(C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC. 1980年代にコミックとして誕生して以来、テレビアニメやゲーム、6本の劇場公開映画など、あらゆる形で愛されてきた『ミュータント・タートルズ』シリーズ。カメの4兄弟が、奇妙なネオンの液体(ウーズ)に触れたことで冗談好きなミュータントになってしまうというアドベンチャーは、世界中で多くのファンを魅了してきました。
2023年のニューヨークを舞台に、“普通のティーンエイジャーとして街のみんなに受け入れられたい”という願いを叶えるため、謎の犯罪組織に立ち向かう4兄弟の闘いがユーモアとアクション満載で描かれています。 (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC. ローゲンらと共に脚本を手がけ、監督を務めたのは、『ミッチェル家とマシンの反乱』(Netflixで配信中)で高い評価を受けたジェフ・ロウ。ユニークなアニメーションスタイルに、スパイク・ジョーンズやポール・トーマス・アンダーソン、アルフォンソ・キュアロンの作品からインスピレーションを得たという実写のようなカメラワークを交えて、新世代のタートルズの物語を完成しました。ここでは、日本公開を目前に控えた監督にインタビュー。製作の舞台裏について、たっぷりと語っていただきました。
J:素晴らしかったよ。セスは、「このキャラクターにこんなこと言わせたらどうかな、知らんけど」という感じで、最高に面白いセリフを書くんだ。覚えておいて友だちに聞かせたいくらいのセリフが、彼の口からは大したことないように出てくる。劇中のセリフは、レコーディングしながら書いたものも多いです。タートルズ役の4人のキッズ(マイカ・アビー、シャモン・ブラウン・Jr、ニコラス・カントゥ、ブレイディ・ヌーン)を集めてレコーディングしたのですが、「君だったら友だちにどう話す?」とか、「もし弟とケンカしたら、君は何て言う?」とか聞きながら、即興で演じてもらった。キッズの意見を聞いたり、セスや僕がジョークを飛ばしたりして、進行しながら脚本を書き直していったんだ。その結果、とてもフレッシュでエキサイティングな作品に仕上がったし、彼らの演技に10代のエネルギーを活かすことができて本当に良かった。 (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC. ──実際にティーンエイジャーが演じているのもいいですよね。大人が子どものフリをしていると、ちょっと引いてしまうこともあるので…。
J:彼は北京にいたので、レコーディングは時差の関係でロサンゼルス時間の午前6時に行った。こちらは寝ぼけ眼だったんだけど、北京は一日の終わりの時間だったので、ジャッキーの方はとにかくテンションが高かった。でも、彼とのセッションはコーヒーよりも効くんだ。レコーディングが終わる頃には、「めちゃくちゃ面白かったね!」「ジャッキーって優しいよね!」「本当に良い人だったね!」といった感じで、僕たち全員とても興奮していた。ジャッキーと一時間仕事をするだけで、一日中ワクワクしていられる(笑)。彼は完璧なスプリンターだと思ったよ。 (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC. ──本作はアニメーションのスタイルも非常にユニークですね。実写のようなライブ感もありながら、多くのCG作品では失われがちな、2Dアニメーションのような温もりも共存していて魅了されました。
J:まさに! 落書きみたいにね。遠近感も形もおかしいし、左右非対称、そんな落書きみたいなイメージで。それはものすごく細かく描かれていることもあれば、ぼんやりして適当な部分もあって、線がはみ出しているところもあるんだ。作画にそんな10代のようなエネルギーを取り入れることで、まるでタートルズが自分たちで描いたように見せたかったんだ。 (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.
90年代と現代のポップカルチャーのリンク
──本作のサウンドトラックには、ブラックストリートの「No Diggity」やア・トライブ・コールド・クエストの「Can I Kick It?」など、90年代の楽曲が満載です。フォー・ノン・ブロンズの「What’s Up?」が流れるシーンは爆笑しましたし、ヴァニラ・アイスの「Ninja Rap」まで使われていて最高でした。監督は選曲にもアイデアを出したのですか?
J:基本的には2人におまかせする形だった。彼らの方から、スコアの一部をアマチュアバンドとかティーンエイジャーが作る音楽のようなサウンドにしたらどうかと提案されて、セスと僕は「最高だね、そうしよう」と大賛成した。あれほど素晴らしい音楽を作ってくれたんだから、僕からは「素晴らしい! ありがとう!」と伝えるだけだったよ。彼らは他の人にはない色彩で音楽を作っているのだと思う。本当に美しい特別な音楽を作ってくれたよね。 (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.
J:小さい頃はゴジラが大好きだったんだ。ていうか、巨大な怪獣が嫌いな子どもなんていないよね(笑)。それから中学生の頃、アメリカのテレビで日本のアニメが放送されるようになったんだけど、『ドラゴンボールZ』や『新機動戦記ガンダムW』を観て、とても興奮したのを覚えている。少し大人になって、『カウボーイビバップ』を初めてみたときは、その芸術性やストーリーはもちろん、シリアスなシーンもあって、子ども向けに作られたようには感じられないことに魅了されたんだ。その頃、アメリカで制作されるアニメーションのほとんどは子ども向けに語られるものだったから、本当にワクワクしたし、夢中になったよ。 (C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC. ──確かにジブリ映画なども、決して子ども向けとは言えないですよね。本作も大人が観ていても楽しいですし、子ども向けに妥協している感じがしないところが気に入りました。