虐待を未然に防ぐファーストサイン

JIJICO


■愛情を知らずに育った子どもは、愛情を与える術を知らない大人に
最近、学校や職場での人間関係に悩みを抱えている人が増えています。パソコン・メールといったWEBの普及に伴い「人と対面したやり取りが少なくなってきた」という背景もあって、人との関わり方が昔と今では変わってきているようです。
このようなコミュニケーションをめぐる問題は大人になって生じるものではありません。実は、赤ちゃんや幼少時期における親子のコミュニケーションの質によって、大人になってからの人間関係や社会性に大きく影響を与えることが分かってきました。
親子の関わり方がもたらす影響については様々あります。親からの愛情をしっかりと受けて育った子どもは、精神的にも安定し脳神経や体の発達も良好であるということが脳科学の分野でも解明されています。一方、親や周囲の大人から愛情を受けずに育った子どもは、他人からの好意に甘えることができなかったり、他人へ愛情を与える方法を知らないまま大人になってしまう傾向にあります。
今、多くの幼児虐待のニュースを耳にします。このことも無関係ではありません。乳幼時期から愛情や人との関わり方を知らずに育った子どもは、大人になって結婚し親になっても、自分の子どもに対して愛情を与える術がわからないのです。それゆえ、その子どもも親からわかってもらえず、泣いたり不機嫌になったりします。これにより、親の育児への不安やストレスは増幅。精神的にも辛くなり、子どもへの行き過ぎた行動から虐待につながることもあります。また、その子どもも親と同じ道をたどり、虐待が無くならない悪循環を生み出しています。

■五感に働きかけるファーストサインは親子の絆を深めるきっかけに
この負のサイクルを断ち切るのに役立つのが「ファーストサイン」です。ロイヤルセラピスト協会(RTA)オリジナルの親子コミュニケーションツールの一つで、まだ言葉の話せない0歳児期に、親が子どもと向き合い、全身の五感を活用して手やジェスチャーのサインを使って子どもと話しをする手段です。
「視力が未発達な0歳児でも理解できるの?」と思われるかもしれませんが、赤ちゃんはお腹の中にいるときからすでに聴覚は発達しているので、目からの情報だけに偏らず五感に働きかける「ファーストサイン」は有効です。生活の一部として自然に繰り返して行うことで子どもは理解し、自らファーストサインを出せるようになっていきます。親からの一方向的なサインの教え込みで、知識を子どもに押し付けるのではなく、子ども自身が言葉を伝えることの楽しさを知り「親へもっと伝えたい」と思う気持ちを育みます。また、親も子どもの気持ちがわかることで、子育てのストレスが軽減される効果が期待できます。精神的にも余裕が持てるようになり、親子間の信頼関係も深まるでしょう。
このスキルを取り入れることで「子どもとしっかりと向き合えていなかった」と気付き、子どもへの関わり方を見直すきっかけになることもあります。ファーストサインを通して親子の愛情や絆が深まり、笑顔の輪が広がることで「心豊かな地域・社会作り」に貢献できるものと考えています。

当記事はJIJICOの提供記事です。

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