Image: Shutterstock 中の人は、いた。
「こんなに反響があるとは思っていませんでした。世界中からコメントが来て驚いています」というのは、近年、SNSで大バズりした人たちのあるあるコメント。
世界的ヒットは、コンテンツの面白さもありますが、アルゴリズムと運によるものが大きいと思います。いや、思っていました。が、どうやらTikTokに限っていうとそれだけじゃないようで…。中の人がちょちょっとバズりの糸をひいているという話がでてきました。
投稿を選んでおすすめに表示できる機能
Forbesの
報道によれば、TikTok&親会社のByteDanceの中の人には、「Heating」と呼ぱれる特殊な社内機能が公開されているそうで、これはTikTokのおすすめタブ「For You Page」に投稿をマニュアル表示させるためのもの。
#FYP(For You Pageの頭文字)というタグもあるくらいで、ここに表示されるとある程度の観覧数=バズりは約束されたも当然です。
Forbesの取材に応じた6人の元&現TikTok/ByteDance社員いわく、社員がこの機能を使うのはけっこう頻繁にあったそうで、入手した社内報告書によれば1日のポスト観覧数の1%から2%をこのHeating機能発動ポストがしめていたとのこと。
ラベルなしでこっそりバズらせられる
一部のコンテンツを運営側が推すことは、TikTokに限らず、TwitterでもFaceBookでもInstagramでもあること。状況に合わせて、コロナや選挙の情報がフィードトップに表示されることはあります。
その他、もちろん広告枠は優先表示。ただ、今回噂されているHeatingコンテンツにおいては、公の時事ネタではなく、かつ広告のように「Promoted」的なラベルもないということ。
つまり、こっそりブーストされているということです。Forbesは、これはTikTokが売りたいブランドやタッグを組みたいインフルエンサーのPVを容易に底上げできる仕組みだと指摘しました。
Heatingに関する社内報告書には、インフルエンサーを惹き込むため、コンテンツ多様性のプロモーション、重要な情報の拡散、そして、アルゴリズムで拾えなかったコンテンツのアピールが、機能の存在理由として記されていたそう。
どれも立派な理由なのですが、社員の中にもずる賢い人はいますから、この機能を悪用して自分や友達、家族のポストをブーストする人もいます。私的な利用は禁止されていますが、それでも悪用する人は後をたたなかかったのだそう(だよね)。
米で広まるTikTokへの不信感
人間が操作してる!と、アメリカの政策立案者に騒がれるのはTikTokの運営会社が、やはり中国の企業だからでしょう。
情報が制限されたり、中国政府に好意的なポストが推されたり、はたまた外に向けて共産党アピールされたりしちゃうのではと、疑ってしまう気持ちがあるところが大きいのかと。
特にアメリカでは、TikTokへの不信感が募っており、一部の大学や州で禁止しているところもあります。中の人が糸ををひいているという報道は、禁止したい側にとっては、むしろ好都合…。
米Gizmodoが、TikTokにメールで本件についてコメントを求めたところ、以下の回答がありました。
「多様なコンテンツ体験をしてもらうため、有名人や新進気鋭のクリエイターをTikTokコミュニティに紹介するために、コンテンツをプロモートすることはあります。
ただ、アメリカでは、コンテンツをプロモートできるスタッフはごくわずかであり、アメリカでFor Youに表示されるコンテンツのうちプロモートされたものは、ほんの0.002%に過ぎません」
ちなみに、対米外国投資委員会の協議の下、アメリカ国内でHeating機能を発動できるのはデータセキュリティ許可を受けた社員のみだそうです。