東京国際映画祭でレア作品も一挙上映!細田守監督作品に見る、神表現4つ

ウレぴあ総研

2016/10/26 20:00

今年で29回目を迎える東京国際映画祭。

その目玉とも言えるのが、アニメーション特集「映画監督 細田守の世界」です。

細田監督と言えば、今最も新作が期待される映画監督のひとりとして、アニメファン以外にもよく知られていますが、こういった映画祭で特集が組まれるのは実は初めて。

これまでの作品を網羅する一挙上映を前に、改めて細田作品の“神表現”について見ていきましょう。

■ネットの中はワンダーランド!? 想像が広がる空間表現が神!

細田守監督の作品には、たびたび現実にはない不思議空間が出現します。

たとえば『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』や『サマーウォーズ』ではインターネットの中の世界が描かれました。

人々の分身でもあるアバター(もしくはデジモン)が行き交い、ゲームやバトルを繰り広げるシーンには本当にワクワクしましたよね!

また『時をかける少女』で主人公・真琴がタイムリープする際には、普段私たちが感知することのできない時空のはざまが、何桁ものデジタル数字の羅列によって表現されていました。

ネットの中や過ぎゆく時間など、一見映像化の難しいものを誰にでも分かる表現に置き換えて見せてくれるところは、細田監督ならでは。観客の想像力を刺激する“神表現”のひとつと言えるでしょう。

■活き活きとした表情に注目! キャラクターの表現が神!

アニメでありながらも、人間味あふれるキャラクターは細田作品の魅力のひとつ。

『おおかみこどもの雨と雪』では子育てに苦悩する母・花や成長していく子どもたちの心の機微を、『バケモノの子』では個性豊かなバケモノ世界の住人たちを、『サマーウォーズ』にいたっては、登場する親戚のおじさんやおばさんを見て身内の誰かを思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。

モブキャラ(脇役)までも活き活きと描いてしまう細田監督ですが、そのスゴさは顔の表情にも表れています。

特に泣くシーンは秀逸。

感情が爆発し、涙が溢れるまで顔の筋肉の動かし方までキチンと作画されているんですよね。

また、『おおかみこども~』以降は、プロのスタイリストを起用し、衣装の面からもキャラクター造形にこだわっています。これはアニメ作品としては異例中の異例! ここもぜひ注目してほしいポイントです。

■音楽は映像ほどにモノを言う!? 音楽の使い方が神!

映画に音楽はつきものですが、細田作品においては音楽の果たす役割も非常に重要です。

細田監督の映画デビュー作でもある『劇場版デジモンアドベンチャー』では全編をとおしてラヴェルの『ボレロ』が流れ、深夜の団地を舞台にデジモン同志が戦うという非現実感を煽っています。

それはもう、子供向けとは思えないシュールさ!

そして『時をかける少女』ではバッハの『ゴルトベルク変奏曲』から「アリア」が使われていました。ピアノの旋律が放課後の空気感と相まってなんだかとっても切なくなるんですよね~。

このように、細田作品では、実は音楽が隠れた主役と言っても過言ではないほど。

主張しすぎず、それでいて物語を盛り上げる、選曲の妙もお楽しみ下さい。

また、『おおかみこども~』以降は音楽家の髙木正勝が劇伴を手がけており、より作品に寄り添った音作りになりました。監督と世界観を共有して作曲された音楽は、唯一無二の存在感を放っています。

■母子、友情、師弟愛まで! 濃密なドラマ作りが神!

細田作品が幅広い世代に愛される最大の理由は、観客の心を動かすドラマにあります。

『時をかける少女』では青春まっただ中の少年少女の淡い恋を、『バケモノの子』では種族を超えた師弟関係を、そして『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』では、決して切れることのない家族の絆が、多くの観客を魅了しました。

ジャンルや描き方は変わっても、細田作品の根底にあるのは人と人との関係性であり対話です。大きな脅威に対して悩み苦しみ、諦めずに立ち向かう主人公、そしてそれを支える周囲の人々。

両者が心の通じ合わせる瞬間、想いが届く瞬間がとても大切に描かれています。

特に『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』や『サマーウォーズ』で、ネット空間で戦う主人公たちに世界中から続々とメールが届くところや、猪王全との決闘中の熊鉄を叱咤する九太など、誰かが誰かを応援する場面は細田作品の中でももっともカタルシスが高まるシーン。

涙腺崩壊に注意!

今回の東京国際映画祭では、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』の代表作に加え、初期作品をまとめた『作家性の萌芽 1999-2003 (細田守監督短編集)』や昨年NHKで放映された『プロフェッショナル 仕事の流儀 アニメーション映画監督 細田 守の仕事“希望を灯す、魂の映画”』なども上映されます。

中でも初期短編集に収録されているおジャ魔女どれみドッカ~ン!(40話)「どれみと魔女をやめた魔女」)』が大スクリーンで観られる点はさすが映画祭ならでは。本作で描かれた女児向けアニメとは思えない哲学的なテーマは、のちの『時かけ』に繋がったとも言われているんですよ~。

これまで細田作品を観たことのある人もない人も、ぜひ訪れて欲しい好企画。神表現の数々をとくとご覧あれ!



(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

(C)「時をかける少女」製作委員会2006

当記事はウレぴあ総研の提供記事です。

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