【V系】これがDEZERT流のフェス! ベテランから若手まで“豪華バンド”激突「This Is The “FACT”」レポ

ウレぴあ総研

2017/2/13 17:00

1月29日、東京・新木場Studio CoastにてDEZERT主催フェス「This Is The “FACT”」が開催された。

DEZERTはあえてこの日を「フェス」と銘打ったわけだが、ミュージシャンが主導するフェスといっても、たとえば昨年のVISUAL JAPAN SUMMIT、一昨年のLUNATIC FEST. などなど…規模や意図もさまざまだ。

大御所が旗を振るのではなく、若手バンドが中心となって、百戦錬磨の強豪たちに勝負を仕掛けるという構図は、とくにこのシーンでは珍しいのでは。

この日出演するバンドはA9、NOCTURNAL BLOODLUST、LM.C、アルルカン、MUCC。

DEZERT流の「フェス」はどんな1日になるのだろうか。

■A9

スクリーンに「A9」のロゴがあらわれ、SEが流れるとNao(Dr)、ヒロト(G)、虎(G)、沙我(B)、将(Vo)が颯爽と登場。「最初から飛ばしていこうか!」と気合充分の将。

『九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-』でスタートを切り、続いて『ヴェルヴェット』と初期からの人気ナンバーを繰り出していく。曲間で「みなさんの光を…」と将が呼びかけると、スマートフォンやペンライトの光がフロアを照らし、幻想的な光景を作り出す。

「初めから休ませないぞ!」と虎のギターをバックにハンドクラップを先導する将。『極彩極色極道歌』でさらにテンションは高まっていく。

「こんばんは、A9です。栄えあるトップバッターを仰せつかいました」と挨拶する将。DEZERTとは1月の名古屋での2MANライブや、将自身セッションイベントでDEZERTの楽曲をカバーする機会があったことで”急接近”していると語る。「DEZERTの好意にこたえたく、前座かもしれませんが思い切り力を貸してもらえませんか?」とニヤリ。

そして2月にリリースされるという新曲『MEMENTO』を披露。ハードな中に透明感のあるサビが印象的なナンバーだ。

Naoのカウントから始まる『birth in the death』ではヒロトと虎のギターが空間に広がっていき、沙我のベース音が響き、音の一つ一つがじっくりとフロアに浸透していく。

MCタイムでは「滑舌の悪いボーカル」(将)、「中打ち(まで残っているメンバーが自分しかいない)のヒロト」、「誰よりも遅く来て誰よりも早く帰る男」(虎)、福島弁で自己紹介する沙我……と、メンバーそれぞれが個性豊かな自己紹介に湧く観客。

そしてドラムセットから離れてステージ中央に立ち「空前絶後のォーーー!」と、年末に大ブレイクしたお笑い芸人・サンシャイン池崎のパロディで自己紹介するNao。あわや遅めの新年会のような雰囲気になりかけるも「MC長すぎてあと1曲しかできない」という展開になり、『闇ニ散ル桜』で幕を閉じた。

新旧混じった楽曲、緩急あるテンション、激しさの中にもどこか気品のあるバンドの個性を感じさせてくれた。

■セットリスト

1.九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-

2.ヴェルヴェット

3.極彩極色極道歌

4.MEMENTO

5.birth in the death

6.ANIMUS

7.闇ニ散ル桜


■NOCTURNAL BLOODLUST

幕が開くとメンバーがすでに勢揃い。尋(Vo)が開口一番に「やれるか?」と始まったのは『V.I.P』。

アグレッシヴに動き回るMasa(B)、各々がお立ち台に立ち弾き倒すCazqui(G)、Daichi(G)に観客も拳を掲げて応戦する。そして1曲目からフロア後方ではサークルモッシュも発生しフロアの音頭もヒートアップしていく。

「遠慮すんな! ライブハウスに来たんだろ! 暴れまくってバカになれ!」と『銃創』へなだれ込み、「上手も下手も2階も揺らしていこうな!」と『DEAD END』へ。

MCでは「どうも、NOCTURNAL BLOODLUSTです。カロリーの消費量が激しいと言われるバンド、略してノクブラです」と尋。

DEZERTとはバンドの経歴が彼らと同じくらいだという。「キャリアの浅い僕らにとって、こうやってイベント主催に立って先輩も呼ぶことは、誇らしいことだと思います」と語る尋。

そして「せっかく来たんだったらちゃんとシェイプアップして帰れ!」と凶悪なラウドナンバー『EXCEED』が始まり、フロアはカオス状態。序盤以上の数のサークルが発生し、尋も「行け、走れ!」と煽り、さながら大運動会の様相だ。

壮大な『the strength I need』で、勢い一辺倒のバンドでないことを見せつける。こういった曲だとリズム隊の強靭さがさらに際立つように思え、Cazquiによる哀愁のギターソロをフロアに響かせる。

「俺について来い! Let’s Sing Along!」と尋と観客の掛け合いを交えながら始まった『I-V-III』、ラストスパートといわんばかりに『Trigger』、そして「暴れ足りねえ! もっと噛み付いてこい! ラストいけんのか! かかってこい!」と『Malice against』て締めくくり、観客を圧倒した。

最後まで貪欲な姿勢を崩さないNOCTURNAL BLOODLUSTであった。

■セットリスト

1.V.I.P

2.銃創

3.DEAD END

4.EXCEED

5.I-V-III

6.Trigger

7.Malice against

■LM.C

バンドセットに加えて中央にトランポリンが鎮座している。次はLM.Cだ。

SE『Be STRONG, Be POP.』の流れる中「This Is The “FACT”」のタオルを掲げmaya(Vo)、続いてAiji(G)が登場。

「ここからLM.C、45分間やらせていただきます!」と宣言するmaya。オリエンタルな雰囲気のあるイントロが流れ、野性的なリズムが響く『The BUDDHA』からスタート。

「『チャライのでてきた』って思ってません? LM.Cです」と、maya。会場のスタジオコーストがクラブとして使用されるとに触れて「おしゃれな会場だから、お高く止まってるんじゃないの? おれたち所詮ヴィジュアル系だろ! こんだけヴィジュアル系がいたら高田馬場AREAだろ? やれるかヴィジュアル系!」

ある種諧謔的ともいえる煽り方で『OH MY JULIET.』へ繋げていく。

そして「なんにも考えなくていいから、こっから『フッフー』と言うだけの3分間です!」

とmayaのいうとおりに(?)、『@FUNNY PHANTOM@』では「フッフー」の声とともにフロアが揺れる。華のあるAijiのギターソロがフロアのテンションを更に高めてくれる。

ありがちなイベントのトークと前置きし「LM.C観るのも初めての人もいますよね、どんなイメージですか?『チャラい』? なぜチャラく見られるのか…、まあ今日もクルーザーで来たからね!」というジョークでフロアを沸かせるmaya。

「『チャラい』と噂のLM.Cと踊りましょうか! 俺たちのGALAXYを爆発させてみませんか?」と『SUPER DUPER GALAXY』でダンサブルかつポップな空間を演出していく。

「いつものメンツもいるし、心強いですよ。昨今、バンドやる側もいろんなことがある、バンドがいて、皆さんがいるだけで心強いですよ。そんなことを歌った曲です」と、maya。

ミラーボールがキラキラと光を反射する中、切実なバラード『meteorion』を歌い上げる。

「バンドをやる方にも、応援する方にもストーリーがある、だけど何一つ間違ってないと思います!」と始まった『PUNKY HEART』ではLM.Cの巨大フラッグが舞い、最後はダンスチューン『Chameleon Dance』で”ブチアゲ”る。

ハッピーでピースフルな時間を作り上げ、去り際までピースサインを忘れないLM.Cのふたりであった。

■セットリスト

1.The BUDDHA

2.OH MY JULIET.

3.@FUNNY PHANTOM@

4.MOGURA

5.SUPER DUPER GALAXY

6.meteorion

7.PUNKY HEART

8.Chameleon Dance

■アルルカン

転換中に『像』の一部を演奏すると、幕が閉じた状態でもフロアではヘドバンをする者が続出。

「今日は座らないから(途中で観客の座るアクションのある『像』をやらないから)、『蘭鋳』か『秘密』でおねがいしまーす!」と幕の向こうから暁(Vo)の声。経歴でいうと本フェス”最若手”になるアルルカンはどんな戦い方をみせてくれるのだろうか。

「4番手、アルルカンです。よろしくお願いします」という暁の挨拶から始まったのは『白い鬱』、タイトルに反して漆黒の衣装もあいまって凛とした空気を纏っている。堕門(Dr)のドラムでこの曲を締めくくった後、そこから一転して、「全部やる! 全部よこせ!」と始まった『暁』から『墓穴』、『人形-ヒトガタ-』と立て続けにアッパーなナンバーを披露。

フロアを鼓舞するように大きく拳を掲げシャウトする祥平(B)。お立ち台に上がり優雅かつ情熱的に観客を魅了する來堵(G)。

「今日は”友達”から『楽しいことをやろう』と言われ、ここに来ました。みなさんも”その気”にさせられた人たちなんでしょう、今日はそれでいいと思います。自分のやり方で楽しんでください、そんなみなさんに全力でちょっかいをかけていきます」と暁。

さきほどのLM.CのMCを受けた「今日この場所を一瞬だけでいいので高田馬場AREAにしたいのです」と宣言する。

そして中盤戦に突入。『カルマ』にて鮮烈なギターソロを奏でる奈緒(G)、『ハッピーセット』、『「私」と”理解”』ではメンバー一丸となってガンガンステージ前方に出ていき、観客をヒートアップさせていく。

最後は「改めまして、僕たちーーー」と、自らのファンの総称を冠したナンバー『ダメ人間』を叩きつけ、「どれだけ無責任でも、不完全でも、今言うしか無い! 『ここに居るんだ』って言えないと生きてる意味ないよな!」という暁の言葉があらわすように、バンドは凄まじい気迫をもってその存在感を見せつけた。

■セットリスト

1.白い鬱

2.暁

3.墓穴

4.人形-ヒトガタ-

5.カルマ

6.クオリア

7.ハッピーセット

8.「私」と”理解”

9.ダメ人間

■MUCC

ステージ後方のライトが点滅するなか、ミヤ(G)、SATOち(Dr)、YUKKE(B)、逹瑯(Vo)が登場。

MUCC本日のセットリストは主催のDEZERT・SORA考案と事前にミヤのTwitterでつぶやかれていたわけだが、こういった試みもフェスならではのことだろう。

『アカ』では、逹瑯にスポットライトの真っ赤な明かりがあたり、そして徐々にステージ全体を赤く染めていく。

続いては、ギターのラウドなフレーズと手拍子が響き渡る。とっておきのキラーチューン『蘭鋳』をここで出してくるとは。さながら宣戦布告かのように逹瑯が叫ぶ。

「DEZERTを、ブッ潰しに来ました! MUCCです!」

序盤からフロアは狂乱の渦と化し、

「DEZERTが出てくれというので遊びに来ました。でも細かい嫌からせをしてきまして…、(DEZERTサイドがデザインしたフェスTシャツを掲げて)MUCCのロゴがちゃんと出てねえんだよぉ! …こんな嫌がらせをしてきて、仕返しとして派手に会場をいじくり回しております」

という逹瑯の言葉のとおり、徐々に観客の頭上、フロア天井に吊るされていた照明が下がってくる。

「今日はDEZERTのファンvsそれ以外でいけるよな! 気合入ってるだろうな、全員死刑!」と続け、カウントダウンでジャンプ。この全力の”大人気なさ”が観客のテンションをどんどんヒートアップさせていく。

「今日初めて演奏する新曲です、適当に遊んでいってください!」と、先日発売されたばかりのニューアルバム『脈拍』から『絶体絶命』を披露。そして間髪入れずに『絶望』へとなだれ込んでいく。

MCでは「DEZERTはとてもいいバンドだと思います、いいバンドは早めに打っとかないと(笑)。何回か打ってるんですけどそのたびに飛び出てくるから、トドメを刺しにきました!MUCCです」と逹瑯。

「本当にいいイベントだと思います。これだけのメンツを目の前に並べてやるDEZERT、相当気合入ってると思うから楽しみにしてもらえればと。こういうイベントがどんどん増えると良いよね」と、”後輩”に対する厳しくも優しいまなざしが伺える発言で結び、『ハイデ』へ繋げた。

そして”会場をいじくり回して”という逹瑯の言葉通り『大嫌い』では熱気の充満するフロアにCO2が噴出されるなど、出演バンドのなかで唯一大掛かりな演出効果を使い倒すMUCC。やっぱり最高に大人気ない。

そして最後はMUCCの最新系と呼べる『脈拍』で締めくくられた。

MUCCというバンドが越えてきた”場数”を証明するような、自信と強靭さを感じさせるステージであった。

■セットリスト

1.アカ

2.蘭鋳

3.絶体絶命

4.絶望

5.ハイデ

6.茫然自失

7.大嫌い

8.脈拍

■DEZERT

トリをつとめるのはこの「フェス」の首謀者であるDEZERTだ。

フロアの天井に吊るされたライトが点滅しはじめ、不穏だがどこか物悲しいインストゥルメンタルが奏でられる。

幕が開くと、ギターを抱えた千秋(Vo)、激しく身体を揺らすMiyako(G)とSaZ(B)、演奏中に時折顔を手で覆って点を仰ぐSORA(Dr)。

「全員愛しにきましたーーーー!」という千秋の言葉とは正反対の『殺意』からスタート。

いきなり攻撃的なサウンドをフロアに叩きつけ、「逹瑯お前へのーー殺意だ!」と、先程のMCに応えるかのような千秋の発言(なお演奏終了後「嘘です逹瑯さんありがとうございます」とフォロー)。

『「君の子宮を触る」』、『肋骨少女』とメロディアスな楽曲が続き、「『This Is The “FACT”』! ぶっ殺していきましょう!」という千秋の言葉から、『「不透明人間」』で観客を熱狂させていく。堂々とした”フェスのトリ”っぷりだ。

「対バンなら他の共演者はどうでもいいんですけど、今日ばっかりはそうは言えない」という千秋。「今日出てくれたバンドたちの話をあえてすると、冗談抜きで…好きです」という言葉にフロアからは拍手が起きる。

「皆それぞれ、意志を持ってやっていることが伝わってくると思うので、今年はこの6バンドだけ幸せになればいいと思います。この5バンドは裏切れない」と続けるとさらに大きな拍手が沸き起こった。

「君たちは…俺たちの気持ちを受け取るしかできない、お金を払って。そのまま人生を全うしてください」とある意味身も蓋もない”FACT”な発言の後に、「新曲」を披露。「君の夢や君の音は聞こえないけど”確かに手を伸ばした”」というフレーズが印象に残る、ストレートなロックチューンだ。

「僕がここに立っている理由は多分ひとつ。多分楽しいから。お前らもそうじゃなかろうか」と千秋。「多分楽しいよ、ライブハウスでやるのは楽しいよ!」と”多分”と留保をしつつ何度も”楽しい”を繰り返す千秋。

そして『「変態」』、『大塚ヘッドロック』と立て続けに繰り出す。盛り上がる観客の表情も”楽しい”が溢れている。

「俺は終わるのやだけど、もうちょっとやります」と、ラストスパートをかけるように『「秘密」』へ。

「ついてこなくていいから、受け止めろ! 死ね! ここが『This Is The “FACT”』だ!」

と叩きつけた『「切断」』で、長いようで短い、DEZERTの”フェス”は幕を閉じた。

■セットリスト

1.「殺意」

2.「君の子宮を触る」

3.肋骨少女

4.「不透明人間」

5. 新曲

6.「変態」

7.大塚ヘッドロック

8.包丁の正しい使い方~終息編~

9.「死刑宣告」

10.「秘密」

11.「切断」

この”フェス”が何を意味していたのか、今後どんな展開になっていくのかはまだわからない。

ただ、私見でしかないのだが、シーンへの波紋を呼ぶ”一石”ではなく、今後のシーンの“礎”となるような未来を予感させる”フェス”になったように思う。

次回開催は未定だが、再び開催されることを願ってやまない。

だって”多分”じゃなくって”本当に楽しかった”じゃないですか。

当記事はウレぴあ総研の提供記事です。

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