【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.97】
目の上にある眉毛のような模様と、鼻筋がくっきりしているように見える模様が可愛いじゃこちゃんは、jako_sodateruさん(@jako_sodateru)の愛猫。
じゃこちゃんはペットショップで買いたたかれ、元飼い主にも見放された結果、今の飼い主さんと出会い、心から愛される日々を送るようになりました。
◆先住猫の心の隙間を埋めるべく新しい猫を迎えた
学生時代から実家で猫と暮らしており、親元を離れた後は2匹の元野良猫を迎えた飼い主さん。体が悪かったサビ猫が2歳で急逝し、寂しそうにしている愛猫の姿を見て、縁があれば新しい猫を迎えたいと思うようになりました。
そこで、とある保護団体さんに問い合わせ。すると、おすすめの猫がいると言われ、お見合いをしてみることに。
「それが、じゃこです。サビ柄で仔猫ではなかったため、人気がなかったそうです」
◆ペットショップで販売された後、飼育放棄に…
実はじゃこちゃん、もともとはペットショップで販売されていた子。サビ柄で長足タイプのマンチカンであったため、安く売られていました。
じゃこちゃんは高齢のおばあさんに買われ、ペットショップを卒業。しかし、おばあさんは認知症を患っており、「鳴き声が変だから引き取ってほしい」と保護団体にじゃこちゃんの保護を依頼。
状況を見た保護団体は、飼育が難しいと判断。じゃこちゃんは、預かりさん宅に引き取られました。
「ただ、預かりさんも新たに保護された猫を受け入れるスペースを作るため、じゃこちゃんのおうちを急いで探していました。その時、野良猫慣れしている私から問い合わせがきたので、紹介してくれたそうです」
◆初対面でお迎えを決意。徐々に慣れてくれたじゃこちゃん
初対面の日、じゃこちゃんは警戒した様子でした。しかし、飼い主さんがおやつをあげると、おいしそうにペロペロ。その姿を見た預かりさんは「もう、家の子になったように見えた」と嬉しい言葉をかけてくれ、じゃこちゃんは飼い主さん宅にやってくることになりました。
お迎え後、じゃこちゃんは用心しながら部屋を探検。飼い主さんは、これまで猫を迎えてきた時、自主的に慣れてもらうという方針をとってきたため、ケージに閉じ込めず、先住猫との関係に配慮しながら、じゃこちゃんが家に慣れてくれるのを見守りました。
「もちろん、絶対に目は離しません。猫は自分の意思を持っている動物なので、強制せず自主学習して慣れてもらうのが1番だと私は思っています。我が家では、牛皮の手袋を常備していて、いざという時は手袋して捕まえ、病院に連れて行っていました」
ほどなくして、じゃこちゃんは安心してご飯をパクパク。すぐ家に慣れてくれた姿を見て、飼い主さんは「この子はうちに来るべき子だったんだ」と実感しました。
「お姉ちゃん的存在である先住猫のことが大好きで、プロレスをするようにもなりました。理想と違うという理由で手放した元飼い主には憤りを感じますが、我が家にきてくれてよかったです」
◆お見送りもお出迎えも忘れない!甘えん坊な一面も
一緒に暮らす時間が長くなるにつれ、じゃこちゃんは甘えん坊な姿を見せてくれるように。
最近では、外出時のお出迎えを習得。飼い主さんが出かける時は玄関マットでゴロンとしながらふみふみをして、おなかを見せ、お見送り。その姿がお菓子を作っているかのように見えるため、飼い主さんは「シェフパティシエ」と呼んでいます。
帰宅時は玄関に走ってきてくれ、目が合うと踵(きびす)を返し、「リビングはこっちよ!」と案内。
「じゃこは、興奮して走り回る時、キュキュキュと鳴きます。あと、パンケーキのような甘い匂いがする。嗅ぎたくて、顔を近づけると猫パンチされてしまいますが……。大人の女性になったなあと感じています」
◆トイレのタンク上でずぶ濡れに!へんてこな性格も愛らしい
そう思うのは、無邪気だった頃を知っているから。じゃこちゃんは一時期、人間のトイレに興味を持ち、タンク上にある手洗い器の上に鎮座し、ずぶ濡れに!
「人間が用を足すと水が出るので、何度もビショビショになっていました。トイレの裏が好きだった時期には水道の栓をゆるめ、トイレと洗面所が水浸しに……。じゃこは、濡れねずみになり、先住猫は慌ててダッシュ。私はゆるんだ箇所を手でおさえ、「助けて」と電話。すごい体験をしました」
さまざまな体験を経て、絆を育んできた飼い主さんはじゃこちゃんのかわいさを痛感しているからこそ、猫種としての特徴が現れていない猫や里親が決まりにくい成猫も幸せになれるような社会になることを願っています。
「猫ちゃん選びは、育てやすいという観点でみるのもいいと思います。例えば、マンチカンなら、短足より長足のほうが病気も怪我も少ない。また、子猫は人気ですが、成猫のほうがお世話がしやすいので、ぜひ大人猫のお迎えも検討してもらいたいです」
じゃこは、かすがい。じゃこのお陰で金運も上がり、広い部屋に引っ越すことができた気がする――。そう語る飼い主さんの横で、今日もじゃこちゃんは嬉しそうに部屋中を走り回っています。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291