注目は“F1牛”。牛肉と焼肉に関するそうなんだ!情報

8月29日は焼肉の日だ。この記念日を活用し、何らかのキャンペーンを実施する焼肉屋もあることだろう。となると、我々はありがたくそのキャンペーンにのっかり、店に足を運べばいいだけだが、それだけではつまらない。ここはいくばくかのウンチクを仕入れ、一緒に行く仲間をあっと驚かせたい……と思った筆者は、焼肉情報サイト管理人のてつやさんに、焼肉及び牛肉に関する「そうなんだ~!」を教えてもらうことにした。

■焼肉に関するコネタ

まずは前提知識として焼肉屋のルーツをおさらいすると、1945年頃に誕生した東京の『明月館』、大阪千日前の『食道園』が、日本での焼肉屋の始祖とも言われる存在になっている。今でも『明月館』『食道園』というお店が多くあるが、必ずしも直系のお店ばかりではないのが実情だ。

そして当時の焼肉の食べ方のスタイルはというと、焼肉を揉みタレで味を付けて焼き、焼き立てアツアツの肉を直接頬張っていた。

「でも直接アツアツの肉を口に運ぶのは、アツすぎて食べにくいとうこともあり、日本独自の進化を遂げました。そう、小皿にツケダレを入れ、一度冷まして食べる現在のスタイルが生まれました」(てつやさん)

■「ホルモン」の語源

焼肉屋で、タン塩やロース、カルビなどを食べ終えると、「そろそろホルモンでも行きますか」ということで誰からともなくホルモンの呼び声がかかり、注文、とあいなる。

そんなホルモンであるが、その語源については諸説あり、この説を皆さんも耳にしたことがあるのではないか。それは「ホルモンは、放るもん(捨てるもの)だからホルモンと呼ばれるようになった」という説である。この説についててつやさんが興味深い考察を示してくれた。

「もしも私の記憶が確かならば、1970年から1980年くらいの松竹新喜劇の演目での車夫の話。その中で『ステテコは、膝から下を捨ててこいでステテコ! ホルモンは放るもんやからホルモン!』という内容で故・藤山寛美さんと小島慶四郎さんの掛け合いがあったと記憶しています」(てつやさん)

佐々木道雄著「焼肉の文化史(明石書店)」にも、1970年代末頃から「ホルモンは放るもん」という話が広がっていると書かれていることから、てつやさんはこう指摘する。

「つまり1975年頃にテレビ放映された新喜劇によって一気に世間に広がったとするのがごく自然なのです。少なくとも世の中(特に関西地方)に『放るもん説』を広めたのは故・藤山寛美さんだと断言しても良いと思います。その段階でこれが『嘘』であることも演目の流れからも間違いありません」(てつやさん)

筆者は「ホルモンは放るもん」を信じていた一人なので、これはビックリ情報である。ホルモンの語源については、外国語だとする説もあり、有力と言われる説はあってもこれが正解という説がハッキリしない、実はミステリアスな言葉の一つでもあるのだ。

■リーズナブルで肉質も良い「F1牛」に注目

焼肉に関する知識はいくつか増えたので、続いては牛肉に関するウンチクを仕入れるとしよう。

牛肉と言えば、日本全国に様々なブランド牛が存在することを皆さんご存知であろう。松坂牛、近江牛、神戸牛などなど数え上げればきりがないが、実際、「銘柄については、現在さらに細分化され増えていますので、既に追いかけることが不可能に近くなっています」と、てつやさんは言う。軽く200を超える銘柄が存在するというのだからあっぱれである。

「ちなみにほぼ同じ生育でも、地域により名前を変えることもあります。有名どころでは松阪牛です。“昔基準”のものと、“最近の基準”の2種類があります。本来は素牛、肥育方法、餌、大きさ、肥育地域まで細かく規定されていましたが、今では『松阪牛だけど本来の松阪牛でない』ものが存在します」(てつやさん)

な、なんと。想像以上にカオスになっているようだが、そんな中で、てつやさんが現在注目している銘柄の牛って?

「銘柄よりも価格と味とを鑑みての注目は、やはり『F1牛』になります。搾乳中のホルスタインと黒毛和種との一代限りの交雑種です。ホルスタインは黒毛和種よりも体躯が大きいので歩留まりが良いのが販売側の利点です。そういうわけで交雑種『F1牛』は、いわゆる『和牛』よりもリーズナブルで肉質も遜色ないのです」(てつやさん)

ホルスタインから牛乳を採取するためには、妊娠状態にする必要がある。通常は乳牛を育てるためホルスタイン同士で交配するが、そこを黒毛和種と交配させることで、生まれた仔牛を「F1牛」として出荷しているという。

「交雑の場合、黒毛の遺伝子を多く含んだものとそうでないものが出てきますので、出来るだけ『黒毛に近い』『雌牛』を出荷しています」(てつやさん)

スーパーなどで「黒毛和牛」ではなく、「黒毛牛」と書かれているものは、「F1牛」のことが多いようだとてつやさん。なるほど。要約するとホルスタインと黒毛和種の交配で生まれた「F1牛」は価格の割りに良いお肉ということになる。これはウンチクとして肉を焼きながらぜひ語ることにしよう。

今回は焼肉と牛肉に関する「そうなんだ~」情報をご紹介したが、「教えて!goo」では、「あなたが知っている焼肉や牛肉に関するウンチクを教えて!」ということでみんなの投稿を募集中だ。

●専門家プロフィール:てつや
ホームページ「焼肉の罠」の管理人。焼肉をはじめ、美味しいものをこよなく愛する。「焼肉の罠」は焼肉好きのための焼肉情報サイト。焼肉についての知識や各地の美味しいお店なども紹介している。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

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