男性は女性とくらべて、あまりオープンに婚活しない傾向があります。婚活中の男性たちはいったい何を考え、どんな活動をしているのか――。今回は実録シリーズ「『婚活してる男性』ってどんな人?」から、過去の人気記事を再録します(初公開2018年2月16日、情報は掲載当時のものです)。
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婚活に励むのは、女性だけではありません。男性もまた、出会いを探しに婚活パーティーへと足を運びます。
安田美和子さん(30歳・既婚)の友人、小田康弘さん(仮名・30歳)さんもその一人。しかも、小田さんが結婚にかける情熱は、並大抵のものではありません。美和子さんの解説と一緒にご紹介しましょう。
◆初デートでいつも逃げられるミステリー
「小田くんとは、知人を介して知り合い、かれこれ5年ほどの付き合いになります。出会った頃にはすでに、小田くんは婚活を始めていて、当時結婚したばかりだった私に、『いいな~、俺も早く結婚したいな~』としきりに言っていたのを覚えています。男性ばかりの職場だったので、焦りがあったのかも」
じつは小田さんは、高学歴、高収入の超エリート。明るい性格で友達も多いタイプ。やや地味な顔立ちではあるものの、清潔感でカバーしていると言います。そんな小田さんを見て、美和子さんも「小田くんくらいのエリートだったら、相手なんてすぐ見つかるでしょ」と茶化すこともあったとか。
「小田くん自身、自分の“スペック”を自覚してはいるようで、そのときは『そうかなぁ~』なんて言ってまんざらでもない様子でした」
◆彼女ができるも2ヵ月で破局
ところが、小田さんの婚活は連戦連敗。婚活パーティーや街コンの時点では、寄ってくる女性は後を絶たないそうですが、後日個別でデートした直後から、女性との連絡が途絶えてしまうんだとか。
「なんでそんなに上手くいかないのか、まったく理由がわからず不思議でした。だから私の友達で、ちょうど彼氏が欲しいという子がいたので紹介したんです」
すると、美和子さんの友達と小田さんは、あっという間にカップルに。このままトントン拍子で結婚もあり得るのでは……と思いきや、なんと2ヵ月で破局してしまいます。そこで美和子さんは、小田さんの衝撃の事実を知ることになるのです。
◆あなたはジローラモ?砂を吐くほど甘~~いセリフの連発
「別れた彼女に話を聞くと、小田くんがびっくりするほど恋愛下手だということがわかりました。
高層ビルの展望台に連れて行って『この眺めより、キミのほうが綺麗だ』という、ジローラモかマイケル富岡、もしくはスピードワゴン小沢しか言わないようなセリフを言ったり、耳元で『愛してる』とささやいたり。
さらに無理やり自分の家に招待し、彼女がまったくその気じゃないのに関係を迫ったり……なんと、これを全部初回のデートでしたらしいんですよ。普通の女性なら『ムリ!』ってなりますよね」
またメールも毎回、何スクロールもしないと読めない長文のうえ、「早く会いたい」「好きだよ」という、暑苦しい内容ばかり。
実は、高校、大学と男性ばかりに囲まれて育った小田さん。女性の扱い方を知らないまま、大人になってしまったのです。
「今のままの小田くんだと、彼女を見つけるのは相当難しいんじゃないでしょうか。
よく女性は、男性の収入や職業で選んでいると言われますが、それは違うと思います。もし本当にそうなら、小田くんはとっくに結婚できているはずです。現実には女性はやはり、男性の内面や性格を見ているんですよ」
その彼女と別れたあと、小田さんは再び婚活パーティーや街コンへ行くように。しかし結果はやはり惨敗。最近はお見合いサイトに登録して、活動をしているそう。
「いい感じの女の子がいるみたいなんですが、どうやら、熱心な某カルト宗教の信者らしく、小田くんも勧誘を受けているみたいなんです。でも本人は気にする様子もなく、『彼女はすごくピュアなんだ』と言って喜んでいました。周りの友達はみんな心配しています」
◆実はねらい目?男子校育ちの純粋くん
良く言えば純粋。悪く言えば、ロマンティック過ぎて女をドン引きさせる夢見るピーターパンのような男。小田さんはそんな人だと、美和子さんは言います。
「つい最近、小田くんに好きな女性のタイプを聞いたのですが、『俺を好きになってくれる子』と即答されました。つまり、誰でもいいってことですよね。一番言っちゃダメなセリフを平然というあたり、恋愛偏差値はいまだに低いままです」
だけど見方を変えると小田さんのような男性って、「相手を育てたい」という願望のある女性にはピッタリの相手だと思いませんか? 一度、そんな誰かとちゃんと付き合って教育を受けたら、一皮むけるのではないでしょうか。
男子校出身の婚活男性って、実はねらい目なのかもしれません。
―「婚活してる男性」ってどんな人? ―
<TEXT/木綿わかめ(清談社) イラスト/三原すばる>