月9史上ワースト更新『カインとアベル』で見せた“3つの山田涼介”の未来像

日刊サイゾー

2016/12/20 21:00


 Hey!Say!JUMP・山田涼介主演のフジテレビ月9『カインとアベル』も最終回。視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と過去最高を記録したものの、全話通算では8.2%。4月期『ラヴソング』を下回り、月9史上最低となりました。

ここまで低迷した原因は、山田涼介の一般層への知名度・人気のなさと『カインとアベル』という企画の「ピンとこなさ」でしょうね。開始直前に匿名で報じられた山田の“17歳少女妊娠騒動”も、ファン離れに拍車をかけたものと思われます。数字は初回から最終回まで、ほぼ一定といえる推移でしたので、完走率は高そうです。

それにしてもですよ。『ラヴソング』のときは大手マスコミ各社こぞって「最低」「最低だ」「最低だよ」と報じていましたが、今回はぜんぜんそういう書き方しないんですね。なんででしょうね。なんかフェアじゃないので、声を大にして言っておきましょう。

ジャニーズ事務所所属の山田涼介主演『カインとアベル』は、月9史上最低視聴率を更新しましたよー!

で、最終回。

第1話では無能なペーペー平社員だった優くん(山田)でしたが、ミラクル出世で取締役にまで登りつめると、祖父の宗一郎会長(寺尾聰)、父・貴行社長(高嶋政伸)、兄・隆一副社長(桐谷健太)が「リスクが高すぎる」と判断して手をつけなかった「新宿第二地区」の開発プロジェクトを独断で進行。土地の接収をスムーズに行うために、代議士・大田原に賄賂を送った容疑で逮捕されちゃいました。

拘置所ではメシも食わず、兄貴が面会に来ても会わず、ただただ美しい顔面で壁の一点など見つめています。ぐったりしていて、妙にセクシーです。

結局、嫌疑不十分で不起訴となったASKA、じゃなくて優くんでしたが、表情は冴えないまま。拘置所に迎えに来てくれた兄嫁・梓(倉科カナ)のことも無視して、お気に入りのピザ屋へ。物憂げな表情でピザを貪ります。とりあえず食欲は戻ったみたいです。

腹を満たした優くんが家に帰ると、父・貴行が待っていました。貴行は「勝手なことを!」と優くんを怒鳴りつけると、ビンタ&ハグの高速コンボで優くんを泣かせます。優くんはそのまま部屋に戻り、深い眠りに。

2日後、目を覚ました優くんは、妙なことを言い出しました。

「取り調べで、俺と大田原にしかわからないことを聞かれました」「そば屋や詳しい日時まで」「大田原が情報を漏らしたみたいに」

優くんは贈賄で逮捕されているわけですから、当然収賄側の大田原も取り調べを受けているはずですが、どうやらこの口ぶりだと大田原に捜査の手は及んでいないようです。それをもって「大田原にハメられた」と言い出すわけです。

結果、その推察は当たっていました。大田原は高田(優くんたちの会社)に不祥事を起こさせて株価を下落させ、買収することを狙っているのでした。

その不祥事が自分に対する贈賄だったわけですが、賄賂をもらっておきながら取り調べも受けず、贈賄側だけを逮捕させるって、大田原はどういう手を使ったんでしょう。後学のために調べてみようと思いましたが、よくよく考えたら筆者の人生で賄賂をもらうような立場になることはまったくなさそうなので、やめておきます。

ともあれ、大田原の目論見通り、高田の株価は連日ストップ安。日に日に買収の危機は迫ってきますが、高田家は名案を思い付きました。自社株を買い占めてMBOし、上場廃止にすることで大田原からの敵対的買収に抵抗することにしたのです。資金は、貴行の姉・桃子(南果穂)を高田の役員に迎え入れることを条件に、その婚約者であるクソ怪しい投資家・クロサワ(竹中直人)に借りました。社長自ら、土下座です。

こうしてMBOの準備があっという間に整うと、優くんは再び大田原と初めて会ったそば屋に赴き、ゆず切りそばを食べている大田原に「MBOするから」と宣告。さらに「お礼はね、秘書のほうに」と賄賂を要求した大田原の電話の声の録音を聞かせて「私はあなたを陥れることもできるんですよ」と脅迫。優くんの顔がかわいいので誤魔化されてますが、ほとんどアウトレイジな展開です。ドス黒い。

一時は大田原と組んで高田を乗っ取ろうとしているんじゃないかという疑惑もあったクロサワですが、桃子が「100%信じる」と言ったり、梓がネットで調べたら「1億2千250万ドルを慈善施設に寄付した」という事実が発覚したりで、みなさん信じることにしたようです。大半の株はクロサワが取得していますし、形として高田はクロサワに乗っ取られた状態で、客観的に見るとかなり不安ですが、桃子とクロサワは結婚したし「家族だから」ということで、グイグイ押し出してきます。つい先日まで「家族だから」「兄弟だから」という理由で大モメにモメていたドラマで「家族だからモメません」という結論を押し付けてくるのはどうかと思いますし、「多額の寄付してるから善人」という判断基準にもモヤモヤしたものがありますが、まあ企業としての高田の行く末は筆者の心配することではありませんわな。

そんなわけで、高田は非上場の一族企業に。一度は優くんに会社を追い出された兄・隆一は営業本部長として復帰(本部長だった木下ほうかの行方は不明)。優くんは過去に仲良くなったアメリカのホテル企業・ドレイモンドで修行することになりました。あと、第1話から終始、画面の端っこで藤浪晋太郎フェイスを見切れさせていた同期OL・ひかり(山崎紘菜)と付き合うことになって、チューしてました。というハッピーエンド。大団円。

■3つの山田涼介を楽しむドラマ

振り返ってみると『カインとアベル』は、大きく分けて3つの山田涼介を楽しむドラマだったんだと思います。

まず、1~7話の「キラキラ涼介」です。誰からも愛され、生き生きと仕事をしながら、何事にも一生懸命。平社員からプロジェクトリーダー、そして取締役にまで駆け上がっていくパートでは、存分にアイドルアイドルしたアイドル顔を振りまいていました。周りの大人たちも、全員優くんの味方です。

これ、見ていて正直すごくイライラしたんですが、4話あたりから桐谷健太が画面の中で筆者以上にイライラし出したので、気が収まりました。

取締役になった8・9話では、一転「悪涼介」が出てきました。権力に巻き取られ、出世欲にまみれて醜い言動を繰り返すパートです。たった2話で破滅まで一気に駆け抜けるわけですが、ここでがぜん、山田涼介の芝居に説得力が生まれたように思います。ながーい長い前フリだったんですね。

後半でこうしたダイナミックなキャラ転換を見せるためのキラキラパートだったとすれば、アイドルでもある山田涼介に、あえてアイドルらしい役柄を演じさせていたということになるわけで、つまりは制作陣から一人前の立派な俳優さんとして扱われていたんだということがわかりました。そして、アイドルらしい役柄を演じられる俳優さんはとても限られているので、山田涼介という人は貴重な存在なのだと思います。このへんは序盤で文句ばっか書いてホントに申し訳ないと思う。見くびってた。

最終話で破滅し、憔悴しきった姿にはもう、アイドルの面影はありませんでした。ただ、か弱く、美しい青年の姿でした。そこから回復して元気になり「一山乗り越えた優くん」という最終話後半だけはキャラ的な着地点を見失っていた感がありましたが、演技プラン的には、山田涼介にとって成功といっていいドラマだったと思います。仕事増えると思う。

まあ、数字的には月9史上ワーストですし明らかに失敗なんですが、それはまた別の話でね。(文=どらまっ子AKIちゃん)

当記事は日刊サイゾーの提供記事です。

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