学歴が高く高収入な男性、いわゆるハイスペ男性との結婚を夢見る女性は少なくありません。
今回は、マッチングアプリでの婚活を通し、理想の相手に出会えたものの、徐々に違和感を覚えて行ったという女性のエピソードを紹介します。
◆婚活を通して出会った理想のハイスペ男
「世の中、そんなにうまくいくわけないんだと実感しました」
そう語るのは、平日は中堅企業の一般職として働く里奈さん(仮名・26歳)。恋愛経験がそこまで多くない里奈さんは、周りの結婚ラッシュに焦ってマッチングアプリをスタート。友人のアドバイスに従い「とにかく会ってみる」ことにしていたそうです。
「私は、一般職として働いていて、お給料も高くないので、いわゆる“ハイスペ”がいいなと高望みながら思っていました。今思えば、軽はずみなんですけど。お金で困ったり切羽詰まるようなのは嫌だなって。それが全面に出過ぎた結果ですかね」
そう言って、何人かとマッチした後に出会い、複数回デートを重ねた一人の男性の話をしてくれました。
◆待ち合わせはいつもホテルラウンジやアフタヌーンティ
マッチしたお相手は黒柳さん(仮名)。写真の印象との差も大きくなく好印象だったんだとか。
「スマートでスタイリッシュだったんです。女性の扱いにも慣れていそうというか。
初めて会ったのはホテルのカフェ。コーヒーが1杯1000円くらいのところでしたが“はじめまして”だからかなと深く考えずにいました。
でも、それ以降も毎回、会うのはホテルのカフェやラウンジ、アフタヌーンティでした」
このときは「女性の喜ぶことをスマートにできる、理想的な人に出会ったかも!」と喜んでいたと里奈さん。
しかし、会う回数を重ねるごとに、黒柳さんの行動に対して疑念が生まれてきたのだそうです。
◆本当に会社員…?
「3回目くらいまではまだよかったんですよね。自分では行かないおいしいお店や、かわいいアフタヌーンティに行けて。真剣にお付き合いを考えるくらい。
でも、4回、5回と回を重ねるごとに、だんだんと会うのが苦痛になっていきました。というか疑問がたくさん浮かんできちゃって…」
なぜ理想の人に思えていた黒柳さんに対して、疑問や不信感を抱くにようになったのか。その理由を里奈さんは次のように続けます。
「最初になんのお仕事をしているのか聞いたときには、会社員で営業関係の仕事をしていると言っていました。でも、それにしては……と思うことが多くあったんです」
最初は「あれ?」と思いながらも食事やデートを重ねていた里奈さん、しかし会えば会うほど不信感は増えたと言います。
「例えば、会社員と聞いていたのに基本的にいつでも連絡が取れるんです。
本来、私はそこまでマメなタイプではないのですが“お付き合いする前だし”とこまめに返信するようにしていました。それにいつ送ってもすぐ返信が来るんです。本当にいつでも。
それに仕事の具体的な話題が出たことがないんですよね。私が会社でのイベントや、ちょっとした世間話をしたとしても、相手から仕事の話をすることはなく。すぐに別の話題になるんです。それが不安材料でした」
◆どこからなにで出てくるお金なの?怖くなったお金の出どころ。
ホテルで待ち合わせ、ランチやアフタヌーンティをするのは魅力的とはいえ、たまにだからいいもの。
毎週、毎回となるとお金の出どころが怖くなったことが、離れた理由だと言います。
「もしかしたら、株や投資で生計を立てていたのかもしれないし、他のことにお金をあまり使わないひとだったのかもしれません。
でも、毎回10000円前後のアフタヌーンティのお金を出してくれる上に、持っている時計やバッグもハイブランドのもの、一緒にいるときに高額な商品をふらっと買い物することもあって……さすがに気になりますよね?
“ハイスペ”を狙ってたからいいじゃんと言われたらその通りなんですけど…どうも普通の会社員だとは思えませんでした…」
自分のためにお金を使ってくれるくらい自分に好意を持っているのでは、とも考えたそう。
「よくいうじゃないですか、SNSとかで。“自分のためにお金を使ってくれたり、行動してくれたりする人の方が良い”みたいなこと。
でも、彼の設定通りだと、あまりにもお金払いが良すぎるのも考えものです。単純に怖くなりましたもん。
スペックばかり見て選ぶのも違うんだなって学びました。今となっては笑い話です(笑)」
この恋を経て、スペックや収入は大事な一方、その出どころや使い方などについて話し合えることも重要だと気づいた里奈さん。
彼女自身のお金の使い方も見直し、一緒に楽しめることが多いかどうか、お金のことや話しづらいことについても話あえるかどうかを重視するようになったそう。
現在は、マッチングアプリで出会ったなんでも話し合える方とお付き合い中。結婚に向けて2人で共同貯金しているそうです。
<文/mayan>
【mayan】
フリーライター兼マーケター。アイドルをはじめとする、かわいいもの・女の子が大好き。ジャンルレスに執筆する傍らSNS運用分析・リサーチなども得意とする。
Twitter:@mayancha1