山田涼介「カインとアベル」第9話で7.9%に大失速した4つの理由


 山田涼介主演ということで華々しく始まった「カインとアベル」も、いよいよ大詰め。12月12日放送の第9話は、封印されていた巨大プロジェクトに着手した高田優(山田涼介)が功をあせるあまりに政治家への贈賄に手を染めてしまい、東京地検の強制捜査を受けるという波乱の展開に。残念ながら平均視聴率は前回より0.5ポイント低い7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に留まりました。

一時は9.0%にまで持ち直した視聴率がここにきて再び下落してしまった理由について、次のような仮説を立ててみました。

(1)おバカドラマにもシリアス路線にもなりきれず、どっちつかずになってしまった。

(2)話の中心を貫く筋がここまできても定まらない。

(3)登場人物の行動や気持ちの変化に付いていけない。

(4)ダークな山田涼介を見るのがつらい。

(1)については、優が頭角を現してからドラマ全体のトンデモ加減がトーンダウン。「100億円ポーンと出資するような奴はいねーだろ」と言っていた頃が懐かしいですね。まあ先週の、防犯カメラに気付かずに社内に盗聴器を仕掛けて即バレちゃったっていう高田隆一(桐谷健太)も相当なおバカ表現でしたが、あんなに追い詰められた人を見て笑おうっていう気にもなれないし……。もうちょっと突き抜けて欲しかったですね。

(2)については、兄と弟の物語ということでは一本筋が通っていますが、果たして旧約聖書の「カインとアベル」が原案と言えるのかは、はなはだ疑問。むしろ、「カインとアベル」を踏襲することにとらわれて、脚本がつまらなくなったんじゃないでしょうか。

カインとアベルが仲違いした原因となった「神の愛」は、隆一と優にとっては父・貴行(高嶋政伸)からの「父の愛」であることはほぼ確定だと思われます。その割りに、父の愛を巡って兄と弟が対立したという描き方でもないんですよね。兄の婚約者や仕事の魔力などいろいろな要素を盛り込んだせいで、話のテーマがブレている感じがします。

(3)については先週も書きましたが、雑な脚本で本当に役者さんがかわいそう。なぜその流れでそういう行動になります?っていう場面が目立ちます。第9話では特に、矢作 梓(倉科カナ)が何を考えているのかサッパリわからず。

仕事も立場も失い、結婚式はすっぽかし、一人で別荘に引きこもっている隆一に向かって「隆一さんがいればそれで幸せなの」としおらしいことを言いますが、視聴者としては「あんたそんなに隆一のことを慕っていたっけ?」と狐につままれた気分。優に思わせぶりな態度を取ったり、隆一とあまりうまくいっていない様子だったりしたのは何だったんでしょうか。あらためて隆一に「結婚してください」とプロポーズされ、晴れ晴れとしたうれしそうな表情で「はい」と答える梓。いやいやいや、あんたのせいで優も隆一も振り回されたのに、何を自分だけスッキリしとんのじゃいと言いたくなります。

(4)については、どんどん冷徹な仕事人間になっていく山田涼介を見るのがつらいという面ももちろんあると思いますが、このままでは優に明るい未来が見えないという要素も視聴率低下につながったのではないでしょうか。

さて、いよいよ次週で最終回。跡継ぎが2人とも失脚した高田総合地所はいったいどうなるのか。隆一と優は会社に返り咲くのか。投資家・黒沢幸助(竹中直人)のねらいは。そして、柴田ひかり(山崎紘菜)の思いは優に通じるのか。あまり上手とは言えないこのドラマの脚本がどう決着を付けるのか、楽しみに待ちます。

文・中島千代

当記事はデイリーニュースオンラインの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ