綾瀬はるか、ドレス姿でのアクションに苦労 お気に入りは「純白の一枚」 仕掛けにも注目

 2000年のデビューから出演ドラマ40本以上、映画30本以上を数え、コメディからシリアスなドラマ、時代劇、そしてアクションにいたるまでさまざまな作品に挑んできた綾瀬はるか。その主演最新作が、8月11日より公開される映画『リボルバー・リリー』だ。原作は、読者から“これぞノンストップ・アクション”と称されるハードボイルド作家・長浦京の同名小説。“史上最強のダークヒロイン”に扮する綾瀬が、髪をバッサリ切り、ドレスに身を包んで、ハードかつ美しいアクションに挑んでいる。実生活でもアクション映画を観るのが好きと言う綾瀬に、今作での新たなチャレンジ、そして今後挑戦してみたいアクションまでを聞いた。

■ダークヒロイン“小曾根百合”は「とにかくかっこいい女性」



本作で綾瀬が演じるのは、16歳からスパイ任務に従事し、3年間で57人の殺害に関与したとされる元敏腕スパイ・小曾根百合。百合は偶然出会った謎の敵に追われる少年・細見慎太を助け、行動を共にする。そこにはさまざまな陰謀が絡み合い、衝撃的な事実が明かされていく。

大正時代の闇を生き抜くダークなヒロイン像は、これまで彼女が演じてきた中でも異色の存在だ。そんな新境地とも言える百合という役は、綾瀬の目にどう映ったのだろうか。

「百合はクールであまり感情を表に出すタイプではないんですが、でも芯が強くて、ものすごく度胸があって、面倒見もよくて。とにかくかっこいい女性ですよね。でもそこには母性もあって、それを秘めている感じが彼女の色っぽさにもつながっている。架空の人なんですけど、実在しているんじゃないかというリアリティがあると思います」。

これまで幅広い役を演じてきた綾瀬だが、そのキャリアにおいてひときわ輝くジャンルの一つが、本作『リボルバー・リリー』のようなアクション作品への出演だ。近年では2021年公開の『劇場版 奥様は、取り扱い注意』や、今年1月に公開された映画『レジェンド&バタフライ』でも、見事な体さばきを披露してきた。

そんなアクション俳優としてのイメージも板に付いている彼女なら、本作でのハードなアクションもスムーズに撮影に入っていけたのではないか。そのために普段している準備や秘訣を聞くと、意外な答えが返ってきた。

「基本的にいつでも動ける体でいようと思っているんですけど、去年は1月くらいからドラマの撮影が入ったりと忙しくて、気づいたら半年くらい全く運動していない人になっていて(笑) 。ちょっと走ったら“あー疲れた”みたいな。とにかく体が重かったです。トレーニングしているときは、1週間に1回じゃ足りないって感じるんですが、半年も運動しないでいると、段々、別に運動しなくてもいっか!って気分になり、怠惰な自分になっちゃうんですよね(笑)。撮影前はそれがベースになっていたので、“アクションキツイな~”“動けるのかな~”って思っていました。なので、今回はまずは動ける自分になる、というところからのスタートでした。体力を戻して、体幹トレーニングと筋力トレーニングを中心に、何とかギリギリ撮影に間に合った感じです」。

■ドレス姿でのアクションに苦労



大正時代の東京が舞台とあって、綾瀬演じる百合が身に纏うのは、エレガントでレトロなワンピースドレスの数々。百合のキャラクターを表現するため、他の登場人物とは一線を画すデザインになっており、スカートやノースリーブなど、アクションをするうえでは無防備な格好だ。数々のアクション作品の経験がある彼女でも、苦戦することが多かったそう。

「今回の衣装って、肘も膝もむき出しになるんですよ。スカートでのアクションも初めてでした。アクションをするときは、ケガをしないように肘当てや膝当ては必ずつけるものなんです。衣装もその前提で用意されることが多いんですが、今回はそれがなかった。受け身をするときは、肩からいかなきゃいけないのに、肘からいってしまったりする。これは危ないなって、そういう不安はすごくありましたね」と苦労を明かす。

そうした中、本作ならではのハードに美しく魅せるアクションを、現場で創意工夫しながら構築していった。「監督はもちろん、アクション監督とも話し合って、蹴りなどをスカートでもできるアクションに変えて、受け身を取るときは、肘を付かなくていいよう工夫していきました。ケガをしたら撮影がストップしてしまうので、安全第一の中でやれる、この衣装でできる最大限のアクションというのを考えて、その都度変えていったりしました。でも、やっぱり擦り傷はできちゃいましたけどね」と、ケロッと笑って見せる。

ちなみに、劇中で着用した印象的なドレスの中で、綾瀬お気に入りの一枚は「映画の終盤に着る白いドレスです。純白のドレスにユリの花の刺繍がしてあるんですが、ユリの縫い方に仕掛けがあって。百合がケガをして出血すると、そのユリの花が赤く染まっていくんです。よく考えられていますよね! そこはぜひスクリーンで注目してほしいです」と目を輝かせた。

■リボルバー拳銃の弾丸の入れ替えをひたすら練習



「リボルバー(回転式拳銃)」というタイトルにある通り、本作最大の見どころはガンアクションだ。『劇場版 奥様は、取り扱い注意』でもガンアクションシーンは登場したが、本作で描かれる銃撃戦はまさにケタ違いのスケール。そしてヒロインの百合は、リボルバー拳銃を駆使して敵に立ち向かっていく。

撮影前は、「“リボルバー”が何なのかも知らなかった」と言う綾瀬。まずは触るところからのスタートとなったが、「リボルバーは撃ち終わった弾丸の入れ替えが重要になるので、そこをいかにプロっぽく、スパイっぽくできるか。会話をしながらスムーズに入れ替えできるようになるまで、かなり練習しました」と、初めての挑戦を振り返る。努力の甲斐あり、劇中でリボルバーを扱う手さばきは熟練度を感じさせる出来映えだ。

「基本的には6発の弾倉に1発ずつ弾丸をカチャ、カチャと入れていくんですけど、早く入れるために一度に6発手に持って、3発ずつ入れたりできるようにもなりました。撮影では結構とちってしまって、もう1回やらせてください!となったりしましたけど(笑)」と、身振り手振りを交えながら、説明にも熱がこもる。「最初は銃を見ないで弾丸の入れ替えができるようにと練習していたんですけど、ガンアクションの先生からは『別に見ながらでいいよ』って言われて。あ、見ていいんだって(笑)」と、貪欲な一面も垣間見せつつ、時折思い出したように「あれ大変だった~!」と話すなど、茶目っ気たっぷりに答えてくれた。

■「マット・デイモンが好きなんです!」



そんなアクションに前向きな綾瀬は、アクション映画を見るのも好きだそうで、好きな作品を聞いてみると、「マット・デイモンさんの『ボーン』シリーズ」と即答。「秘密機関系の話って、本当おもしろいですよね。スパイ映画ってなんであんなに面白いんだろう!」とテンションがアップ。「1作目で、倒れた主人公がすぐにピョンって起き上がってまた戦い始めるシーンがあるんですけど、『奥様は、取り扱い注意』の時にどうしてもあれをやりたくて、入れてもらいました。その辺にある鉛筆とかを使って戦う姿を見て、私がもし道を歩いていて襲われたらどう攻撃しようか、頭の中で考えたりすることも。まず肘からいって、次に目を狙って…みたいな(笑)」と、楽しそうに話す。

さらにマット・デイモン愛は熱を帯び、「『ボーン』シリーズも好きなんですけど、私、マット・デイモンさんが好きなんですよ! 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』なんかも、賢そうで本当にかっこよくて。わかります? 鍛えた体も凄いし、アクションもどっしりしてて、品もあって、頭の良さがにじみ出てるんですよね」と熱弁をふるう姿は、まさに天真爛漫な綾瀬の魅力がさく裂していた。

最後に、さまざまなアクションを経験してきた彼女が、今後挑戦してみたいアクションシーンについて聞いてみた。

「トム・クルーズさんみたいに飛び降りたりもそうですし、例えば壁と壁の間をスルスルと登ったり、電車の上を走ってから車に飛び乗ったりとかもしてみたいですね。あと、カーチェイスの途中で車の上をピョンピョン飛んだりとか、橋の上から下を通る船に飛び降りたりとかもしてみたいです(笑)」。もしかしたら近い将来、ハリウッドスターと共演する姿も見られるかも知れない。(取材・文:稲生D 写真:上野留加)

映画『リボルバー・リリー』は、8月11日より全国公開。

当記事はクランクイン!の提供記事です。

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