今、韓国ドラマに劣らず中国ドラマが、日本でかつてないほどの人気を呼んでいます。一昔前までは、台湾ドラマをメインとした華流ドラマとして一括りになっていましたが、ここ数年で日本で視聴できる数は激増。有料放送チャンネルでは、ジャンルの一角を占めるまでになりました。
でも、なぜ今、中国ドラマなのか? その理由をちょっと探ってみました。
◆映像のスケールが圧巻!
ハマる人続出の理由の1つとして、まず、ハイクオリティ&壮大なスケールの映像があげられます。急成長した中国経済を背景に、ケタ違いの製作費が注ぎ込まれ、豪華なセットやきらびやかな衣装も圧巻。
そして、なんといっても顔面偏差値の高さがすごいんです。とはいえ、もちろん整形にお金をかけているわけではありません。14億人もの人口を誇る中国ですから、その中で競争を勝ち抜いたスターたちのルックスの素晴らしさは半端なく、脇役から年配の俳優に至るまで美男美女がずらり。映像を見ているだけでもうっとり&ドキドキ…。
また、コロナ禍以降、急激に会員数を伸ばしているNetflixやU-NEXTなどのサブスクサービスが、韓国ドラマと比べると放送権料が比較的安い「日本ではまだこれから」だった中国ドラマを買い付け、続々と配信したことも、中国ドラマが広く認知されるようになった理由の1つでしょう。
◆ブロマンス時代劇が日本で人気沸騰!
中国ドラマで一口に時代劇と言っても、本格歴史劇だけではなく、ファンタジー、ラブコメ、サスペンス、アクションと多彩な作品があります。その中でも、今、大ブームを巻き起こしているのがブロマンス時代劇。「ブロマンス」とは「ブラザー」と「ロマンス」を合わせた造語で、男性どうしの友情・信頼で結ばれた絆を意味します。
シャオ・ジャンとワン・イーボーが共演した『陳情令』で火がつき、ゴン・ジュンとチャン・ジャーハンが共演した『山河令』で人気が不動のものに。このブームは中国では社会現象ともなり、当局が規制をかけるほど。主演を務めた4人の人気も凄まじく、作品をきっかけに一躍トップスターの座に上り詰めました。
『陳情令』や『山河令』は、日本の地上波でもたびたび放送され、日本でも「沼落ち」する人が続出。タイのBLドラマ『2gether』ブームも重なり、韓国以外のアジアドラマも日本で好評を博すようになったんです。
◆今「沼る」ならシュー・カイとシャオ・ジャン
イケメンぞろいの男優の中でも、今、最も熱い視線が注がれているシュー・カイとシャオ・ジャン。
シュー・カイは、中国で社会現象化するほどヒットした宮廷時代劇『瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』で大ブレイク。まるで二次元から飛び出してきたかのような端正&甘いルックスで、ヒロインを温かく守る王子様役を演じ、世界中の女性の心をわしづかみにしました。
続く『烈火士官学校~ステキ男子とイケメン女子』『天舞紀~トキメキ☆恋空書院~』では放蕩息子系キャラを茶目っ気たっぷりに好演。明の華やかな宮廷を舞台とした最新作『尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~』では、完全無欠のツンデレ皇太孫を魅力的に演じ、こちらもヒットを記録しています。
シャオ・ジャンは、ブロマンス時代劇『陳情令』で大ブレイク。スラリとした長身を生かして古装を着こなし、「どこから見ても死角なし」と言われる完璧なルックスで視聴者を魅了しました。
『狼殿下-Fate of Love-』『斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~』など話題作で目覚ましい活躍をみせた後、最新作の超人気ラブロマンス『これから先の恋』では現代ドラマに初挑戦。白衣&メガネ姿で堅物エリート外科医に扮し、クールな魅力を光らせています。
いかがでしたか? 中国ドラマ、ちょっと侮れないですよね?
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<文/名越由実>