGTのフロントメンバーとして期待されるメンバーたちである。

こういった背景から、先のユンボ島田の「遊びじゃねえんだ。こっちは勝つためにやってるんだ」というセリフには重みがある。どんなメンバーでも、「国民的アイドル」のAKB48に加入した以上、活躍したいはずだ。しかし、とにかくメンバーが多いAKB48グループのなかでは、ただかわいらしくいるだけで注目されるわけではない。

だからこそ、自分が目立つためには、アイドルらしからぬ“汚れ仕事”ですらこなす必要がある。アイドルもプロレスも“正しい”ことだけでは、這い上がれる場所ではないとでも言おうとしているのか。また、このシーンは、奇しくもどちらも「はるか」という名前のメンバーであるというところがまた面白い。

もう一つ、学校での宮脇咲良と向井地美音のやりとりのシーンを見てみよう。宮脇も向井地も、どちらもAKB48の次期センターとして将来を注目されるメンバーだ。言うなれば、センターの座を奪い合うライバルでもある。

宮脇咲良(HKT48)は、本来であればHKT48のセンターとして頭角を現すべき存在だ。だが実は、HKT48でのセンターは「12秒」(ユニバーサルミュージック)での兒玉遥とのダブルセンターのみ。にもかかわらずデビュー一年目から総選挙でランクインし、あっという間に上位へとのぼりつめた。もしかしたら、彼女がHKT48のセンターにならないのは、AKB48のセンターとして期待されているからかもしれない。

一方、向井地美音は、ドラマ『アンフェア』(フジテレビ系)で篠原涼子の娘役を演じたことがよく知られているように、子役としての経歴が長い。しかし、AKBグループとしての経歴だけでいえば、宮脇の後輩にあたる。そして、AKB48のメンバーとして、AKB48のセンターになりうる存在としてデビュー時から注目されてきてはいるものの、2016年の選抜総選挙ではまだ宮脇に追いつくことはできなかった(宮脇は6位、向井地は13位)。

また、当初は同期の大和田南那(AKB48)とのライバル関係のほうがフォーカスされてきた。しかし大和田の卒業が決まり、改めて「では、次のAKB48のセンターは誰か」と考えた場合、現実的なのが宮脇と向井地なのである。

HKT48からやってきてAKB48のセンターの座を狙う宮脇と、本丸AKB48のセンター候補でありながら、まだ少し宮脇には追いつけない向井地の持つもの持たざるものの関係。これもこのドラマの主役とその親友という立場にそのまま反映されているように思う。そんな2人が喧嘩して仲直りする、というのは、なにかの暗示に見えてしまうのは気のせいだろうか。

このように見ていくと、もはや同作品は、ただのプロレスドラマというより、AKB48内部のリアルを反映するドキュメンタリーのような要素さえある。このドラマからAKB48内の新たなメンバーたちの関係性が見えてくる。2クールあるぶん、さまざまな人間ドラマが展開されていくはずだ。まだまだ目が離せない。(文=MC内郷丸)

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