「RADIO FRIENDS~つながるラジオ~」第37弾番組レポート(2)

RADIO FRIENDS

首都圏のラジオ局が放送局の垣根をこえて協力し、東日本大震災被災地のコミュニティFMや臨時災害放送局を支援するプロジェクト「RADIO FRIENDS(ラジオフレンズ)」。2011年9月から毎月1回のリレー方式で特別ラジオ番組が放送されています。

9月30日にはInterFMの「The Dave Fromm Show」内で第37弾番組がオンエア。今回は2時間枠のスペシャル版ということで、2回に分けて番組レポートをお届けしています。

後半は同番組のDJを務めるDave Frommさん、Joe 横溝さんに加え、SPC peak performance(以下、SPC)代表の西片明人さん、the band apartでボーカルとギターを務める荒井岳史さんが出演しました。

■自分の意志で集まれるような場所を作りたかった

西片さんが代表を務めるSPCは、ライブハウスを中心にレギュラーバンドと共に全国各地を旅するライブPAチームとして幅広く活動。東日本大震災後には、津波被害を受けた岩手県の宮古市、大船渡市、宮城県の石巻市の3地域にライブハウスを作るという「東北ライブハウス大作戦」というプロジェクトを立ち上げ。西片さんはその本部長として活動しています。

西片さんは被災地を訪れた際、避難所などに人が集めさせられている状況を目にして、「人を集めさせられた場所ではなく、自分の意志で集まれるような場所を作りたいと思った」といいます。そこで、音響エンジニアという職業を生かして、「ライブハウスなら作れるんじゃないか?」ということで同プロジェクトを立ち上げ、震災の2年後には、3地域にライブハウスをオープンさせることができたそうです。

各ライブハウスのキャパシティは、宮古の「KLUB COUNTER ACTION MIYAKO」が250人、大船渡の「LIVE HOUSE FREAKS(以下、FREAKS)」が80人、石巻の「BLUE RESISTANCE」が200人だそうです。

なお、FREAKSは2014年6月に移転が決まり、現在は「おおふなと夢商店街」というプレハブ横町にお引っ越し中とのこと。ここは大音量が出せない場所なので、アコースティックという形で営業再開する予定で、駅からライブハウスまでのアクセスはそれぞれ10分以内となっているそうです。

ライブの頻度は、金土日の週末埋まればいいね、というところからスタートしましたが、現在は月10本ぐらいのペースで行なわれています。

震災後、東北地方では若年層が減ってしまったと言われているものの、ライブハウスには高校生の姿も見られるようで、ご両親の車で送ってもらったり、行きは「バス高速輸送システム(BRT)」というバス路線を使い、帰りだけ迎えに来てもらう、という形でライブを観に来てくれるそうです。保護者の理解も得られるように、という意味では東京のライブハウスは少し雰囲気が違う、と西片さんは話します。

「自分たちから行ける、集まれる場所を作ろう」ということで、東京からも数多くのアーティストが参加。これまでにも、TOSHI-LOWさん(BRAHMAN/ OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)、細美武士さん(the HIATUS)、横山剣さん等、多くの有名アーティストが各ライブハウスを訪れ、ライブを行っています。

■震災前から縁のある大船渡でのライブ

the band apartのボーカル&ギターとして活躍している荒井岳史さんは、SPCのレギュラーバンドとしても活動しており、西片さんとは10年来のお付き合いとのこと。

元々は東京出身という荒井さんですが、 地元に友人がいるということで、「ライブハウス大作戦」でFREAKSができる前から大船渡で10年以上にわたってライブを行っているそうです。

きっかけは、その友人のお父さんが多数の飲食店を持っている方で、そこのお店を借りて、音響の機材を持ち込んでライブを行なったのが始まり。その時も西片さんが一緒にセッティングに携わったといいます。

残念ながら、それらのお店のいくつかは震災でなくなってしまったそうですが、何件か残ったお店の一つが移転前のFREAKSがあった場所だったとのことで、震災後もFREAKSができるまではライブ活動をされていたそうです。

お店でのライブはやはりライブハウスとは違い、どちらかというとパーティのような感覚だったので、実際にFREAKSができてからは音響面でもタイトな音が出せるなど本格的になり、ライブがやりやすくなったそうです。また、ステージに立っての感想としては、「親子連れから、高校生、自分と同じ位の世代まで本当に客層が幅広く、いろんな人がいてとても楽しかった」と述べてくれました。

■一人一人が自覚をして意見をしっかり持つことが大事

番組では、東北の復興の中で大きく立ちはだかっている福島の問題に関しても取り上げられました。

9月に南相馬で開催された「騎馬武者ロックフェス2014」にBRAHMAN(ブラフマン)が出演するということで同行した西片さんは、地元の仲間の方のアテンドで開通した6号線を走行したといいます。

磐城から南相馬まで6号線を走る道中、線量計の数値もかなりのところまでいっていたようで、開通を目的にカッチリ除染をした上での数値であると考えると、まだまだ前進には至ってないのではないか、と西片さんは自身の見解を述べていました。

また、一人一人が自覚をしてそれぞれの意見をしっかり持つことの重要性に関しても言及。開通すべきかどうかということに関しても、ただ声を発するだけではなく、いろいろなことに対してしっかりインプットして、行動に移す、アウトプットすることが大事だといいます。

現在、西片さんは「東北ライブハウス大作戦 WITH LIVE 福島」(以下、LIVE 福島)と称して、猪苗代湖の湖畔に100%自然エネルギーで運営する野外音楽堂を建てる、という新しいプロジェクトを進めています。「そこに関してもやっぱり賛否両論あると思うんですけど、そのための自分の意見はしっかり持って、対話していきたいなと思っていますね」と話していました。

以前、福島でバンド合宿をしていた、という荒井さんもその場所がどうなったのかを心配していたそうです。幸い、友人伝いに健在にしていると聞いたものの、郡山でお世話になっているライブハウスの人たちから生の声を聞くと、やはりいろいろな考え方があって、それでも気丈に生きている人たちの姿に、「ミュージシャンの使命として、こうして公の場で話をさせてもらったり、福島や東北に行くことによって、何か感じてもらうきっかけになり得るようなことをこれからもやっていきたい」と自身の思いを語ってくれました。

西片さんも、「大きい町に行って人を集めるだけではなく、小さい町のライブハウスに行って演奏し、そこの人たちとのコミュニケートがあり、それをまた違う町で話す、という伝え方ができるバンドと一緒にやっているし、そのためのライブハウスを作ったつもりなので、ぜひ皆さんに足を運んでいただきたい」と話してくれました。

■沢山のアーティストに活動を広めて、東北の街が潤うきっかけに

「東北ライブハウス大作戦」に関しては、運営自体は各地域に任せてどんどん盛り上げてもらい、アーティストの方には声をかけながら広めていってもらう方針だそうです。その上で、「東北ライブハウス大作戦」の名前を知っているというバンドには、バンド同士でも話を伝えてもらいながらその輪を繋げていくという形で、沢山のアーティストがライブを行いに来てもらえるようにしたいとのこと。

また、まだまだ復興が進んでいない地域ということで、現地の方々だけではなく、東京や大阪、他府県の方々にもぜひ旅行がてら遠征して欲しいという思いもあるとのこと。そうすることで、インフラの整備が早まったり、東北の街々が潤うきっかけになると思うので、ぜひ足を運んでほしいそうです。

「LIVE 福島」の活動に関しても、2015年春の野外音楽堂着工に向けて地元に根付いた活動を進めているそうです。また、雪深い冬の間は、アコースティックツアーなど、いろいろなライブツアー企画をプランニングして、福島の街々を訪れたいと思っているとのこと。

番組の終盤には、荒井さんがアコースティックギターの生演奏で「夜の向こうへ」を披露、番組を盛り上げてくれました。

Daveさんも最後に、「復興、復興って、ボランティアやらないといけないとか、どうしても暗くなったり重くなったりするけれど、こういう風にライブをやってライブを楽しみに行こうじゃないか!っていうプラス思考で皆さんも楽しんでもらいたいな、って思いますね」と番組を締めくくってくれました。

*お知らせ

「RADIO FRIENDS」では、被災地コミュニティFMと臨時災害放送局を支援するため、「赤い羽根の中央共同募金会」が実施している「災害ボランティア~NPO 活動サポート募金2(ボラサポ2)」へ募金も呼びかけています。

RADIO FRIENDS(PC版サイト)
http://www.radiofriends.jp/
赤い羽根共同募金「ボラサポ」ページ
http://www.akaihane.or.jp/er/p3.html

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