「RADIO FRIENDS~つながるラジオ~」第37弾番組レポート(1)

RADIO FRIENDS

首都圏のラジオ局が放送局の垣根をこえて協力し、東日本大震災被災地のコミュニティFMや臨時災害放送局を支援するプロジェクト「RADIO FRIENDS(ラジオフレンズ)」。2011年9月から毎月1回のリレー方式で特別ラジオ番組が放送されています。

9月30日にはInterFMの「The Dave Fromm Show」内で第37弾番組がオンエア。今回は2時間枠のスペシャル版ということで、DJを務めるDave Frommさん、Joe 横溝さんに加え、前半はニッポン放送「SHELLY GO ROUND~ゴー・ラウンド~」のパーソナリティを務めるタレントのShellyさん、フリーDJの高橋ちえさんが出演しました。

■「とにかく何かしよう!」という思いでイベントを主催

ニッポン放送で毎週土曜日(15:30~17:00)に生放送中の「SHELLY GO ROUND ~ゴ・ーラウンド」のパーソナリティを務めるShellyさん。モデルとしてお仕事をスタートし、現在はラジオDJやテレビ番組の司会やキャスターを担当するなど幅広く活躍されています。

Shellyさんはご自身の活動に加え、「LAUGH & LOVE(以下、ラフラブ)」という 東日本大震災復興支援を目的としたチャリティーイベントを主催しています。

第1回目のイベントは、震災が起きた2ケ月後の2011年5月29日に、東京ドームシティの「LaQua(ラクーア)」にて開催。いつもお世話になっている方々に声をかけたところ、徳光和夫さんや今田耕司さん、Crystal Kayさんなど、豪華な顔ぶれのゲストが集まったイベントだったそうです。ライブやトーク、オークション等、第1回目のイベントで集まったお金は日本赤十字社に寄付されました。

震災後当時、自粛ムードで様々なイベントが中止になっていた中、「そういうことじゃないんじゃないかな? 東京が元気じゃないと東北が元気になるわけないな」という思いを持っていた、と話すShellyさん。

「他の芸能の方のように歌や芸などで行って喜んでもらうということはできないけれど、東京でいろんな人が元気になるイベントをやって、元気になった分だけ皆さんに寄付していただいて、そのお金で東北に元気になってもらえたら」という思いで「ラフラブ」をスタートしたそうです。

震災から2ケ月ちょっとでのイベントの立ち上げはやはり大変だったそうで、「イベント主催の経験もなく、どこから何をしたらいいのか全くわからなかった」と振り返ったShellyさん。しかし、「とにかく何かしよう何かしよう、という思いだけでやって、本当にいろんな友達や芸能界の先輩方に協力していただいて、なんとかやれたんです」と語っていました。

その後もイベントは定期的に実施。2012年の1月には第2回目を、12月には第3回も開催されました。第3回目の頃には震災から少し時間も経ち、「ラフラブ」の活動も「東京と東北を繋げる」という形に変わってきたそうです。

「東京は元気になってきたけれど、東北はまだ全然元気になっていない。この差をどう埋めたらいいんだろう?」と考えた結果、「ただお金を集めて寄付する」という形から「集まったお金で東北に何かを作る」という形に趣旨を変更。「集まったお金がちゃんとこういうことに使われましたよ」というのが目に見えるようにした、とShellyさんは話します。

■地元の子供たちと一緒に作った「ラフラブハウス」

「ラフラブ」のイベントで集まったお金で作ったもの、それは子供たちの遊び場としてのログハウス。岩手県大船渡市の越喜来(おきらい)という三陸沿いにある小さな町に、子供たちの憩いの場を作ろうということで建設されました。

東北の市町村では、学校自体の流失に加え人口の減少で学校が統合されている地域が多く、 越喜来では3つあった小学校が1つに統合されました。残った学校の校庭や公園等も仮設住宅へと姿を変え、子供たちの遊び場は激減しました。

そんなストレスを溜めている子供たちのために、ちょっとでもお絵描きができたり、本を読んだり、ゆっくり過ごせるような場所を、ということで「ラフラブハウス」というログハウスを建て、さらには、そこで遊んだ子たちのために仮設のトイレも設置し、それらの資金として「ラフラブ」で集まったお金が使われました。

施設ができたのは2013年の5月。Shellyさんもイベントスタッフの友人数名と共に現地に出向き、ログハウス作りに参加。そのほか、地元のボランティアの方々、さらには地元の子供たちも参加して、一緒にペンキ塗りをしたり、自由にお絵描きしてもらったり、手にペンキを塗って手形をパンパンつけたりと、大人も子供も楽しみながらの作業で、とても可愛いログハウスができたそうです。

Shellyさんは、建設後も何度か「ラフラブハウス」を訪問。そこにはノートが置かれており、利用者が感想やメモを書いてくれることでコミュニケーションの場にもなっているそうです。中には実際に東北に行かれたボランティアの方が宿として利用したケースもあったようです。

最後にShellyさんは、「ぜひ皆さんどんどん東北に行って、岩手に行った際には『ラフラブハウス』を見に行っていただきたい。居酒屋さんや美容室など仮設でいろいろオープンしてどんどん元気になっていっているので、その姿を見に行ってくれたら嬉しいな」と、語ってくれました。

■気仙地方の方言が由来の「FMねまらいん」

続けて登場したのは、岩手県大船渡市のコミュニティFM「FMねまらいん」を訪れて取材をしてきたフリーDJの高橋ちえさん。高橋さんも普段は岩手の方でラジオ番組を担当しているそうです。

「FMねまらいん」は大船渡の市の中心部から車で15分くらいの高台のところにあるコミュニティFM。震災後当初は防災FMとしてスタートし、2013年からコミュニティFMに移行し、現在に至ります。Shellyさんも2014年の6月に越喜来でイベントを行なった際、取材を受けたとのことでした。

今回、高橋さんは、「FMねまらいん」局長の今野雅光さん、パーソナリティの及川透子(ゆきこ)さんにお話を伺い、その模様を紹介してくれました。

現在「FMねまらいん」のパーソナリティは及川さんを含め4名の女性で放送を担当しています。

大船渡市は陸前高田市と住田町と3つ合わせて気仙地方という名前で呼ばれており、「ねまらいん」のネーミングの由来はその気仙地方で使われている方言、「ねまらい」から来ているといいます。

「まず座って休んで」という意味の「ねまらい」に「繋がる」の「ライン」を含めた「ねまらいん」という名前が、市民の方の公募で選ばれたそうです。

■ラジオの有り難さを痛感したことがきっかけに

震災後大船渡の臨時災害放送局としてスタートしましたが、その放送免許は期間が定まっています。そのため、コミュニティFMに移行しなければいけないということで、及川さんからも「とにかく情報発信を続けたい」という話を受けたことから、 ハードウェアの環境づくりを今野さんが整え、放送は及川さんが担当という形でコミュニティFM「FMねまらいん」に生まれ変わったそうです。

その当時は住んでいる地域も電気や水道が止まっている状態で、お風呂にも入れず、髪も洗えずということで、特に女性の皆さんはニット帽を被りながら放送をするなど、苦労があったようです。

当時、ラジオ局は市役所の中にあったそうで、食料が不足していた際には「市役所の方が握ってくれた塩おむすびを食べながら放送していたな、っていうのは今思い出しますね」と及川さんも当時を振り返っていました。

及川さんは、パーソナリティを務める以前は全く別の職種に就いていたそうで、震災当時は2人の娘さんの母親として子育てをしていたので放送のお仕事とは無縁だったとのこと。その及川さんがラジオパーソナリティのお仕事をするきっかけとなったのは、津波で流失した実家のご両親が避難されていた公民館でラジオの有り難さを感じたことだったといいます。

その公民館では幸い発電機があったことからテレビを見ることはできたものの、燃料の関係で見られる時間は限られており、主なメディアはやはりラジオだったとのこと。そこで流れて来る避難者リストを読み上げる放送や、連絡を希望する人々の声を聞きながら、「私に何ができるかな?」と及川さんは思ったそうです。

また、携帯電話も繋がらなかったので、情報収集をするにもどうしようもなく、「やっぱりラジオしかないんだな」と痛感。「避難所にいた時に、誰かの声が聞こえてるという状態がすごく助けになり有り難かった」とも話してくれました。

■市民全員に1回は「ねまらいん」に出演してもらうのが夢

実際、ラジオを必要としている方は多いものの、元々ラジオ局自体がなかったことからラジオに対する意識が低かったという大船渡。

しかし、「FMねまらいん」の放送が始まって1年、少しずつ変化があるようです。「地元にラジオ局があるんだな」「地元にラジオ局があるならちょっと参加してみようかな」という方が増えてきたことを感じると、及川さんも話します。

災害時に「FMねまらいん」に周波数を変えてくれている方がいることも伝わってきているので、地震の情報、大雨が降った時には浸水・冠水の注意の呼びかけもできるだけ早くしており、また、放送で天気予報を読む際には満潮の時間帯も必ず言うようにしているそうです。

東日本大震災が発生してから地盤が緩んでいたり下がっているところがあり、地盤の整備が完了していない部分もあるので、例えば突然雨が降ってきた時に、「そういえば満潮時間何時だな、じゃあ危ないな、冠水するかもしれないな」というのを意識づけてもらうためにも、そこは臨時災害放送局の時から変えずに続けている、と及川さんは話してくれました。

今後の展望として、「他局の放送を聞きながら災害時に周波数を変えてもらうのではなく、普段から聞いてもらえるようにしたい」と今野さん。及川さんは、「4万人の市民全員が1回は『ねまらいん』に出演したことがある、というのを実現してみたい」と、夢を語ってくれました。

(続く)

*お知らせ
「RADIO FRIENDS」では、被災地コミュニティFMと臨時災害放送局を支援するため、「赤い羽根の中央共同募金会」が実施している「災害ボランティア~NPO 活動サポート募金2(ボラサポ2)」へ募金も呼びかけています。

RADIO FRIENDS(PC版サイト)
http://www.radiofriends.jp/
赤い羽根共同募金「ボラサポ」ページ
http://www.akaihane.or.jp/er/p3.html

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