苦労人とは言わせない。[Alexandros]「ワタリドリ」に見る、成長して舞い戻る姿

UtaTen

2016/4/22 12:01



住み心地の良い環境を目指して、長い距離を渡るワタリドリ。日本ではツバメやツルが有名だ。いとも簡単に渡ってきているように見えるが、中には海を越えて飛んでくる鳥もいる。地図もなく、間違えずに渡ってくる鳥たちの仕組みは未だ解明されていないことも多い。

そんな渡り鳥たちの力強さを重ねた楽曲が、[Alexandros]通算10枚目のシングル『ワタリドリ』。「勇者ヨシヒコと魔王の城」「HK/変態仮面」などで知られる福田雄一監督作品「明鳥」の主題歌ともなっている。バンドにとって初の映画主題歌というだけでなく、2015年3月30日付のシングルCD週間ランキングでは初のトップ5入り。彼らにとって、記念すべき作品となった。

「明鳥」は主演の菅田将輝の他、城田優、ムロツヨシなどの俳優陣で彩られたシチュエーション・コメディー。品川で細々と営業するホストクラブが舞台だ。ここで働く指名ゼロのホスト:ナオキ(菅田将輝)が借金返済に必要な1000万円を無事に用意できたことから始まる。



しかし、それは全て夢だった。

渡り鳥は時に比喩表現として、良くない意味で使用される。根なし草と同じような使い方をされ、苦労人・落ち着かない者を指して呼ばれることがある。その意味も踏まえると、映画に登場する借金苦に右往左往する主人公と重なって面白い。

しかし、この楽曲は地に足のついてない人間の弱さを歌ってはいない。むしろ一定の場所で落ち着かない渡り鳥の力強さ、目的地を目指して飛び続ける姿を目に焼き付けるような楽曲となっている。



自分だけの居場所を探したい。そんな渡り鳥の姿は、確かに常識人からすれば落ち着きがないように映ることだろう。「逃げ」と世間の大半から見られることだってある。しかし、そんな姿こそ渡り鳥のカッコよさだ。無我夢中になって何かを追いかけ、色んな場所に行って誰かに出逢って成長していく姿は、落ち着いてしまった者にはない魅力と言える。

そして、ありもしないストーリーを描いて舞い戻ってくる

だからこそ、私達は彼らの姿に惹かれてやまないのだ



TEXTt:空屋 まひろ

当記事はUtaTenの提供記事です。

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