夫とのベッドでは得られない“複数男女とのカラダの交錯”での喜び。その胸の内とは

女子SPA!

千葉県在住のイラストレーター美優(みゆ・仮名)さん、38歳。

30歳で結婚し、夫婦仲は良く、好きな仕事をして幸せな日々を過ごしている。しかし、それとは別にときどき“複数セックス”を楽しんでいるという。

始まりは、学生時代にサークルで恋愛感情の絡まない複数セックスを経験し、盛り上がったことからだった。カップルが混ざっていても、嫉妬の感情なども生まれなかったという。

◆卒業後も続く友達関係。会話するのと同じ感覚でカラダが交錯して…

「ほんと、不思議なくらい人間関係はこじれなかったです。まあ、そもそも嫌なら最初から参加していないでしょうしね。ただ、大学を卒業後はUターンしちゃった子もいましたからね……

サークルメンバーは40人くらいいましたがセックスメンバーは15名ほど。そのうち都内近郊に残ったのは男性4名と女性5名。その9名も仕事で忙しくてなかなか会えなくなりましたね。でも、そもそも恋愛関係ではないから、会わないから壊れるという関係でもないんです。FacebookやLINEグループで、ゆるい友人関係が続いていました」

美優さんは、最初にこのメンバーたちとの関係ができたころには彼氏はいなかった。でも、そのうち真剣交際をする人ができた。3人ほど彼氏らしき人とつきあったのちに今の夫と結婚。が、仲間たちとの“複数セックス”は、ずっと続いたままだ。

「私たちはとりたててセックスのために集まっているわけじゃないんですよね。もともと、根底にあるのは、信頼しあえる友達同士という関係です。それぞれマスコミの仕事をしています。テレビプロデューサー、ゲーム会社広報、脚本家、広告代理店勤務……とてもいい情報交換の仲間だし、それぞれの活動を応援しあっていますね。友情の延長線上に、たまたまセックスもあるという関係なんです」

既婚者もいれば独身者もいる。居酒屋でお酒を飲みながら会話を楽しむのと同じようにセックスを楽しむだけ。誰とでもセックスしたいわけじゃない。その仲間たちとの大事な友情があるからこそ、成り立つ関係なのだそうだ。

◆彼らとのカラダ関係でしか感じられない興奮を求めているんです

しかし、そんな関係を、誰も不思議には思わないのだろうか? おそらく一般的には、身体の関係のない「仲間」を持つ人たちのほうが大多数だと思う。そのことについて美優さんはどう思っているのか? なぜ、その仲間たちのあいだにはセックスがなくてはならないの?

「仲間たちも“俺ら、絶対変だよね”って笑ったりすることもありましたし、私もそう思うこともあります。でも、そうなっちゃったんですよね。

人間関係って、一筋縄ではいかないでしょう?“こうしよう”と思ってそうなるわけでもないでしょう?たまたまできた関係が続いているという感じかなあ。悪いことをしているつもりはないけれど、やっぱり、歴代の彼氏や今の主人には秘密です。絶対に理解してもらえないと思いますしね」

「それと……実は私、その仲間たちとのセックスでしか、いったことがないんです。今の主人とも、それまでの彼とも、触れ合うとあったかくてホッとするけれど、身体が満足したことはないんですよね。たぶん、そのことも、私が彼らとの関係をやめられない理由という気がしています」

サークル仲間とは、ここではちょっと文字にしにくいような、さまざまな身体の絡み方をしている。「そういうことをしているイケない私」と思うことも多いらしく、その気持ちから興奮するのかもしれないと美優さんは言う。

なるほど、そうだったか。この話を聞いて、やっと私は納得できた。美優さんには、その仲間たちが必要なのだ。それがいいとか悪いとかはさておき、美優さんの心と身体のバランスのためには必要な関係なのだ。

◆好きな人には自分の欲望をさらけ出せないんです

「私ね、好きな人には“もっと、こうして”とか言えないんです。でも仲間たちには言えるし、言う前からもいろんなことをしてくれる。倒錯した人間関係にも興奮しているのかもしれませんね。

ただ、私以外のメンバーがどんな気持ちで参加しているのかはわかりません。尋ねたことがないんです。私も尋ねられたことはありませんしね。話すことじゃないと思うんですよ。誘い合って、その場に来てるということは“そういうこと”。同じ思いということ。それでもう十分なのではないでしょうか。」

◆きっと誰もが、誰にも言えない秘密を

男女関係も友情も、本当に千差万別だなあと思う。そして、何がよくて何が悪いなんて、いったい誰に言えるんだろう?

私には言えないなと思った。だって今、美優さんは幸せなのだ。さまざまな人間関係のバランスがとれているのだ。

もちろん、事実を知って悲しむ人もいるかもしれない。だけど、結局のところ、人間関係とはそんなものなのではないのだろうか。

幸せの価値基準は人によって違う。そして、誰かの基準で生きたって、ちっとも楽しくなんかないのだ。きっと誰もが、誰にも言えない秘密を持って生きているのではないだろうか。

<文/安藤房子>

【安藤房子】

作家。恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書に『愛されて結婚する77のルール』など。Instagram:@ando.fusako.loveブログ:恋愛心理研究所 安藤房子の「ココロとカラダのレシピ」  

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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