西野カナ「レコ大」受賞の裏側で何が? 審査委員や主催団体幹部が健全化に動くもバーニング系に潰されていた

リテラ

2017/1/12 11:46


 昨年12月30日に発表された第58回日本レコード大賞。今回の大賞は西野カナが「あなたの好きなところ」で受賞したのだが、これにはネットで批判が殺到した。

それはそうだろう。西野カナは芸能界のドン・周防郁雄社長率いるバーニングプロダクションが押していたアーティスト。「週刊文春」(文藝春秋)による三代目J Soul Brothersのレコ大1億円買収報道で、バーニングのレコ大支配が明るみになり、その後の動向が注目されている渦中にも関わらず、"バーニング押し"の楽曲をそのまま受賞させてしまう、というのは、信じがたい。

レコード大賞の審査員は評論家数名に加え、新聞記者やテレビ局員(第57回時点では、毎日新聞、日刊スポーツ、読売新聞、時事通信、産経新聞、東京中日スポーツ、報知新聞、東京スポーツ、MBS毎日放送、RKB毎日放送)によって占められている。本来なら、社会の不正を糾す報道機関に所属しながら、自浄能力をまったく発揮せず、こんな買収工作のお先棒を担ぐような真似をして、恥ずかしくないのだろうか。

しかし、実は、西野カナのレコ大受賞の裏では、一部の審査員たちが健全化を訴えて動くも、つぶされていたことが明らかになった。

本日発売された「週刊文春」17年1月19日号によれば、今回審査員長を務めた日刊スポーツの笹森文彦氏が、審査会議の冒頭で「今回は無記名投票にしたい」と提案。特定の芸能プロとの癒着や圧力に関する疑惑を払拭しようとしていたらしい。しかし、他の委員が複数名反対し、結局いつも通りの出来レースに。結果として、審査委員15名のうち10名が西野カナに手を挙げ、圧勝することになったという。レコ大の内情に詳しいスポーツ紙記者もこの「文春」記事について、こんな証言をする。

「あれは事実です。無記名に反対したのも、西野カナを押したのも、ほとんどは、バーニングに近い委員たちだったようです。委員たちはこれまで、接待漬けにされていますからね。裏切ったらどんな目に遭わされるかわからないという恐怖感がありますから、いまさらバーニングに逆らうような行動はとれませんよ」

健全化の動きが潰されたケースはこれだけではない。実は、レコ大の主催者である日本作曲家協会の叶弦大会長も、「潰された」ひとりだという。

そもそも、「週刊文春」がレコード大賞の買収問題も報じた後、一番最初に口火を切ったのが「レコ大のドン」こと、レコ大の主催者である日本作曲家協会の叶会長だった。彼は騒動が起きた翌週、「週刊文春」16年11月10日号の取材に応え、「このような証拠が出た以上、放置しておくわけにはいかない」とのコメントを出している。

「叶会長自身もエイベックスとは癒着していたし、レコ大の主催者である以上バーニング支配の状況にも協力していた。ただ、叶会長はそれでも一連のバッシングを受けて、賞に対するバーニングの影響力を減らそうと動いていたのです。ところが、そこに横やりが入りました。例の『女性セブン』記事ですよ。『レコ大のドンがレコード会社幹部に「大賞はAKBで...」』と見出しが付けられたあの記事です」(前出芸能記者)

「女性セブン」(小学館)といえば、バーニングの御用雑誌として有名だが、12月22日発売(1月5日・12日号)の記事が、レコ大を私物化していたのはバーニングではなく「レコ大のドン」である叶会長だったと書きたてたのだ。そのうえで、12月中旬には叶会長がAKB48が所属するレコード会社幹部に対し「大賞はAKBで行こうかという動きがある」と煽っているとも記されていた。

この記事は、読者に「真の犯人は『芸能界のドン』ではなく、『レコ大のドン』叶会長だったんだ」と思い込ませる以外に、もうひとつの効果があった。

「こんな記事が出れば、審査員は当然萎縮します。不穏な動きをすればバーニングの御用メディアを使って犯人に仕立てあげられることがわかったわけですから。これで大勢は決まり、例年通りのバーニング支配に抗う者は激減してしまいました」(前出芸能記者)

昨年のレコード大賞授賞式は平均視聴率14.5%を記録。放送日を30日に移動させて以降最低の視聴率(13%)を記録した一昨年に比べると一気に数字は回復したわけだが、視聴者はレコ大そのものに興味があったわけではなく、当然スキャンダルの成り行きを見るためにテレビをつけていたに過ぎない。

結局、バーニング支配の構図が変わらないとわかった以上、いよいよ視聴者はレコード大賞を見放しただろう。今年はレコード大賞の存在意義そのものがいよいよ疑問視されることになる。
(時田章広)

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