見直されるマジックマッシュルーム、医療現場での活用も / バッドトリップせず超越体験できる適量を研究者が解明


日本では2002年に非合法となったマジックマッシュルーム。最近の研究で、その幻覚成分である「シロシビン」が見直されているという。
シロシビンの適量摂取は多幸感や充足感をもたらすことで知られる。宇宙や他者との一体感、時空の超越、しがらみからの脱却、神聖感などを伴うトリップ状態は、しばしば「超越体験」と表現される。古代メキシコなどでは、シャーマンが神託を得るためマジックマッシュルームを食べていたそうだ。
しかしシロシビンは多量に摂取すると恐怖やパニック、嘔吐や腹痛、不快な幻覚など、いわゆる「バッド・トリップ」を引き起こす。今回ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らが、バッド・トリップなしで穏やかな超越体験を達成する適量を突き止めたという。
行動生物学教授のグリフィス氏らが行った実験では、健康な成人に5回にわたりシロシビンを投与したもの。病院内に設置されたリビングルームふうの部屋にリラックスできる環境を作り、被験者にヘッドホンと目隠しをして「自己の内面に集中」させた。
14カ月後、被験者らの94%がこの実験は人生でトップ3に入る有意義な体験だったと答えた。
「配偶者との結びつきをより深く感じ、人も自分もより許容できるようになった」「近親者とも初対面の相手とも良い関係を築けるようになり、飲酒の量が劇的に減った」など、多くの被験者が自己や他者への理解が深まり、寛容さや忍耐力が高まったと述べている。
また家族や友人、同僚から見ても、被験者らは以前よりも穏やかで優しく幸せそうで、シロシビン摂取の効果は明らかだった。
グリフィス氏らはシロシビンの適量投与が鬱、PTSD、不安障害などの症状改善や、ニコチン、アルコールなどの中毒の治療に有効と見ており、最終的にはこの幻覚成分がもたらす生と死の超越感を利用して末期ガン患者の死への恐怖の軽減などに役立てることを目指している。
同氏いわく、「60年代に行われた臨床実験では、投与量の過多によりバッド・トリップを引き起こしていた。結果、中毒症の治療どころか脱落を招くなどのマイナス面ばかりが強調され、発展途上の研究を中断させてしまった」とのことだ。
米国の薬学研究第一人者であるジェロム・ジャフ博士も、「末期ガン患者の精神の救済などに継続的で有効な療法の可能性を示した」としてこの研究を支持している。
非合法化以来、姿を消したマジックマッシュルーム。今度は医療現場で活躍する日がやって来るかも知れない。
参照元:TIME.com(英文)
photo:flickr Fabio Bruna

当記事はロケットニュース24の提供記事です。

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