保護者会で知り合った「ママ友」に心を許して大後悔…まさかの正体にドン引き

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 ただ“母親”というだけの共通項で出会うママ友界は、ほんとうにさまざまな人がいます。

加藤みささん(仮名・45歳)は、ウワサ話好きな“自称情報ツウ”のママに振り回されてしまったひとり。

◆保護者会で知り合った情報ツウなママ

「Kさんとは中学受験塾の保護者会で知り合いました。周りに誰も知り合いがいなかったので、隣に座った方に話しかけてみたら『わたし、友達多くていろいろ知ってるからなんでも聞いてね!!』と言われたので、連絡先を交換しました」

加藤さんの娘は、おっとりした性格で、地域の少し荒れた公立よりも校風が合う私立に入れたほうがいいのではと考えて中学受験をすることに決めました。

ですが、中学受験についてあまり情報がなく、勝手知ったるママさんは強い味方だと思った加藤さんは、後日Kさんと一緒にランチをすることにしました。

◆正体はただの噂好きだった

すでに上のお子さんが中学受験を経験しているとのことで、経験者の話を聞けると出かけて行った加藤さんですが、いざランチタイムが始まると、なぜか飛び出すのは人のウワサ話ばかり。

「受験や学校などの情報や経験談を聞かせてほしいと思ったのに、Kさんが話すのは『〇〇さんのお子さんは優秀らしいのよ』とか『××さんていうわたしの仲良しママのおうちは、旦那さんがパイロットなのよ』とか、正直どうでもいい情報ばかりで。ちょうど上のお子さんが、うちの子の受験先に考えている学校に通っていたので、どんな雰囲気か聞いてみると『うーん、別に普通って感じ』とあまり興味がない様子でした」

なんでも聞いてというKさんの言葉に、受験までのスケジュールや、学校選びのポイントなど、参考にしたいことをいろいろと聞いてみましたが、どれも的をいない返事で、それよりも他人の家の噂話ばかりされてしまいます。

◆知り合いの自慢でドヤ顔

「どうも、“自分は情報ツウ”ということを自分のアイデンティティにしている雰囲気でした。『わたし、知り合い多いんで!』とことあるごとにドヤ顔でアピールしていました。その後も何度か会いましたが、お金持ちの家庭や、優秀な子のママと仲良しだとアピールばかり。その人自身の体験や感想が聞きたいのに、自分の意見があまりなくて『この学校は〇〇らしいわよ』と情報源がわからない噂話ばかりなので疲れてしまうので、あまり会わなくなりました」

◆他人の家の情報を勝手にしゃべる

そのうち、加藤さんの娘が塾で仲良しの友達ができて、機会があれば娘のお友達のママにご挨拶したいなと思うことがありました。“自称情報ツウ”のKさんなら知っているかとその子のことを聞いてみることにしました。

「その子のことを聞くと、Kさんはいきなり『あの方のおうちは開業医なのよ! 連絡とりたいなら調べて教えてあげるわよ! 知り合い多いから!!』と食い気味に返信が来ました。その子自身よりも“開業医”にポイントが置かれているようで、なんとなく嫌な予感がしたので、機会があれば連絡先は直接聞きますと言っておきました」

その後、娘の仲良しのお友達のママとは模試で顔を合わせる機会があり、無事挨拶。そのママとは子育ての価値観も合い、お茶やランチに行く仲に。

◆「話したこともないのに気持ち悪い!」

そして、彼女とおしゃべりしている最中に、Kさんの話をしてみた加藤さん。すると驚くような言葉が返ってきました。

「すると彼女は『顔は知っているけれど、話したことは一度もない』と言うのです。開業医だと話していたよ、と伝えると、彼女はとても驚いて『偏見の目で見られたくないから、周りのママには自分から開業医だと話したこともないのに、なんであの人が知っているの? 気持ち悪い!!』と嫌悪感をあらわにしていました。彼女独自の謎のネットワークで調べ上げていたのでしょうね」

それを知ってから、Kさんはとにかく噂話に食いつく要注意人物だということがわかってきました。話はほとんどがステイタスのある他人の話題。

そして、塾に通っているうちに、娘の情報から、Kさんの子どもは成績がほぼ最下位だということも知りました。それなのに、Kさんは上位校を受けさせると豪語していて、自分の子どもの成績が悪いことの現実を受け入れられない模様。

そのうち受験が迫ってくると、自分の子どもに受けさせようとしている学校を他に誰が受験するのか嗅ぎまわるようになります。

◆スーパーで背後から突然……

「塾の知り合いが、スーパーで背後からKさんに突然話しかけられて『おたくのお子さん、○○中学受けるんですか?』と聞かれたらしいんです。それまでは話したこともないのに、なぜ自分の顔を知っているのかと気持ち悪がっていました」

加藤さんにももちろん探りのLINEが。「〇〇中学、受ける人がたくさんいるっぽいのよねー。周りのお友達は受けないの?」などと執拗に探りを入れられて辟易した加藤さんは「ちょっとわかりません」とスルーしたそう。

結局、Kさんは、受験直前まで周りの詮索に執着していたものの、自分の子どもでは成績が届かない学校を無理やり受けさせて結果は惨憺たるものだったそう。

◆自分の子どもに目を向けてあげてほしい

「他人のキラキラした部分に目がいく気持ちはわからなくもないですが、まずは自分の子どもに目を向けて、その子に合った学校を選んであげればよいのになと思いました。よそのおうちのことですが、お子さんが少し不憫だなと感じました」

一方、加藤さんの娘と、そのお友達は、それぞれ実力相応の志望校に合格。受験は親子とも不安になりがちですが、変な噂話に振り回されずに堅実に進むのが一番だと実感したということです。

―シリーズ「SNSトラブル」―

<文/塩辛いか乃>

【塩辛いか乃】

世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako

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